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販売直後のレクサスRZがすでに苦戦!「価格が高いのに航続距離が伸びない、充電時間が長い」。おまけにアップデートの予定もなく、なんらかの対応が必要か

2023/02/23

販売直後んpレクサスRZがすでに苦戦!「価格が高いのに航続距離が伸びない、充電時間が長い」。おまけにアップデートの予定もなく、なんらかの対応が必要か

| 対策としてはシングルモーターの「レクサスRZ300e」の投入が検討されているというが |

ただしトヨタはEV戦略を抜本から見直して2026年に新型EVを発売する計画を発表済み

さて、レクサスは世界各国において順次ピュアエレクトリックSUVであるRZを発売していますが、現時点ではそのグレードは「RZ450e」のみとなっており、この出力は313馬力、一回の満充電あたり航続距離は約450kmというスペックを持っています。

ただ、この「450km」というのはWLTPモードでの数値であり、より厳密な、そして現実に即していると言われるEPAモードではわずか354kmという数値にとどまるのですが、20インチホイールを装着するとこれが315kmにまで短縮されることに。

レクサスはEVとしての利便性を改善するための策を持たない

そこで今回、フランスでの発表会においてカーメディアが「この航続可能距離の短さを解決する方法はあるのか」とレクサスに訪ねたところ、アシスタント・チーフ・エンジニアの東山氏か回答したところでは「航続距離を伸ばすには今よりも大きなバッテリーを積む必要があり、よりも大きなバッテリーを搭載するには、ホイールベースを延長することが唯一の方法ではあるものの、しかしこれは車両サイズや動的挙動上の問題があり”実現不可能”」。

つまり現時点において、レクサスはRZの航続距離を伸ばす策を持っていない、と考えて良さそうです。

なお、テスラはもちろん、既存の自動車メーカーのうちいくつかは無線(OTA=オーバー・ザ・エア)にてバッテリーの管理をアップデートし航続距離を伸ばすなどの対応を行っているものの、レクサスはこれについても「いまのところ、その予定はない」。

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ただ、走行距離が伸びないという対策と言ってはなんですが、レクサスは通常のエコモードより5〜10%ほど航続距離を伸ばせるという「レンジ」モードを搭載しているものの、これは最高速が時速100km/hに設定されているために高速道路やアウトバーンではほぼ使用できず、今のところ(発売されたばかりではありますが)レクサスRZの評価はかなり芳しくないもよう。

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参考までに、ずっと(レクサスRZよりも価格の安い)テスラ・モデルYロングレンジはEPAモードで約531km走行でき、レクサスRZとほぼ同じ価格のキャデラック・リリックは約500kmの走行が可能です。

加えてレクサスRZの充電性能も高くはなく(DC急速充電器なら30分で0〜80%まで充電できるが、AC充電器しか使えない場合は何時間も待たされることになる)、このままではレクサスRZはその存在感を発揮できないままにライフを終えてしまうのかもしれません(トヨタ自身、レクサスRZやbZ4Xに使用されるEV専用プラットフォーム、E-TNGAの競争力が低いことを認めている)。

トヨタ
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そしてレクサスはRZの航続距離の短さに対応するためにいくつかの解決策を導入しており、米国ではChargePointおよびQmeritとの提携を発表し、正規ディーラーから直接に家庭用充電ソリューションを購入できることとなったそうですが、こちらは「キャデラックがQmeritの家庭用充電器の購入費用として1,500ドルを提供する」のに対し、レクサスではすべて自費購入となるためにあまり効果はないと目されているもよう。

そのほか、「3年間でレクサスのガソリン車を30日間、無料でレンタルできる」というプログラムの提供も発表していますね。

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ただしレクサスは問題を放置しない?

しかしながらレクサスはこの問題を放置するわけではなく、せっかく開発したRZをなんとか拡販すべく、現在のデュアルモーターからシングルモーターへと変更した安価な「RZ300e」投入を検討しているといい、市場のニーズによっては実際に市販する可能性を示唆しています。

なお、一般にデュアルモーターからシングルモーターへと変更され、そしてバッテリーサイズが同じであれば航続距離が長くなる傾向があり、かつ価格も下がるのは間違いなく、これは有効な対策と言えるかもしれません(ただし、北米市場だと、bZ4Xのデュアルモーターとシングルモーターでは2,000ドルしか価格が変わらない)。

反面、よりワイドなタイヤによる接地抵抗、エアロパーツによる空気抵抗増加が懸念される「Fスポーツ」の可能性は非常に低いという現実的なコメントもなされており、レクサスは今後の対応についてすでに検討を始めていると考えて良さそうですね。

ちなみにですが、米国では「5万ドル近辺」に魅力的なエレクトリックSUVが集中しており、トヨタとしてもRZの「2WD化」にてそのラインを狙いたいのかもしれません(ただし、RZは米国で製造されていないので、米国における減税対象とはならず、販売が不利なことには違いない)。

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参照:CARBUZZ

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