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トヨタが「セリカ復活」への期待をさらに煽る?これまでの豊田章男氏のコメントを総括し、(セリカの)ラリーにおける過去の活躍を再評価する記事を投稿

トヨタが「セリカ復活」への期待をさらに煽る?これまでの豊田章男氏のコメントを総括し、(セリカの)ラリーにおける過去の活躍を再評価する記事を投稿

| たとえセリカが復活したとしても、それはモータースポーツとは関連性のないクルマとなるかもしれない |

トヨタはWRCで活躍した4代目、5代目セリカにスポットライトを当てる

さて、トヨタイムズの英語版”Toyota Times”にて、「セリカの復活を匂わせる」記事が登場してちょっとした話題に。

これは10月に同メディアにて公開された「豊田章男会長による、セリカ復活へのラブコール」への反響、それにあわせて過去のセリカを振り返るコンテンツとなっており、セリカ復活にかける期待をいっそう高める内容と受け取ることも可能です。

豊田章男会長自らが「セリカの復活」に言及。現佐藤社長も「8代目セリカをお目にかけたい」と語るなど実際に登場する可能性が濃厚に
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これまでの「セリカ」に関する流れはこうなっている

そこでまずセリカに関するトヨタのコメントを振り返ってみると、まず起点となったのは2017年のアメリカでの商標登録、そしてスープラ復活の後にMR2やセリカを復活させたいという発言がトヨタからなされたこと。

しかしながら、それ以降はあまりこれに関する話題はなく、かつコロナウイルスのパンデミックなどもあってセリカの名をあまり聞かなかったものの、2023年3月5日の新城ラリー2日目のスペシャルトークイベントにて豊田章男会長が「セリカに思い入れがあるか」と問われ、以下のように答えたわけですね。

まあ、はい、そうです。 セリカはまた乗りたい車です。 WRC(FIA世界ラリー選手権)での活躍を考えると、セリカの名前はカローラやヤリスと並んでラリーファンの心の中に特別な位置を占めていると思います。 トヨタは一時期さまざまな車を落とした時期がありましたが、その後ロングセラーモデルが復活してきました。 佐藤幸治社長がこの流れを引き継いでくれるのではないかと淡い期待を抱いています。

さらに9月10日、ラリー北海道の北愛国サービスパークからの生放送中に再びこの話題が浮上しており、「新型セリカは本当に出てくるのですか?」という質問に対しては以下のように回答。

多くの人がそう願っていますが、それについてはトヨタ自動車に聞いてください。いまや私は経営側ではありませんので。

ただ、ラリーイベントに参加しているからこんなことを言っているわけではありませんが、ユハ・カンクネンはミスター・セリカです。 セリカでは4度チャンピオンに輝いた。 ここで、私がなぜカンクネンにそこまで関わってもらうのかを考えてみましょう。

つまり豊田章男氏はカンクネンを引用することで、トヨタがなんらかのヘリテージを復活させようという動きを取っていると匂わせているのだとも考えられますが、最新のToyot Timesでこの一連の流れを取り上げるあたり、トヨタは何かを伝えようとしているのかもしれません。

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トヨタ・セリカはこういった歴史を辿ってきた


トヨタ・セリカは1970年に日本初のスペシャルティクーペとして誕生し、その後モデルチェンジを重ねながら進化を遂げていますが、今回豊田章男氏が(記事中で)クローズアップしているのはWRCで優勝した4代目と5代目セリカ。

1985年に登場した4代目モデルは、セリカをそれまでの後輪駆動から前輪駆動へと大きく変革させ、1986年10月には4輪駆動システムとターボエンジンを組み合わせたGT-Four(ST165)がラインナップに加わります。

さらには1987年のヒット映画「私をスキーに連れてって」で一躍名を馳せ、劇中では渋滞した道路を避けるために(ワイルドに)雪上をジャンプしたり走るシーンがあり、ここでST165の持つ「雪上性能」が多くの人に知られることとなったわけですね。

なお、このST165は1988年に世界ラリー選手権(WRC)に参戦を開始し、1989年にはユハ・カンクネンによってラリー・オーストラリアでの初優勝を飾ります。

1990年には5勝を挙げてカルロス・サインツ(シニア)がドライバーズチャンピオンに輝き、1992年シーズンには次世代型ST185のステアリングを握り、再び1位を獲得することに。

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1993年にはユハ・カンクネンの活躍にて待望のマニュファクチャラーズタイトルを獲得していますが、この勝利は「1973年にWRCが創設されて以来、非ヨーロッパの自動車メーカーが獲得した初のマニュファクチャラーズタイトル」。※この年はユハ・カンクンネンが4度目のドライバーズタイトルを獲得している

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1994年シーズンもST185はドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、ディディエ・オリオールがランキングトップに立つなど目覚ましい活躍を見せており、しかしST185の後継モデルであるST205が登場するとセリカは没落してゆくことととなってしまいます。

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このST205型セリカはセッティングが難しく、トヨタはターボチャージャー用のリストリクターを不適切に改造してしまい、その結果としてWRC開催元は1995年シーズンのトヨタを失格とし、それがスバル・インプレッサを駆った故コリン・マクレーに最初で唯一のドライバーズタイトルをもたらしたわけですが、1996年シーズンはトヨタチームが活動停止、1997年シーズンは代わりにトヨタ・カローラが参戦したため、ここで「セリカとラリー」の歴史が途絶えてしまいます。※そのため7台目セリカであるT230型はラリー参戦を考慮しない設計で登場している

今後セリカが復活するにしても、ヤリスがラリーを戦っている以上、セリカにはラリーで活躍するためのスペースがなく、モータースポーツとは無縁のクルマとなる可能性も否定できませんが、それでもやはり「セリカ復活」の報を聞きたいと願うのはぼくだけではないと思います。

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参照:TOYOTA TIMES

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