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【試乗:シビック・タイプR/FK8】アダプティブダンパー、レブマッチはいいぞ。迷っているなら絶対に買いだ

2018/04/01

ホンダ・シビック・タイプRに試乗してきた。この価格でこの性能は間違いなく買いだ

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さて待望のホンダ・シビック・タイプR(FK8)に試乗。
ぼくは先代シビック・タイプRの抽選販売に申し込んだものの、あえなく抽選に漏れたという苦い過去がありますが、正直「外れて良かった」と思えるのが新型シビック・タイプR。
もしあのとき抽選に当たっていたら今回の新型シビック・タイプRを買おうとは考えなかったかもしれない、いや買おうとは思ってもそのお金がなかっただろう、というのがその理由となります。

まずはシビック・タイプRのスペックから見てみよう

HONDA CIVIC TYPE R
全長:4560mm
全幅:1875mm
全高:1435mm
重量:1390kg
エンジン:K20C(直4/1995cc)
出力:320馬力ターボ
トランスミッション:6速マニュアル
サスペンション形式:フロント マクファーソンストラット/リア マルチリンク
価格:4,500,360円

ちなみに車検証上の重量は1390キロとなっており、公称値と全く同じ。
フロントの荷重は860キロ、リアは530キロとなっており、フロントアクスルに62%の重量が集中していることになりますね。

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新型シビック・タイプRの価格については450万円とかなり高価で、ライバルとも言えるフォルクスワーゲン・ゴルフ(389万円)、メガーヌR.S.(273ファイナルエディション、399万円)に比べてもかなり高めの価格設定。
ただしゴルフGTIは230馬力、メガーヌRSは273馬力となっており、新型シビック・タイプRの320馬力には大きく及ばず。
この価格差と馬力差をどう見るかによってシビック・タイプRの評価は大きく分かれそうです。

さっそく新型シビック・タイプRに乗ってみよう

外観、価格については先日アップした通りとなっており、さっそく試乗してみましょう。

ドアロックを解除して乗り込みますが、そのシートポジションは低く、シートのサイドサポートの張り出しが大きいために乗り込みにはちょっと困難を伴うものの、これはすぐに慣れるだろう、というところ。

まずはシートポジションをざっとあわせて(マニュアル・トランスミッション採用車なのでクラッチを基準にシート位置を調整する必要がある)ペダルやステアリングホイール、シフトレバーの操作に支障が出ないように慎重に微調整を行いますが、各操作系の位置は非常に良好。
世界戦略車でありイギリス生産となるものの、日本人にとってもマッチングの高い内装となっています。

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次いでドアミラー、ルームミラーも角度を調整し、プッシュボタンを押してエンジンをスタートさせますが、メーターパネルにはアニメーションによってグラフィカルな表示がなされるなど演出にもこだわっており、かなり「気分の高まる」車だと言えますね。

クラッチペダルはホンダの例に倣って、踏みしろが浅く軽い操作感を持っており、難なくミートさせることができます。
最初のクラッチミートなので「エンストしてはまずい」と思って軽くアクセルを煽ってのクラッチミートとなりますが、のちに何度かクラッチを繋いでみたところ、アイドリング状態から「ポン」と繋いでも走り出すほどのトルクの太さを持っていて、非常に扱いやすいクラッチを持っています。

ホンダ「自分の意思でガチャガチャ決める楽しさですよ」

最近乗ったマニュアル・トランスミッション車だとマツダ・ロードスター、アバルト124スパイダー、ルノー・メガーヌRS、VWゴルフR、スバルWRX STI、トヨタ86、ホンダS660がありますが、これらのいずれと比べても操作は容易で、日常的に乗るにも何の苦労もなさそう。

特筆すべきは「シフトフィール」で、これは上記のどの車よりもショートでシフトの入りが良く、F1も手がけるルノー・スポールが手がけたメガーヌRSよりも優れているようですね。
なお操作に要する力はショートストロークにもかかわらず軽いもので、クラッチ始めペダル類のライトなフィーリングともぴったり合っています。

時に「ペダルは軽いのに」シフトレバーが重い車がありますが、シビック・タイプRではそういったこともなく、そのため操作系全ての印象は整合性が取れており非常に「自然」。
ホールド性の高いシートに身を収めて「膝から先」でペダルを、「肘から先」でシフトレバーを操作するといった感じで、それらの操作に力を込めて体が動いてしまう、ということもなく運転に集中できる環境が整っているように思います。
それはステアリングホイールも同じで、「重くもなく軽くもなく」適切な重さを持っている、という印象。

