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トヨタ「2年で18車種を投入する」。逆に「3年で10%車種を減らす」とした日産との考え方の違いを考察する

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| 日産の選択は自分で自分の首を締めるようなものだ |

トヨタが2年間で18台のニューモデルを投入、と発表。
これはトヨタが開催した決算説明会にて、トヨタ自動車副社長、吉田守孝氏が述べたもの。

概要としては2019年までに18の新型車を投入し、その先陣を切るのは9月の「カローラワゴン」「カローラセダン」。
その他のモデルについてもコンパクトカーや商用車、SUV等を投入し、既存車種の60%を新型車に入れ替える、としています。

トヨタと日産は色々な意味で「逆」の戦略を採用

なお、ここで思い出すのが、トヨタと反対に「2022年までに、10%車種を減らす」と発表した日産。

現在日産は日本国内にて29車種を展開していますが、そのラインアップはすでにかなり「絞り込まれたもの」で、たとえばコンパクトカーだと5モデルが揃います。

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そして「ミニバンとSUV」はひとまとめにされて7車種がラインアップ。

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一方のトヨタだと、コンパクトカーでは8モデルを販売中。

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SUVだと6車種が揃います。

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トヨタのミニバンはなんと9モデル。
トヨタの全車種をあわせると「42」となり、これは日産の「29」に対してもかなり多い数となっています。

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参考までにトヨタの2018年における年間の販売台数は1,564,309台、日産の2018年販売台数は615,966台なので、「車種あたり」の販売だとトヨタは37,245台、日産は21,240台。

つまりはトヨタのほうが車種が多く、販売台数も多く、1車種あたりの販売台数も多いということになりますが、トヨタは今回「さらに車種を増やして販売台数を増やす」ということになりますね。

総販売台数を伸ばすには2つの方法がある

なお、(量産車メーカーの場合)トータルでの販売台数を増やすには2つの方法があり、ひとつは「単純に車種を増やす」。
理論上ではありますが、たとえば平均して1車種あたりの販売台数が3万台ならば、2車種増やせば6万台の積み増しができる、というものですね。

ただ、これは自社内製品の食い合いなどが生じるために理論通りにはゆかず、当然ながら開発費用、生産設備への投資、宣伝広告費、従業員の教育などが「車種が増えただけ」プラスされることになり、フタを開けてみると「あまり儲かっていなかった」ということにも。

今回のトヨタはこの方法(というか、トヨタはずっとこの方法)だと言えますね。

そしてもう一つは「1車種あたりの販売台数を伸ばす」。
これは日産方式とも言え、日産は”少ない車種で、いかに販売を伸ばすか”ということを考えています。

よって、コンパクトカーの車種は少なくとも「ノート」は2018年の販売首位に、ミニバンの車種が少なくとも「セレナ」は2018年のミニバン販売首位に、そしてSUVだと首位は取れなくとも「エクストレイル」が2018年のSUV販売ランキングでは3位に。

これはかなり効率が良い販売方法だと言えますが、ある意味では「ゴリ押し」に近い販売手法を取っている可能性が高く、販社へのノルマ押し付け等が無いとは言えない、とも考えています。

つまり、こちらは販売がいかに効率に優れようとも、けして「消費者が求める商品を売って」台数を稼いでいるのではなく、ゴリ押しで台数を計上しているだけなのかもしれません。

やはり業績は「消費者が求めるもの」を提供して伸ばすべき

そこでぼくが思うのが、トヨタ型は、効率が良くなくとも消費者が求める製品を幅広く用意し、消費者に選んでもらえる環境を作ろうとしていて、日産型は企業としての効率を優先し、消費者の要望を反映させないラインアップとなっている可能性がある、ということ。

簡単に言うと「消費者ファースト」なのか「企業(自社)ファースト」なのかということですが、やはり理想的なのは前者だろう、と考えています。

ただし消費者ファーストはお金がかかる

ただ、消費者ファーストの場合、上にあげたような「コスト」がかかるのも事実。
消費者の要望は移ろいやすく、同時多発的に多様化しているので、これに対応しようとすると企業側としてはかなりの苦労を強いられることになります。

そこでトヨタが進めているのが「パーツ共通化」であり、具体的には現行プリウスにて採用した「TNGA思想(この名称だけはどうにかならんかな・・・)」。

トヨタいわく、「開発工数はグルーピング開発や部品共用化を進めた結果、導入前のモデルに対して約25%を低減。ここで捻出した工数をCASE等の先行開発に充てている」 「クルマの導入に伴う設備投資は共有化が進んだ結果、同じ設備で効率的に複数のクルマが生産できるようになり、1ライン平均で約25%を低減。車両原価は構成部品の共有化、種類削減、生産工程の簡素化など徹底的に推し進めた結果、約10%低減することができた」。

反面、 「ただし車両販価は環境規制対応や安全装備の拡充などで、お客様の望むレベルには、まだまだ十分ではない状況だと思っている」「もっとお求めやすくご提供できるよう今後ともTPS(トヨタ生産方式)と原価低減に徹底的にこだわり、これらの取り組みをさらに加速させていく」とも述べていて、つまりは削減したコストを「ため込む」のではなく積極投資し、さらに魅力的な商品(クルマ)を作ることに役立てる、としているわけですね。

ぼくはこれについて「企業の鑑のようだ」と考えていますが、実際にトヨタは新型RAV4について「 TNGAの最初頃に出した『プリウス』と比べても2-3年経つので、その成果がしっかり表れていて、商品力はしっかり上がりながら、スターティングプライスもお手頃な価格260万円からということで、お金に余裕がそんなにあるわけではない30代以下の若いお客様が(購入者の)45%を占めている」 「やはりトヨタのクルマというのは、お客様の求めているクルマをより廉価で出すというこが一番大事だと思う。今年9月に出るカローラ、来年出るコンパクトカーは、より価格的に厳しい(カテゴリーの)クルマだから、お客様の期待に対応できるような価格で出したいと思っているので、是非、期待して欲しい」 とも述べており、こういった「正のサイクル」こそが必要である、と認識しています。

よって、日産についても「コストを削減」ばかりではなく、今は辛くとも、将来のために「今から魅力ある商品作り」をはじめ、サイクルを正してゆくことが必要なのでしょうね。

たしかに車種を削ればコストも下がりますが、競争が厳しく、新型車、そして消費者が求めるようなクルマがなければ「買ってもらえない」という現状において、車種を絞るということは、自らの首を締める選択であると言えるのかもしれません。

VIA:GAZOO

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