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アウディTT(8S)のインプレッション。デザイン、プレスラインなど外装編

アウディTT(8S)外装についてのざっとした印象。
第一印象としては直線が多く用いられるようになったということ、よりアウディファミリーっぽいデザインになった、と感じます。

グリルについてはアウディ得意の「シングルフレームグリル」を持っており、やはりこれがアウディファミリーとしての主張を行なっている最大の要因。
現在メルセデス・ベンツ、BMWもアウディ同様にブランディングの観点から「共通の」デザインを持つようになっていますし、ポルシェにおいても各社のデザインが共有されているのは同じ。

例えば新型パナメーラでもリアのデザインが911同様の「横一直線」となりましたし、近々にモデルチェンジを受けるカイエン、フェイスリフト版が投入されると思われるマカンも同様のデザインを持つ模様。

なお、以前(80年代)のBMWに用いられた「金太郎飴」と現在の「ブランド内での共通デザイン」とではその意味や手法が異なり、現在のように「一つのメーカーでセダン、スポーツカー、SUVなど複数の車種を持つに至った」状態ではむしろ「デザイン共通化」は非常に困難な作業と思われます。

セダンやSUVだと居住空間や荷室を拡大したり、フロントの押し出しを強化したいかもしれませんが、スポーツカーだとマスの小型化、空気抵抗の低減が必要ということを考えると、セダンやSUVとは「真逆が正解」の場合も。

それでも各ブランドは厳しい競争を生き残るために「デザイン共通化」を行わねばならず、しかしいかに「スポーツカー、セダン、SUV、コンパクト」など異なる性質を持つセグメントでそれを行い、かつそれぞれの性格をスポイルしないようにするか、という難しい作業を行うことになるわけですね。

なお、ぼくのTTには「Sライン」が装着に。
これは前後バンパーやサイドステップ、内装のトリム/シートが変更されるもので、けっこう標準モデルとの差異があります。
「サイドステップ」は外側に大きく張り出していて(ガヤルド・スーパーレッジェーラに採用されていたカーボン製のサイドウイング形状に似ている)ぼくのお気に入りの場所の一つですが、乗降時に靴が当たりやすい(自分はともかく同乗者だと特に)というのは否めず、プロテクションフィルムの施工を考えた方が良いのかもしれません。

リアで目につくのは横一直線に長くなったストップランプ。
デザイン上の一種のアクセントとも言えますが、レンズが「黒く見える」ので、一瞬リアハッチか何かが「開いたまま」のようにも見えますね。

R8と共通のデザインを持つようになったヘッドライト。
ここは他のアウディファミリーとは異なり、「スポーツカーラインアップ」独自のデザインが与えられている、と考えて良さそうです。

テールランプも同様に独自のデザイン。
8J/TTに採用されていた長方形モチーフも健在です。

フューエルリッド。
初代TTではアルミ製が採用され(これは一つの大きな話題だった。バイクレースで有名なマン島のレースが社名の由来のためにバイクっぽさを出した?)、しかし2代目の8Jでは「樹脂にアルミ風加工(スパッタリング)」となり、3代目の8STTでは「アルミ製」が復活(ついでに給油口を固定するビスも復活)。

なお給油口は「キャップレス」で、これは最近の車の一つの傾向ですね(ランボルギーニ・ウラカンとも同じ。ただし内部のフラップ構造が異なる)。

特筆すべきはプレスラインの「エッジ」。
トヨタC-HRはこれまでのトヨタ車に比べて最も鋭いプレスラインを持ち、それがセールスポイントの一つでもありますが、TTのエッジはさらにその上をゆく鋭さ(曲げる角度がきつければきついほどパネルは折れやすくなり、塗装も難しい。そこまでしてエッジを鋭くする理由はなく、あるとすれば”デザイン”のみで、アウディはそのために多大なるコストを払っている)。



なお、さらに新しいアウディA5ではTTを超えるキレ味を持つエッジが採用されていますが、こういったプレスライン、ドアハンドル部や給油口のように「パネルを打ち抜く」加工を行う場所はそのメーカーの技術力が大きく反映されるところで、アウディは間違いなく「世界最高」の技術を持っている、と言えます。
↓くっきり影ができるくらいきつい角度を持っている

他メーカーだと大体ドアハンドル前後のパネルに「歪み」があったり、プレスラインやドアエッジ部の「折り返し」のところに「面が均一ではない」箇所が見られますが、アウディではそれが非常に少ないか「皆無」。
こういったこだわりはメルセデス・ベンツやBMWが全く無視していた「チリ」に早くからこだわってきたアウディならでは、と言えますね。

機能上は変化のない部分ですし、アウディに乗っていなくて「どうでもいい」と感じる人も多いと思いますが、そんな場合はアウディディーラーへ行って、アウディのデモカーが置いてある駐車場の中に自分の車を置いてみると、その「違い」が目視で確認できるかもしれません(ぼくも以前からアウディのこういったこだわりは理解していたものの、アウディのディーラーにて自分の車とアウディとを並べた時、初めてその差が理解できた)。

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