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思った以上に変わってた!新型ポルシェ911(992)と従来モデル(991)を比較してみよう

2018/11/29

| 新型ポルシェ911はどう変わったのか |

さて、ポルシェは先日992世代の新型911を発表していますが、その姿は色々と衝撃的。
変わったような変わっていないような、いややっぱり変わってるよな、というその姿を検証してみたいと思います。

なお、ぼくが受ける印象としては992は「993世代の911っぽくなったな」というもの。
それはフロントの処理もありますが、全体的な「滑らかさ」から受ける印象でもあり、993の「ヌルっとした」あの印象に近い、とも考えているところ。

ちなみに993世代のポルシェ911はこんな感じ。

実際にポルシェ991世代の911と992世代の911を比較してみよう

そこで集めてきたのが「なるべく近い」991と992両者の画像。
画像によっては比較しやすいように画像を「反転」させているものもあります。

まずは992のフロント。
993世代の991までに存在した、フロントフードの「二本線」が復活したのが大きなトピックですね。

そしてフロントのエアインテークが大きく、かつ水平基調となっていることが分かります。

そして991。
フロントバンパーやフロントフェンダーには「プレスライン」がありますが(これは991世代のみの特徴で、996にも997にもない)、992ではそれがなくなっていて、992のほうがやはり「滑か」になっているようですね。※991ではフロントフェンダーの「峰」にもプレスラインがある

そしてフロントバンパーの先端が991では「曲線(これは996~997で採用された)」から「直線(993まで採用されている)」となっており、デザイン的に先祖返りしたことが分かります。

ポルシェ911については水冷世代へと移行する際にヘッドライトが「涙目」へ変更されているものの、その後のモデルチェンジにおいて、997世代ではヘッドライトが993世代までの「丸」へ、ウインカーやフォグランプも「バンパー上へ」と戻されていますが、今回の992では「さらに先祖返り化」が加速しており、これはほかのクルマでは例を見ない現象だと言えそう。

リアの大きな変化は、やはりミッションEで採用され、その後にパナメーラでも採用された「一本モノ」のテールランプ。
ルーフ~リアフードにかけてのプレスラインが残るものの、991ほど顕著ではなく、やはり「なめらか傾向」が見られます。

そしてポップアップ式リアウイングは左右にかけて大きくなっていることがわかりますね。

こちらは991。
やはり992に比べると凹凸が多いように見え、しかし992では(フロントも同様ですが)バンパー内の黒い部分に様々なものをインテグレートしたせいで「すっきり」見えるのかもしれません。

なお、エンジンフードの「縦ルーバー」は991世代になって採用されたもので、しかし911は過去901>930>964>993>996>997という過程において一度も「縦ルーバー」が採用されたことはなく(901世代は構造上、横ルーバーの中に縦線が見える)、この縦ルーバー採用モデルだと、ポルシェが最初に発売した乗用車である「356」にまで遡ることになりますが、おそらくポルシェはルーツを示すために「縦ルーバー」を採用したのだろう、とぼくは考えています。

ナナメ前から992。
ドアハンドルが「フラッシュサーフェス」になっていることがわかります。
なお、ドアミラーはシャープな形状となっているものの、991のドアミラーに比べると「シンプル」なイメージがあり、やはり全体的には「なめらかになった」という印象は崩せません。

そして991。
「なめらかになった」という印象はフロントウインドウが(992のほうが)寝ていることにも起因すると思われ、よりデザインが「ワンモーション」に近くなったためかもしれませんね。

斜め上から。

この角度だと991と992との差異は大きく見えず、しかし992ではフェンダーが「下の方に向かってなだらかに」落ちているようにも見えます(気のせいかも)。
991の場合は横方向に張り出しているという印象があるものの、992だと「ナナメ下方向に」張り出しているイメージです。

これについては、991だと「ナローボディとワイドボディが存在し、ナローボディの場合は横方向にいったん出さないとリアが貧相に見えるから」で、しかし992だと「全車ワイドボディになったので、横に盛り上げなくともワイド感を演出できるようになり、全体的ななめらかさを出すために下に向けてフェンダーを伸ばした」のだろう、と推測。



そして上から。
992のリアフェンダーの張り出しが大きいことが分かり、かつフロントフェンダーも大きく拡大していることがわかりますね。
そしてフロントオーバーハングが(衝突安全基準の関係で)延長されたことによってフロント中央が伸びていることも見てとれます。

そして991ではリアウインドウとエンジンフードのダクト部分とが「分離したデザイン」で、992ではそれらが「繋がっているように見える」デザイン。

そして992ではダクト部分(付近)からリアウイングへと伸びる境界線が左右1本づつ、そして991では二本づつ。
こういった「線が少ない」「連続して見える」ということもやはり992をなめらかに見せている要素なのかもしれません。

そして斜め後ろ。
やはりリアウインドウからエンジンフードのダクト部分までの連続性が992の大きな特徴なのでしょうね。

なお、991世代からリアに「PORSCHE」文字が表示されるようになっていますが、「911」文字がリヤバンパーに用いられるようになったのも991から(それまでも限定モデルでは”911”表記はあった)。

ただ、991世代では「911」文字が「Carrera」文字と同じイタリック書体であったのに対し、992では911登場初期に用いられていたフォントへと「逆行」。
とにかく色々な部分でこういった「逆行現象」が見られる不思議な車が新型911、ということになりそうです。

こうやって見比べると、あれだけ斬新に見えた991が「ちょっと旧いクルマ」にすら見えてしまうのが不思議。

991世代のインテリアと992世代のインテリアを比較してみよう

そしてこちらはインテリア。
外装に負けず大きな変化があるものの、「水平基調」のダッシュボードは初代911から継続されているところ。
ただ、992ではより初代911を意識したダッシュボードの傾斜が採用されている、とのこと。

ちなみにダッシュボードについて、その上面が「シート側に」出っ張っているのが911、逆に「ウインドウ側へ」引っ込んでいるのが718(ボクスター/ケイマン)。

その他気づくのは「エアバッグがまた小さくなっている」ということ、ドアオープナーの位置や形状が変更されているということ、スイッチ類が少なくなっていることなどなど。

むしろ共通点を探すのが難しいほどとも言えますが、とにかく991から992への「ジャンプ」は思った以上に大きいようですね。

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