| 現在に至るまで原因は正確に判明しておらず、対策についても立てられないまま |
もちろんホンダは全力を挙げて原因を究明中
さて、アメリカで問題となっているホンダの「ステアリングホイールの重さが急に変わる」問題につき、根本的な改善が追いつかないままに被害がどんどん拡大しており、クレームが1,324件、事故が13件、負傷が3件という事態にまで発展しています。
これは北米だと「スティッキー・ステアリング(張り付くステアリング)」と呼ばれていて、カーブを曲がっている際にステアリングホイールが張り付いたように動きにくくなり、そこから動かすにはかなりの力を必要とするというもの。
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問題はシビックだけではなくCR-Vとインテグラにも拡大
なお、この問題は当初(2022年から2023年モデルの)シビックのみに報じられていて、しかし現在ではCR-Vとインテグラにも問題が拡大しており、アメリカの自動車規制当局はホンダとアキュラ車532,535台のステアリング・システムに潜在的な問題があるとして調査を開始しています。
現在米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)には顧客から523件の苦情が寄せられており、ホンダが受けた苦情(重複を除く)と合わせると、これらの車種でのステアリング事故は1,324件に上るのだそう。
苦情の内容としては、「運転中、特に高速道路においてステアリングホイールが突然動かなくなることがある」というもので、幸いなことに、ほとんどのドライバーは軽い努力でこの固着を克服できるものの、負傷に係る事故のうちいくつかは「ドライバーが粘着性を克服した後、修正しすぎたために起こったもの」で、またあるものは「ドライバーがコーナーを曲がるのに(粘着の克服が)間に合わなかったために起こったもの」だと報じられています。
NHTSAの報告によると、ホンダはすでにこの問題に関する対策チームを結成して調査を行い、技術サービス速報として原因を発表していますが、これによると「ステアリングギアの製造上の問題に起因している可能性がある」。
問題となるウォームギア表面には製造過程にてアニール処理が施されているそうで、このギアには車両の使用中に内部応力が発生し、そのため時間が経つにつれてギア(の歯)が変形して引っかかりが生じるようになり、さらには製造中に部品に十分なグリスが塗られていなかった可能性も指摘されています。
この問題は「発生するまでわからない」
なお、この問題のやっかいなところは「構造上、警告灯表示がなされない」ことで、よってオーナーは何ら事前の警告や前触れがないまま、いきなり「ステアリングホイールが動かなくなる」ため、これはちょっとびっくりかもしれません。
まだまだ原因については「可能性」の域を出ず推測にとどまるそうですが、寒い時期や長時間直線を走行した後にこの問題が最も頻繁に発生するということがわかっている、とのこと。
(原因や対策が確定していないためか)リコールはまだ出されておらず、しかしNHTSAはこの問題の分析調査を強化しており、その範囲と頻度、安全性への影響を評価している最中だと報じられています。
加えて、この問題を解決するためにはエレクトロニックパワーステアリングのギアボックスを取り外し、(対策が施された)新しいギアセットと交換する必要があるといい、ホンダにとってはその対策費用が非常に高額なものとなるであろうことが予想されているようですね。
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