こういった「運転環境」を持つ車は非常に少なく、これは新型シビック・タイプRの大きな美点と言えそうです(多かれ少なかれ、どんな車でも操作系が軽すぎたり重すぎたり、そしてそれに気をとられることがあるものの、シビック・タイプRにはそれがない)。

特にシフトフィールは操作が楽しいと表現してよく、意味もなく(停車中でも)シフトレバーを動かしてしまうほど。

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なお「マニュアル・トランスミッション」と「オートマティック・トランスミッション」との間には大きな差があると考えていて、それは「クラッチ」という物理的なものではなく、「自分の意思でギアを選ぶのか、車が勝手にギアを選ぶのか」というものだとぼくは考えています。

よって「自分でギアを選んで走る」のであれば、分類上は「AT」となるシングルクラッチ(ロボットクラッチ)であっても、ぼくにとっては「マニュアル・トランスミッションと同列」だと認識しているのですね。

車を「運転する」のか、車に「運ばれる」のかということにも似ていますが、ぼくは自分の意思で車を操りたいと考えていて、自分の欲しい加速を得られるギアを自分で選んで走らせるのが自動車だ、と信じています。

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その意味ではシビック・タイプRは欲しい加速をもたらしてくれるギアを自由に選ぶことが可能。
シフト操作やクラッチ操作は「楽しく」、積極的にシフトチェンジを行いたくなるもので、そしてそれにちゃんと反応してくれるのがシビック・タイプRだと言えます。

シビック・タイプRのエンジンはS2000、NSXを手がけたチームによる開発

もちろんそういった「楽しさ」はよくできたエンジンあってこそのものですが、ターボとは言えどもさすがホンダらしく「高回転まで一気に突き抜ける」フィーリングを持つエンジンはただただ「素晴らしい」の一言。
クランクトレインやフライホイールはとことん軽量性を追求したとのことですが、フリクションを感じさせずにスコーンと回るエンジンには快感すら覚えます。

ターボラグはほとんど感じず、しかし低速域では2リッターとは思えないほどトルクフルで、アクセルを踏み込むと一気にパワーを解放するという性格は初代NSXに積まれる3リッターV6エンジンのようであり、クロスしたギアレシオ(1-6速)と相まって「欲しいパワーを自由に取り出せる」フレキシビリティがある、という印象。

ちなみにホンダ初となる「レブマッチ」システムを持っており、これはシフトダウン時に回転数を自動的に合わせてくれるもので、回転落ちによるパワーダウンを防いでくれるもの(小排気量ターボエンジンには非常に有効だと言える。特にシビック・タイプRは軽量フライホイール採用もあって回転落ちが早いのでこれは助かる)。

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新型シビック・タイプRの足回りはどうだ

シビック・タイプRのサスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンク。
フロントは操舵側(ナックル)と路面からの入力(ストラット)軸を分けた「デュアルアクシス・ストラット」を持ちますが、サスアームがアルミ製となるなど軽量性や慣性重量にも配慮したもので、トルクステアも感じられない、なかなか優れたサスペンションといって良さそう(FFで320馬力だと、常識的に考えてトルクステアが発生するのが当然)。

リアはサスアームこそスチール製となりますが、先代シビック・タイプRの「トーションビーム」とは異なり独立懸架。
もともとリアにかかる荷重が小さく、FFということで4WDやFRに比べてリアサスペンションの果たす役割は小さいとは言えるものの、やはりスポーツカーにとってここはないがしろにできる部分ではなく、しかし新型シビック・タイプRにおいてはリアの路面追従性が高く、これは高い安定感を感じさせるところですね。

なおスプリングレートは通常のシビックに比べ2.4倍、ブッシュも専用品。
ここから想像するに「かなり硬そう」という感じですが、ドライブモードを「コンフォート」にしておくと非常に快適なサスペンション特性となっており、「普通の乗用車」と表現できるレベル。
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったジャーマンスリーのサルーンと比べても「柔らかい」といえるほどで、ここはホンダが日常の使用に大きく配慮したと考えられる部分(実際にカタログ上にはそういった記載が見られる)。

