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【試乗:ランボルギーニ・ウルス~前編】ウルスってどういったクルマ?なんでランボルギーニがSUVを出すの?

2018/12/04

| ウルスは紛れもないランボルギーニの一員だ |

さて、待望のランボルギーニ・ウルスに試乗。
ウルスはランボルギーニにとって”長らく”発売のなかった「SUV」。

現代のランボルギーニはガルウイングドア(シザースドア)を持つスーパースポーツのイメージが強いものの、もともとランボルギーニは「フェラーリの乗り心地や信頼性が(当時)低すぎたため、創業者のフェルッチョ・ランボルギーニが、自分で”高い信頼性を保有し、より快適なGTカーを作ろうと考えた”ことがそのブランドの始まり。※フェラーリを引き合いに出すことで、新しく始めた高級車ビジネスを有利に進めようとし、この話を広く周知させたという説もある

よってランボルギーニはエキゾチックなスーパースポーツを当初から志向していたわけではなく、そのため過去には400GT、イスレロ、ハラマ、エスパーダなど多くの2+2(4シーター含む)を発売しています。

そして1980-1990年代にはLM002といったSUVも発売していたことがありますが、これはは世界初のラグジュアリーSUVだとも評されており、ウルスはその実質的な後継モデル、と捉えることも可能。
よってランボルギーニの歴史を紐解いたとき、けして「違和感がある」とはいえないモデルでもある、とぼくは考えています。

なお、LM002のフロントフェンダー横にある三角形のダクトはウルスにも形を変えて採用されており、両者の密接なつながりを感じさせる部分でもありますね。

ランボルギーニ・ウルスのスペックはこうなっている

ランボルギーニ・ウルスのスペックは下記の通り。
車体やエンジン、ドライブトレーン、電装系については、ランボルギーニの属する「フォルクスワーゲングループ」から発売される、ほかブランドのSUV、つまりポルシェ・カイエン、ベントレー・ベンテイガ、アウディQ8といったモデルと基本を同じくするものの、もちろん各部はランボルギーによって独自のチューニングが施されています。

ボディサイズ:全長5112×全幅2016×全高1638ミリ
車体重量:2200kg
エンジン:4リッターV8ツインターボ
出力:650馬力
トランスミッション:8AT
駆動方式:4WD(アクティブトルクベクタリング)
最高速度:時速305キロ
0-100km/h加速:3.6秒
乗車定員:5名

ランボルギーニ・ウルスの外観を見てみよう

ランボルギーニ・ウルスの外観は「SUV」というにはあまりにアグレッシブ。
その理由の一つは「ガラス面積の小ささ」で、ランボルギーニはウルスにおけるガラス面積を、側面から見たときに「ウラカンや、アヴェンタドールと同じ”ボディ:ガラス面積比率”にした」と述べています。

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SUVは通常、視界を良くするためにガラス面積を広くする傾向にあり、とりわけ「下方向に」ウインドウを伸ばす傾向に。
そうすると見切りが良くなる半面、「ミニバンっぽい」雰囲気が出てしまうのも事実です。

ただ、ウルスの場合はベルトラインを上げ、ガラス面積を最小化することで「スポーツクーペ」のようなルックスを実現しているわけですね。

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さらに「スポーツクーペのような」ルックスに貢献しているもう一つの要素は「後ろに向かって下がるルーフライン」。
これによってやはり、ミニバンよりはスポーツカーに近いルックスを再現している、とも言えます。

ランボルギーニ・ウルスの価格やオプションはこうなっている

まずはウルスの価格やオプションについて触れておくと、ランボルギーニ・ウルスの価格は27,799,200円。

この価格はSUVとしてはかなり高価で、ベントレー・ベンテイガの「2786万円」とほぼ同じ。
ポルシェ・カイエンで最も高価なモデルは「カイエン・ターボ」の1855万円、レンジローバーだと「SVオートバイオグラフィー・ダイナミック」の2495万円。

ちなみにメルセデスAMG G65だと破格の3900万円というプライスタグですが、これを除くとランボルギーニ・ウルスは「SUVだともっとも高価な」部類であることが分かります。

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現在ウルスのグレードは「ひとつ」のみで、エンジン、トランスミッション、ドライブトレーンも一種のみ。
そしてこの価格の中には21インチホイールやレザーシートなども含まれ、実際のところ必要なものはほぼ入っている状態なので、「素のまま」でも全然問題はなく、むしろ「何もつけない」ウルスがお買い得なのかもしれませんね。

