| ただし市販されるのは2020年という話 |
ベストカーによると、「マツダが4ドアスポーツセダンを発表する」とのこと。
今年の東京モーターショーにおいてマツダ・ヴィジョン・クーペ・コンセプトの市販モデルに近い形を展示し2022年に発売するということですが、これが事実だとすると、ちょっと心躍る話でもありますね。
現在マツダはトヨタとの協業によって大きくその方向性をシフトしつつあり、エレクトリックパワートレインはトヨタに任せる一方、エンジンとプラットフォームについてはトヨタのFRセダンの分まで開発する、という話も。
ただ、「エレクトリック」についてマツダは(先日トヨタの発表した)「エレクトリックパワートレイン共同戦線」に含まれていないのがちょっと気になるところですね。
加えてマツダは今後発表するピュアエレクトリックカーについても「トヨタとは異なり独自開発を行う」とも発表しており、両者の関係はちょっと微妙なところもあるようです。
そこで本当にマツダが「FRスポーツセダンを開発するのか」ということですが、これについては「ある」「ない」両方の予想が可能。
マツダがスポーツセダンを作る理由は?
まず「ある」のほうですが、まずはマツダがブランド全体としての「上級移行」を図っている、ということ。
いわゆるプレミアムセグメントに乗り出すということで、これはMAZDA3のデザインや仕様、価格帯を見ても容易に判断ができる部分。
そしてマツダ自身も実際に「競争が厳しい、安価なゾーンを捨てて上位移行を狙う」とコメントしています。
そして上級移行を考えると不可欠なのが「FR化」。
よってマツダは今後の展開を考えるとFRプラットフォームを開発せねば「ならない」ということですね。
そしてもうひとつはトヨタ側の事情で、トヨタが「エレクトリックに特化する」ということを鑑みるに、トヨタは今後ガソリン車用FRプラットフォームを開発するリソースはなく、よって「エレクトリック以外」は他社に任せる可能性も。
そこで白羽の矢が立つのがマツダということになり、今後はトヨタのFRスポーツセダンまでをまとめてマツダが開発するということも考えられます。
ちなみにトヨタと提携関係にあるスバルは「86」「BRZ」向けのプラットフォームを持ちますが、これはやや設計が古く、セダン向けとするにはちょっと難しいのかも。
なお、スバルの新しい「スバル・グローバル・プラットフォーム」はFRに対応できない、と言われていますね。
そして以前にもベストカーは「トヨタとマツダとがFRセダンを共同開発」「レクサスすらもマツダと共同開発」と報じています。
そのほか、セダンではないものの、アメリカのメディアが「トヨタとマツダが共同にてSUV開発」とも報じていて、こういった話もあるということは、やはり「トヨタとマツダ共同開発のセダン」は存在するのかも。
加えてマツダは2020年1月に創業100周年を迎え、はずみをつける意味でも「今までに無いマツダ」を見せることには意味がありそうです。
マツダがスポーツセダンを作らない理由は?
逆に「ない」と思える方ですが、まずマツダには「お金がない」ということ。
MAZDA3や新型エンジンの開発で大量の資金を使ってしまったと思われ、現在かなり苦しい状態。
かつメキシコ工場の稼働率も80%を切ったと報じられ、正直「余裕はない」のかも。
なお、数年前までの予定では「2020年までになにかがある」ことをにおわせていたものの、ちょっと風向きが変わってきたようにも思えますね。
そのほかの理由として、トヨタの持つ「TNGA」はFRにも対応できるため(実際に新型クラウンはTNGA採用)、わざわざマツダにFRプラットフォームを開発させる必要はないんじゃないか、ということ。
TNGAはトヨタのキモ入りプラットフォームですし、それを捨ててマツダが開発するプラットフォームを採用する理由はなにひとつなく、よってマツダはFRプラットフォームを開発しても自社のみでそのコストを償却せねばならず、そこまでしてマツダがFRプラットフォームを開発するだけの覚悟そして費用があるのかはちょっと疑問(ただ、CX-5よりも上のSUVにもこのFRプラットフォームを採用できるので、コストを吸収するのは難しくない。単に当座の資金があるかどうかが問題)。
VIA: Best Car