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グンペルト創業者が復活。73歳にして0-100キロ加速2.5秒、最高速度300km/hのスーパーEV発表

2018/04/26

| グンペルトが再始動 |

グンペルトがエレクトリック・スーパーカーを公開。
「グンペルト」と聞くと「え?倒産して香港企業に買い取られたんじゃないの?」と思う人もいるかもしれず(ぼくもそう思ってた)、ここでちょっと解説を。
もともと自動車メーカーの「グンペルト」を設立したのは元アウディ・モータースポーツ(当時の名称)の責任者「ローランド・グンペルト」氏。

新生グンペルトは中国企業に

同氏はアウディを退社後にスーパーカーメーカー「グンペルト」を作り、そこからリリースしたのが「アポロ」となります。
なお、同氏はそのアポロを駆ってニュルブルクリンクにて当時(2009年)の市販車最速記録を出しており、今でもベスト10に残っている状態。

グンペルト・アポロはこんなクルマで、アウディ製4.2リッターV8ツインターボ(650)馬力をミドシップマウントし、車体重量は1100キロ。
0-100キロ加速は3秒、最高時速は360キロとされ、当時の水準を考えると「超弩級」とも言えるクルマ、もといマシンですね。
アウディ出身ということもあってアウディからパーツを供給を受けて製作されており、エンジンの他内装パーツにも多くのアウディ製パーツが使用されることでも知られますが、エアコンやリアビューカメラなどの快適装備が装着される一方で、「とんでもなく乗り心地が悪い」ということでも有名です。

残念ながらグンペルトは2013年に経営破綻してしまい、会社を香港の投資グループに売却。
その後グンペルトは「アポロ」と名を変え、さらに変態度をアップさせた「インテンサ・エモルツィオーネ」を発表していますが、グンペルト時代から通じて「ぶっ飛んだ」自動車メーカーであることに変わりはありません。

その後ローランド・グンペルト氏の話は聞かなかったものの、今回中国企業のサポートを得て見事復活し、新しい会社の名前は「Gumpert Aiways(グンペルト・アイウェイズ)」。

そして新生グンペルトの第一号社がこの「Nathalie(ナタリー)」で、アポロ同様にこちらも「完全に別世界に行ってしまった」ルックスを持ち、SUVF映画に出てきてもおかしくないほどで。

復活の影にはグンペルト氏の人脈があった

なお、今回グンペルトが中国企業のサポートを得たのには一つの物語があり、それは1998年にまで遡ることが可能。
当時ローランド・グンペルト氏は「中国でアウディを販売する基盤を構築すべし」との特命を受けて中国に渡り(当時はまだアウディに在籍)、中国のパートナー企業とディーラー網を整備することに。
その時懇意にしていたのが中国人のミスター・フーで、その彼とグンペルト氏は最近になって旧交をあたためることになり、今回新しく会社を作った、というのがその物語。
さらにこれには続きがあって、ミスター・フーは出来上がったこのクルマに、グンペルト氏の長女の名前「ナタリー」を与えていて、いかにこの二人が親しいかがわかります。



なお、今回の「ナタリー」について、よくよく見るとアウディが数年前に発表した「アウディ・スポーツ・クワトロ・コンセプト」の面影が見え(おそらくベースはこれ)、インテリアについてもそれは同じ。
つまり、今だにグンペルト氏はアウディと強いパイプを持っているということになり、ミスター・フー同様、アウデイとも良い関係を築いてきた(なんといってもコンセプトカーを使わせてもらえる)のだということがわかります。

↓こちらがアウディ・スポーツ・クワトロ・コンセプト

よって、グンペルト氏はたいそう良い人に違いないと思われ、人付き合いがいかに大事かもわかりますが、ぼくはこういった「人付き合い」が苦手なので、ここは見習わないといけない部分ですね。

新会社が本格的に活動するのは2019年からになるとのことですが、今後コンパクトカー、SUV、サルーン含め8つの異なるモデルを展開する、としています。

なお、このグンペルト・ナタリーについては「エタノール・フューエルセル」車で、つまり燃料はアルコール。
これを電力に換えてモーターを駆動するとのことで、これは自動車業界「初」ですが、考え方としては「ナノフローセル」に近いようにも思います。

現時点ではプロトタイプにとどまるものの、0-100キロ加速は2.5秒、最高時速は300キロ。
航続可能距離は600キロ、エコ運転に徹すれば1200キロは走る、とのこと。
旧グンペルト(現アポロ)も注目ですが、新生グンペルトもメア話せないメーカーだと言えそうです。

今回の北京モーターショーでは「イズデラ」が新車を発表したりという思いがけない復活劇が見られますが、今回のグンペルトといい、サリーンといい、中国で復活を果たすというのは一つのトレンドとなるのかもしれません。

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