| 乗降時には車高が下がって乗降を助ける「尊貴上下儀式」オプションも |
もはやトヨタがこの分野で存在感を発揮することは難しいだろう
さて、現在スマート、ロータス、ボルボなどを傘下に収める中国の吉利汽車(Geely)が展開している高級EVブランド「Zeekr(ジーカー、もしくはジークルとと発音されることが多いようだ)」。
すでにピュアエレクトリックモデルの「Zeekr 001(下の画像)」を1年前に発売しており、こちらは10月にはついに月販1万台を超える大ヒットとなっていますが、デザインは同社傘下にあるLynk&Coとの共通性を強く感じさせるように思います(同グループが保有する欧州の拠点にてデザインされている)。
-
今一番中国でイケてる車、「Lynk&Co 02」を現地で見てきた!意外と格好いいぞ
| ここまで中国メーカーがやってくるとは驚いた | さて、中国にて展示されていた「Lynk&Co.」ブランドの第二弾、「02」。 Lynk&Co.は中国の吉利汽車が展開する新ブランドで ...
続きを見る
Zeekr 009はこんなクルマ
そこで今回、Zeekrが発表したのが「009」という名称を持つ高級ミニバンで、こちらももちろんエレクトリック。
最大で140kWhの容量を持つバッテリーを持つスケートボード型シャシーを持っており、残量10%から80%までの充電はわずか28分という高効率を持っていて、Zeekr 009の最高出力は536馬力。※バッテリー容量が大きいため、車体受領は2830kgに達している
なお0−100km/h加速は4.5秒という俊足ぶりを発揮していますが、このプラットフォーム(サステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー)はスマート#1やロータス・エレトレとも共有していると聞くと、そのパフォーマンスにも納得ですね。
バッテリーはCATLが開発したリチウム-ニッケル-マンガン-コバルトパックを採用し、中国小型車テストサイクル(CLTC)での航続距離は822kmと「かなり」長く、4WDということ、そしてこのパフォーマンスを考慮するとあなどれない高性能EVということになりそうです(ただしCLTCは一般に甘い数字が出ると言われている)。
ボディサイズは全長5209mm、全幅2024mm、全高1867mmという「堂々たる大きさ」を誇り、3205mmというゆったりとしたホイールベースを持ち、シートレイアウトは2+2+2シートの3列シート、もしくはオプションによる2+2エグゼクティブ仕様が選択可能。
ちなみにエアサスペンションがオプションで用意されていて、これを装着すると乗降時には「尊貴上下儀式」なるシークエンスが開始され、自動的に車高が下がり・・・。
乗り降りもラクラク!
エクステリアデザインを見てみると「空気抵抗の塊」のように見えなくもないのですが、Aeekrによると空気抵抗係数は0.27と意外に低く、これはZeekrが「エアロダイナミクス・ウィンドスクリーン」と呼ぶ、このセグメントで最大のフロントウインドウに起因しているようですね。
なお、EVなので(ガソリン車とは異なり)冷却のために空気をガバっと取り込まなくてもいいはずですが、フロントグリルは非常に大きく、その内部には「光の泉」と呼ばれる154個のプログラム可能なLEDを備えており、これもロック / アンロック時などに様々なアニメーションを見せてくれるものと思われます。
Zeekr 009のインテリアは先進的かつ豪華だった
そしてZeekr 009のインテリアに目を移してみると、非常にベーシックなイメージがあるもののなかなかに豪華。
外装とマッチした「シンプルさ」「先進性」を追求しており、「いかにも」な旧世代の(重厚な)ゴージャスさを求めたわけではないということが推測できます。
ざっとその特徴を見てみると、ルーフにマウントされた15.6インチのスクリーン、6人乗りの各シートへの音声認識、585平方センチを誇る大型テーブル、車内通信システム、ナッパレザーを使ったマッサージシートなど。
2列めキャプテンシートはかなり座り心地が良さそう。
エアコンなどの操作はドアパネルに埋め込まれた液晶、そしてタッチ式パネルによって行うようですね。
そのほか、Zeekrによれば、009は30種類のドライバー・アシスタント機能を標準装備することで「世界で最も安全なミニバン」たることを目指しており、そのアシスタント機能を支えるために12個の短距離超音波レーダー、1個の超長距離波レーダー、4個の2MPサラウンドビューカメラ、7個の8MP HDカメラがを搭載しているのだそう。
Zeekr 009の価格について、116kWhバッテリー版だと499,000元(約1010万円)、140kWhバッテリー版だと588,000元(約1190万円)に設定されており、なかなかに高額なミニバンということになりますが、それでも(今の中国の勢いを見ると)けっこう人気が出るんじゃないかと思います。
現在中国では高級ミニバンの人気が非常に高く、これはトヨタ・アルファードが起点になったブームだと認識していますが、トヨタは高級ミニバンにおいて「エレクトリックモデル」と投入できなかったために中国現地メーカーにどんどん市場を奪われており、ここも「戦略の誤り」と言われても仕方がないのかもしれません。
-
見通しが甘かった?トヨタが「このままEV計画を進めると採算が合わない」として計画の見直しと一部停止。クラウン、コンパクトクルーザーの開発停止も
| ボクは常々、2021年末の「EV新戦略」は株価対策のポーズでしかないと考えていたが | どう考えても、トヨタ含む日本の自動車メーカーのEVに対する姿勢は世界標準からかけ離れていた さて、トヨタが「 ...
続きを見る
あわせて読みたい、中国のミニバン関連投稿
-
知らない間に中国車がスゴいことになってた・・・。レクサスLMやアルファードを遥かに凌ぐ高級さを持つ、700馬力の超弩級ミニバン「Voyah ドリーマー」発表
| 世界中探しても、ここまで「わかりやすい」高級さを持つクルマはほかにないだろう | しかもパワートレーンはフルエレクトリック さて、日産、ホンダ、プジョー/シトロエン等との合弁会社を運営する中国の東 ...
続きを見る
-
アウディが中国向けの豪華ミニバン「アーバンスフィア・コンセプト」発表!全長5.5メートルなのに乗員4人、「自宅、オフィスに次ぐ第三の空間に」
| 一連の「スフィア」コンセプトはあくまでも技術や考え方の提示にとどまり、具体的な市販の計画はないようだ | いずれはこういった「移動するオフィスやリビング」のようなクルマが主流になるのかもしれない ...
続きを見る
-
中国の最高級自動車ブランド、紅旗からミニバン「HQ9」が発売されるようだ!もちろんグリルは超巨大、レクサスLMの独壇場へと殴り込みか
| デザイナーは(変更されていなければ)ロールス・ロイスから引き抜いたジャイルズ・テイラー | とにかく中国では今後ミニバンがもっともホットなセグメントとなりそうだ さて、中国国家キモ入りの最高級自動 ...
続きを見る
参照:Zeekr