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LCCのピーチが「レカロ」シートを導入!そもそもレカロって?「かつてはポルシェの車体を製造」など歴史に迫ってみる

2018/04/27

| ピーチがレカロシートを導入 |

LCCのピーチ(Peach Aviation)が2019年からレカロ製シートを採用する、と発表。
プレスリリースによると「北東アジアLCC初のプレリクライニングシート」だとしており、シートそのものがスリムなので座席の前後間に余裕が出る、としています。
採用されるのはピーチが新しく受領する24号機から、とのこと。※ピーチそしてこの型番にかかわらず、航空機には採用例が多く、キャセイパシフィック航空のシートもレカロ製

今回採用されるレカロシートはこんな感じ

なおモデル名は「RECARO SL3510」。
これはすでに世界中において12万席以上が販売されているという実績があるシートで、「プレリクライニング」の名の通り、最初から背もたれが15度倒れた状態で固定済み。
ピーチではかねてより「機内座席選定プロジェクトチーム」を発足させ、より優れた座り心地をもつシートを選定してきたとしていますが、このSL3510が「総合的に評価してもっとも優れる」としています。

↓たしかに相当「薄く」、前後の余裕が生まれそう

レカロってそんなにいいの?

なお、レカロと言うと走り屋の間では「三種の神器」。
ほかふたつは「ブレンボ製ブレーキシステム」「ビルシュタイン製サスペンション」ですが、とにかくレカロは重要な装備の一つ。

レカロの公式サイトには「ブランドプロミス」「スタジアムシート」「自動車への採用実績」といったコンテンツがあり、これらによるとレカロの創業は1906年、ドイツにて。

このときは「馬車製造社ロイター」としてのスタートで、その後「ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社」へと社名を変更して自動車の車体製造を開始。
ポルシェ356を製造していたことでも知られますが、同時にシートのみをメルセデス・ベンツなどドイツの自動車メーカーへと納入するようになっています。
その後1963年にシート製造部門を除く車体製造や内装部門をポルシェに売却し、「シート専業」メーカー「レカロ(Recaro)」として再スタートを切ったのが現代のレカロの始まり。
なお、その後カイパー社に買収され、その際に現在の社名「Keiper Recaro GmbH & Co」へと変更され、現在にまでこれが続くことになっています。

レカロのシートは非常に高価ではあるものの、「高級」というよりは機能性を追求したらその価格になってしまったというたぐいの製品で、つまりもともと高級を志したわけではなく(ポルシェ、ライカなどドイツ製品にはこういったものが多い)、よって機能が重視されるクルマに装着される場合がほとんど。

レカロが重要視するのは「ドライバーを正しい着座姿勢へ導くということ、次にそのポジションをどんな状況下においても保持するということ、さらに運転中の疲労を抑制するということ」。



これを見てもわかるとおり、主には「ドラポジ重要」なスポーツカー向けということになりますが、レカロによると純正装着された例として「マツダ・ロードスターRS」「メルセデス・ベンツA45MAG」「ロータス・エヴォーラ」「キャデラックCTS-V」「フォード・マスタング」「日産GT-R NISMO」「スバルBRZ tS」など。
快適性とホールド性とを両立させた「スポーツ系」から、エヴォーラのように「ほとんどフレームだけ」で軽量性を重視したレーシングシートまで揃うのが特徴ですね。※自動車メーカー別の純正/オプションRECARO採用実績はこちら

そのほか、ぼくは全然知らなかったのですが、「スタジアムシート」としての採用も多く、現在ではレカロによると16カ国以上、60箇所に設置済み。
選手用ベンチシート、VIPシート、サポーター向けシートなどに採用されており、イーグルス、名古屋オーシャンズ、川崎フロンターレ、大阪市長居陸上競技場、ヤフオクドーム、ユアテックスタジアム仙台(シートヒーターつき!)などが導入しているようですね。

ほか、レカロのサイトでは「レカロの技術」や「シートの選び方」「腰痛予防」といったコンテンツも。
その「こだわり」は多岐に渡りすぎてとても要約できそうになく、一度レカロのサイトを覗いてみても面白いかもしれません(レカロについて知っていると思っていても、意外と知らないことがたくさんあった)。

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