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レクサスが2026年に発売を予定する次世代EV、「LF-ZC」「LF-ZL」を公開。これまでのBEVコンセプトとは内外装一新、目標航続距離は1,000km

レクサスが2026年に発売を予定する次世代EV、「LF-ZC」「LF-ZL」を公開。これまでのBEVコンセプトとは内外装一新、目標航続距離は1,000km

| レクサスは「再ブランディング」に近いほどのコンセプト、ハード/ソフト、そしてデザインの変化にチャレンジ |

「目に見える」大きな変化も感じられ、今後のレクサスの躍進には期待できそう

さて、レクサスがジャパン・モビリティショー2023にて公開する新型コンセプトカー、「レクサスLF-ZC」「レクサスLF-ZL」を公開。

まずはレクサスLF-ZCの方から見てゆくと、こちらは2026年に発売を予定している次世代EVを示唆しているといい、つまりは現在の「E-TNGA」プラットフォームではなく、新しく導入するギガキャストを採用した「完全新設計」を持つものと考えられます。

トヨタの新技術は「今まで数時間かけていたものが3分でできる」。2026年の新世代EV」製造に使用するギガキャストが公開され、飛躍的な進歩をアピール
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レクサスLF-ZCはこんなクルマ

レクサスは2035年にBEVブランドへと変革するという目標を掲げていますが、この過程において車体の製造方法、車体を制御するソフトウエアなど「ほぼすべて」を刷新することについても言及済み。

そしてこのLF-ZCがその皮切りとなるものと思われますが、そのコンセプトは「クルマ屋LEXUSならではのドライビング体験とサービスでお客様のライフスタイルを豊かにする」。

そしてLF-ZCの骨子として下記を挙げています。

レクサスLF-ZCの特徴

  • 次世代BEV用プラットフォームに刷新されたソフトウエアを組み合わせ、「走りの楽しさ」を実現
  • 新ソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」を搭載し、顧客ごとにパーソナライズされたドライビング体験やエンターテイメントの拡張、社会ネットワークとの繋がり等、デジタルライフのシームレスな連携を提案
  • レクサスがこれまでにも用いてきた素材「バンブー(竹)を特徴的素材だと位置づけ、サーキュラーエコノミーや環境課題の解決に貢献しつつ、テクノロジーを通じて伝統的な素材の新しい可能性に挑戦する
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レクサスにおける次世代EVではすべての構成部品やコンポーネントを小型化・軽量化することを目的としており、これによって得られるのは「パッケージングの自由度」。

レクサスLF-ZCではそのメリットを最大限に活かし、「広い室内」「スリリングなドライビングエクスペリエンス」を実現しつつも「スマートで機能美を感じさせるデザイン」を実現したといい、動力性能面ではトヨタが現在強くアピールしている四輪駆動力システム「DIRECT4」による走行、「ステアバイワイヤ」によるリニアなハンドリングをその特徴として掲げています。

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ボディサイズは全長4,750ミリ、全幅1,880ミリ、全高1,390ミリ、ホイールベース2,890ミリ、そしてCd値は0.2以下という優れた空力性能を持ち、一回の満充電あたり航続距離は(以前にアナウンスのあったとおり)1,000kmを目標値としています。

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デザインテーマは「Provocative Simplicity」だとされていますが、これはレクサスが2021年末に(トヨタとともに)発表した一連の「エレクトリファイド」コンセプトカーとはやや路線が異なるもので、「新世代EVには新世代のデザインを」ということなのかもしれません。

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ただし現在トヨタの推し進める「スピンドルボディ」は健在であり、むしろその洗練度を増しているようにも感じられますが、シルエット、ディティールともにオリジナリティあるデザインだと思います。

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レクサスLF-ZCのインテリアにも新しいコンセプトを採用

そしてプラットフォームやエクステリアが「刷新」されたのであればインテリアも同様に全く新しいコンセプトへと変更されており、今回採用されたのは「Digitalized Intelligent Cockpit」。

必要な時に必要な操作を”直感的に”できるようにしたというもので、さらには新たなソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」を採用することで随時機能を(オンラインにて)アップデートすることが可能に。

参考までにですが、ぼくはレクサスにつき「コンセプトカー段階では画期的なインターフェースを提案するものの、実際の市販車になると急に普遍的なものになってしまう」という印象を持っていて、この状況を打ち破ることができるかどうかにも期待がかかります(レクサスUXについても、コンセプト段階ではホログラムなど画期的なUIを取り入れていた)。

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なお、室内全体としてはフルフラットフロア、パノラマルーフ等によって開放感を演出しており、操作系に関してはステアリングホイール上のデジタルパッドにスイッチを集中させるなど新しいコンセプトを導入したほか、視線の移動を最小限に留めるためにフロントウインドウ内側に情報を映し出す遠視点メーター等の新デバイスを取り入れて「運転に集中できる環境」を構築しています。

これら含めての「Digitalized Intelligent Cockpit」ということになりますが、以前まであれほど前に押し出されていた「Tazuna Concept(手綱コンセプト)の文字がプレスリリースには全く出てこないので、こちらについてはフェードアウトしてゆくのかもしれません。

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加えて、上述の通り「Bamboo CMF Concept」を採用しており、これはサステイナブルな取り組みの一環だとされ、「環境への配慮」「ラグジュアリー空間の演出」を実現するとともに、「日本らしさ」を示す素材として活用してゆくことにも言及されています。

なお、バンブー(竹)は成長が早いので伐採による環境負荷が小さく(切ってもすぐ生えてくる)、CO2吸収量が多いといった特徴も持っており、かつ東洋における特徴的な素材ということもあって、日本を拠点とするレクサスにとっては「うってつけ」の素材なのかもしれませんね。

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レクサスLF-ZLはこんなクルマ

そして今回発表されたもう一台のコンセプトカーがレクサスLF-ZL。

こちらは「フラッグシップ」として位置づけられており、LF-ZCの「大型版」といった雰囲気を持っています。

実際のところボディサイズは全長5,300ミリ、全幅2,020ミリ、全高1,700ミリ、ホイールベース3,350ミリというかなり大きなサイジングを持っており、(詳細について言及されていないものの)様々なおもてなし機能を持っている、とのこと。

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インテリアについてもやはりLF-ZCに近く、先進的でクリーンな印象を持ち、しかし多くの(ここ最近発表される)他社のコンセプトカーとは異なり、「完全自動運転」「ラウンジ」形式ではなく、けっこう実現的なレイアウトを持っているようですね。

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レクサスLF-ZC、レクサスLF-ZLを紹介する動画はこちら

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参照:LEXUS

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