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自動車のエンブレムとブランディング、近年における変化について考える

2017/11/02


|各自動車メーカーのエンブレムは大きくなり、デザイン的特徴も共通化が進んでいる|

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自動車のエンブレムやモデルネーム、というのも時代や戦略を反映させていると思います。

自動車について、かつてはそのメーカーしか持ち得ない特異性というものがあって、それで自動車を選ぶ傾向があったのだと思いますが、今で はどこのメーカーも技術が高止まりしており、機能や性能で車を選ぶことが少なくなってきたようにも感じます(かつて安全性でボルボが選ばれる時代があったが、今やどのメーカーでもボルボと同じ安全性を持ち得るようになった)。
スピードに関して言えば「踏めばどの車でもそれなりの速度が」出ますし、一部のメーカーが売り物にしてきた安全性に関しても今やどのメーカーでも 標準装備で、走破性に関しても同様かと思います。

今求められるのは性能向上よりもブランディングだ

そんなわけで、何で他メーカーと差をつけるかというとデザイン含むブランディング、となるわけですね。
そのためにハリウッド映画に自動車メーカーが車を登場させたりすることになりますが、以前は車の広告といえばその車の「性能」。
しかし今はそれだけでは不十分であり、広告もしくはプロモーションによって「イメージ」を作ってゆかなければならないわけです。

たとえば、現在車がよく売れている中国などは車が普及してからの歴史が浅く、しかし車を買おうとする人はイキナリ最先端の技術を持つ車の中から、 自分が買おうとするものを選ぶことになります。
たとえば日本市場であれば1000CCくらい(もしくはそれ以下)から1400CC、1600CC、2000CC、3000CC、もしくはターボの登場、4気筒から6 気筒、8気筒へ、4WDの登場、ABSやトラクションコントロールの登場、エアバッグの登場など順を追って車の発展を見てきているわけですが、 中国の場合はイキナリV6/3000CCあたりの車(しかもデュアルクラッチ)から消費者は目にすることに。

音楽についても、アナログレコードプレーヤー、CD、再生装置や記録方法についてもカセットテープ、MD、CD-R、MP3と日本市場は発展してきたところを、中国はそれらを飛ばしてイキナリMP3になっており、つまりはその市場の発展する過程を見ることなく、イキナリ発展しきった状態を目にしているのが現状です。

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中国市場がすべてを変えてしまった

となると自動車においても、そのブランドの持つ歴史や、性能の比較よりも「見た目やイメージ」で選ぶことになる(中身は通常の使用範囲では大差なくなってしまっているので)わけですが、ここでやはり重要なのはイメージ、そしてそれを形作る広告や露出、認知度の向上。
※中国市場においてはすべての自動車メーカーのスタートラインがイコールであったともいえる

たとえば中国人にとっての「ミニ」はBMWミニであって「クラシックミニ」を知らないわけですし、一般人的にはポルシェといえば「カイエン」であり、ポルシェのスポーツイメージ、ヘリテージ(911しか、もしくは911とボクスターしか無かった時代のポルシェは一般には知られていない)も理解ができていないわけですね。

また、ぼくらにはあたり前のことや、良く知っている自動車メーカーであっても、中国では知られていないことがよくあります(日本市場の黎明期にも 同様のことが逆説的に言えたと思いますが)。

そんなわけで、どこのブランドも中国市場にはゼロから入ることになり、そのブランドの周知とブランドイメージの確立が必要となることに。
これは中国のみではなく他の新興市場でも同様で、また既存市場であってもブランドの再構築という観点からか、エンブレムやそのブランドを認識させるものが巨大化しているように思います。

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たとえばVWのエンブレムは非常に大きく立体的になっていますよね。
トヨタや日産も同様です。
BMWのキドニーグリルも大きく立体的になっており、メルセデス・ベンツのスリー・ポインテッド・スターも大きくなっているように見えます。
さらにはエンブレムが取り外しできないようにしている車も増えており、グリルと一体成型されている、エンブレムを外すとエンボスの跡が残る、穴が残る、など。

ランドローバーはイヴォークのフロントグリルに「LAND ROVER」バッジを取り外しできないような(外すとデザイン上に問題が残る)仕様に変更してきましたし、これは年間8万台という、量にモノを言わせた広告戦略とも考えられます。
ホイールのセンターキャップが「RANGE ROVER]から「LAND ROVER」となったのもブランディングの一環でしょうね。

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BMW「i」についても、本来グリルを必要としないEVであってもキドニーグリルを装着し、それがどのメーカーに属するのかを明らかに(これはブランディングのためと正式にアナウンスあり)。

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ポルシェもリヤに「PORSCHE」と表示されるようになっていますが、日本市場では「あのボディ形状」「あのヘッドライト」であればポルシェだと認知が可能で、従ってあえて「PORSCHE」と表示する必要は無かったのかもしれません。
ですが中国では「あの形」の車がどのブランドのものか一般的な認知がなく、そのうえ「コピー」すら出回っている状況なので、「PORSCHE」という文字を車体に付与せねば認知ができないのでしょうね。

とにかくエンブレム等、そのブランドを明白にするもの、周知させるものは日に日に主張を強めているようです。

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