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LiAuto(理想汽車)が中国ではじめて累計販売台数70万台を突破した新興EVメーカーに。SUVとミニバンのみに特化し他メーカーとの差別化を図る

LiAuto(理想汽車)が中国ではじめて累計販売台数70万台を突破した新興EVメーカーに。SUVとミニバンのみに特化し他メーカーとの差別化を図る

| 現在中国のEV市場では生き残りをかけた厳しい戦いが繰り広げられているが、Li Autoは生存競争に勝ち抜く数少ないメーカーのひとつとなりそうだ |

このほかNIO、シャオペンも「勝ち組」と考えていいだろう

さて、中国のLi Auto(理想汽車)が中国ではじめて累計販売台数70万台を突破した初の新エネルギー自動車スタートアップ企業となったことが明らかに(BYDはもともとガソリン車からスタートした会社であり、新興勢力ではない)。

正確に言うならばLi Autoは今年3月に前年比39.2%増となる28,984台のクルマを納車しており、この時点で2019年の販売開始以来の累計販売台数71万3,764台を記録していますが、さらにLi Autoは今年中に80万台の突破を目指しているといい、厳しい中国でのEVサバイバルレースにおいて「頭一つ抜けた存在になった」と考えていいのかもしれません。

Li Autoは比較的大型のEVのみを展開している

Li Auto2015年にLi Xiang氏によって設立され、比較的大型で、かつ航続距離の長いEVを中心に展開中。

ラインナップはL7、L8、L9(いずれも箱型SUV)、そしてつい最近発売されたミニバン「MEGA」の4車種という特殊な構成を持っており(中国で人気のセダンが含まれない)、NioやXPengとともに、中国の新エネルギー車スタートアップの代表的の一社に数えられます(これら3社はいずれも米国証券取引所に上場している)。

加えてEREV(レンジエクステンダー付きEV)を揃えることもLi Autoのひとつの特徴で、これによって大きく消費者の利便性を高めているわけですね(この戦略が成功したとも考えられる)。

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ちなみにですが、中国では通常、第1四半期の売上高が前年末に比べて落ち込む傾向にあり、これは1月末から2月に旧正月があるため。

実際のところ、BYDだと2024年第1四半期のEV販売につき、2023年第4四半期の43%減という数字を記録しており、しかしLi Autoの場合は逆に52.9%増を記録しています。

BYD
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BYD | BYDの生産台数は大きく「上下」しており、ちょっと生産現場が心配になるほど | ある意味では管理コストがかかり、利益率を圧迫する要因にもなりそうだ さて、BYDが2024年第1四半期のEV ...

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参考までにLi Autoの2022年の販売台数は13万3246台、そして2023年の販売台数は37万6030台なので、その凄まじい成長ぶりがわかりますが、こういった中国の新興自動車メーカーがテスラのシェアを食っている、ということもわかりますね。

なお、投入したばかりのミニバン「MEGA」については発売14日で2,089台を販売し、すでに全電動MPVのベストセラーとなっており、ここから大きく納車台数を伸ばすことも期待できますが、現在中国では多くのミニバンが投入され販売を伸ばしているとも言われるので、もしかするとテスラがここから販売を伸ばそうとなると「ミニバンを投入するのが手っ取り早いのでは」と考えたりします(ただし世界規模で考えた場合、ミニバンはメインストリームではなく、よって”最大公約数”を重視するテスラがミニバンに価値を見出すことはないかもしれない)。

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参照:CarNewsChina

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