アダプティブダンパーは「1/5秒単位で減衰力を制御」とされていますが、もちろんその制御は「細かすぎて」体感はできないものの、路面に吸い付くような感覚からして(通常足回りの硬い車だと”跳ねる”ような場面でも車が跳ねない)しっかりと機能していることもわかります。

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ドライブモードはなかなかの優れもの。「+R」モードではレーシングカーのよう

なお「ドライブモード」はコンフォート、スポーツ、+Rの3種類。
アクセル(ドライブバイワイヤ)、ダンパー、ステアリング(アジャイルハンドリングアシスト)、レブマッチシステム、VSA、TCSがその変化の対象で、実際にモードを変更すると特に「サスペンション、アクセル、レブマッチシステム」が大きく変化。
足回りについては+Rだと「ランボルギーニ・ウラカンも顔負け」のハードサスとなり、正直これは「助手席に人がいるときはお勧めできない」ほど(え?と思うほど硬い)。
ただアクセルレスポンスも大きく変わってダイレクト感が増し、一度「スポーツ」「+R」に入れるともうコンフォートには戻せないな、と感じたり。

ドライブモードにおいてはメーター表示も合わせて変更され、コンフォートでは「ホワイト基調」、スポーツでは「レッド基調」、「+R」では「真っ赤」。
+Rモードではレブマッチシステムによる自動ブリッピングも入り、シフトアップバックライトも点滅するなどスーパースポーツのような表情を見せ、一台の車でここまで性格の変わる車というのも珍しい、と思います。

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なお最近の車ではこういったドライブモードの装備が「当たり前」となっているものの、いかに電子制御でコンフォート側に振ろうとしても「もともとコンフォートでなければ」コンフォートにならず、スポーツ側もまた「もともと高いスポーツ性能を持たなければ」スポーティーにならないのも事実。

よって、一台の車で「ドライビングモードで変更される幅」が大きな車というのは、それだけ「コンフォート/スポーツ両方のポテンシャルが高い」ということになり、そしてシビック・タイプRはもちろん「両側の振幅が大きい」=「非常に深い懐と高いポテンシャルを持つ」と考えられます(コンフォート側については、通常モデルのシビックで磨いた快適性能が大きく影響していると思われる)。

フロントブレーキはブレンボ製。制動力も抜群

なおエンジンやサスペンションだけではなく、制動力も超一流。
フロントブレーキはブレンボ製で対向4ピストン・モノブロックキャリパー採用(左右で合わせたものではなく、ハードブレーキングが連続しても開くことがない)。
ローターは直径350ミリ、と日頃スーパースポーツに見慣れた身としては寂しく感じますが、実際に走ってみると「全く不足はなく」320馬力という強大なパワーを受け止めるだけの実力を装備。

ブレーキローターは自動車に使用されるパーツの中でもかなり重い部類ですが、必要なだけの制動力を発揮できるのであれば「いたずらに大きく」すべきではなく、これもシビック・タイプRを開発したエンジニアの導き出した「最適解」なのでしょうね。

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総合的に考えるとどうなの?ホンダ・シビック・タイプR

試乗を終えて振り返ってみると、その「運転のしやすさ」がずば抜けて記憶に残る一台。
スポーツカーというとドライビングポジションや、その操作系などどこかを「我慢して」乗らなくてはならない、車に自分を合わせなくてはならないという印象がありますが、新型シビック・タイプRにはそういった部分はなく、「車が自分に合わせてくれる」イージーさがあります(スポーツカーとしては望外に見切りもいい)。

シビック・タイプRはマニュアルトランスミッション採用ではありますが、デュアルクラッチ+パドルシフト採用の車が「指先だけで」一瞬にしてシフトチェンジできるかのような電光石火、かつ全く気を使うことのないシフトチェンジが可能となっており、むしろそのシフトチェンジの楽しさが印象的なほど。

価格的な面だと450万円という価格を納得させるだけの運動性能を持つことはもちろんですが、コンフォートから+Rに至るまでの広い変化幅を持つドライビングモード、魅力的な液晶メーター、マルチリンク化したリアサスペンションなどを考え併せるに、むしろ「安い」と考えても良いと思います(売却時の残存価格の高さを考えると、”絶対に”安いと言える)。

唯一の問題点としては、そのあまりに「ガンダム的な」外観。
これがあまりに「ヤンチャ」で、例えばいい歳をした男性が乗ると「若作りして」とか「いい歳して」と周囲から言われそうなところですね。
ここだけが新型シビック・タイプRただ一つの懸念であると考えています。

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