そしてウルスのオプションは下のリンクにまとめていますが、「ランボルギーニ」ということを考えると意外と安い、という印象も。

ウルスは現在のところ世界的に非常に高い人気を誇っており、長いウエイティングリストが発生しているために売却にも苦労することはなく、迷っているなら「即注文を入れるべき」クルマだと言えそう。
ここからは、ぼくが試乗を通じ「買って間違いはない」と感じた理由を見てみましょう。



ランボルギーニ・ウルスの内装を見てみよう

ランボルギーニ・ウルスのインテリアはこれまでのランボルギーニとは全く異なるもので、それはもちろん「4/5人乗り」ということもありますが、シートがボディ外側に寄っていること。

↓ステアリングホイール形状も新しくなり、センターパッド(エアバッグ)が小さく、センターマークとイタリアンフラッグが追加されている

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アヴェンタドールやウラカンといった”スーパースポーツレンジ”では、ロールセンターを最適化するためにシートが車体の中心線に近い位置に配置されますが、ウルスの場合は乗降性や快適性、つまり日常性を考慮したものと思われます。

実際にシートの位置は結構低く、SUVにありがちな「よいしょ」と上の方に登りながら腰掛ける印象はなく、ドアを開けてそのままポンと座ることができる、というイメージ(もちろん身長や、設定しているシートの高さにもよる)。
特に後部座席はけっこう低く、そのため実際に腰掛けたときにそうとうな「頭上スペースの余裕」が出現することになります。

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参考までに、全高がウルスよりも2センチほど高いレンジローバー・イヴォークのほうがシート位置が高い、と感じるほど。

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フロントエンジン、4枚ドア、その全高など、近代のランボルギーニとはあらゆる意味で異なるのがウルスですが、内装の目に見える範囲ではランボルギーニがデザインモチーフとして採り入れる「六角形(ヘキサゴン)」や「Yアロー」が随所に見られ、これまで以上に「ランボルギーニしている」感じ。

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そしてインフォテイメントシステムも大きく進化し、アウディの最新モデル、たとえばA7/A8同様のシステムを採用。
ただし、スイッチ類や目に見せるグラフィックは「ランボルギーニ専用」ですね。
さらにはあちこちにアンビエントランプが用いられているのも「新しく」、まさに新世代のランボルギーニ、という印象です。

↓アヴェンタドール、ウラカンにはない”カップホルダー”が標準装備になった!

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これらインフォテイメントシステム、車両コントロールシステムについてはあまりに盛りだくさんなために全てを説明するのは難しく、しかし「現在考えうる全部入り」と言えば”伝わる”かもしれません。

メインのメーターは12.3インチのフルデジタル、そしてインフォテイメントシステムは10.1インチのアッパースクリーンにて操作し(カーナビ画面もここに表示)、エアコンや車高、アンビエント照明などの設定は8.6インチのロワースクリーンにて操作。
ちなみに操作時には「触覚、視覚、聴覚」にてレスポンスがあり、タッチパネルにありがちな「反応しているのかどうかわからない」ということもありません。
Wi-Fiホットスポット、スマートフォンのワイヤレス充電機能も装備しています。

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このあたりはフォルクスワーゲングループに属する恩恵をいかんなく受けた部分で、アウディの開発したシステムを譲り受けることで開発コストを抑え、そのぶん「ランボルギーニらしさ」を伸ばすためにコストを割くことができた、とも考えられそう。

たとえばランボルギーニが自社でこういったインフォテイメントシステムや操作系を開発すると時間とお金がかかり、そのノウハウもけして高いレベルではないと考えられるので、「車両価格の割に」操作性がよくなかったりレベルが低い、ということになるのかもしれません。

逆にアウディ傘下にあるからこそ、ランボルギーニは自社の強みを最大限に活かし、コストパフォーマンスの高いクルマを作ることができた、と言えそうです(ウルスは相当に高価ですが、それでもこの価格でこのクルマを発売した、というのは相当に衝撃的)。

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なお、ドライブモードは「ストラーダ(普通に道路を走るとき)」「スポーツ(走行特性がスポーティーに)」「コルサ(サーキット走行モード)」「サッビア(砂漠)」「テラ(グラベル)」「ネーヴェ(雪上)」の6つ。

オンロード3つ、オフロード3つということになりますが、モードによってはメルセデス・ベンツの「オフロードスクリーン」のような感じで、車両の傾斜などが表示されます。

そのほか360度バードビューモニター、縁石ヒット防止に役立つ左右カメラを活用した車両両脇の様子を画面に表示する機能、後ろから車両などが迫っているときは「ドアオープナーを引いてもドアが開かない」といった安全装備も備え、「ランボルギーニもここまで来たか・・・」と驚かされることに。

(後編へ続く)

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