| マツダにはエレクトリック技術を単独で進めるノウハウも資金も無いはずだ |
ますます厳しさを増す欧州の環境規制。
報道によればシボレー・カマロ、コルベットはこの規制に対抗できないために「年内に(欧州では)販売終了」だと言われます。
そういったハイパフォーマンスカーでなくともこの問題に直面しているのは同じであり、Auto Newsによると、マツダはこれに対応するため2020年に「ブランド初の」ピュアエレクトリックカーを発売し、2021-2022年にかけてプラグインハイブリッドカーを数台発売する、としています。
マツダはなんらかの「逆転」プランを持っている?
なお、これは急に決まったことではなく、マツダがかねてより推し進めていた「環境規制対応政策」のひとつで、まず今年には「Skyactiv-X」エンジンを投入し、その次に上述のEV、次いでPHEVへ。
このEVについては過去にも何度か話が出ていて、既存モデルのEV化ではなく、「EV専用の」スタンドアローンモデルとなる、とも報じられています。
そして興味深いのは、このエレクトリックパワートレーンは「マツダが独自に開発したもの」を採用し、トヨタからの供給を受けたものではない、ということがマツダによって確認済み。
ただ、マツダは2016年に「2019年にトヨタの技術を用いたEVを発売」と述べているものの、実際に2019年にEVは発売できず、新しい方向性ではトヨタの技術も用いない、ということになりますね。
それを考えると「ここ2-3年ほどの間に何かがあった」ということになり、先日トヨタから発表のあった「EV共同開発パートナー」からマツダが外れていることにも納得がゆきますが、そこで疑問なのが「マツダが独自にEVを開発できるのか」。
EVは既存のクルマとは何から何までもが異なり、その多くを新しく開発する必要があるわけですね。
つまりは相当な技術力とノウハウ、そして資金が必要となるわけで、よってこの問題をクリアするために多くの自動車メーカーが「共同開発」を行って知識を共有し、開発資金を分担しようとしているというのが現状。
そういった状況の中で「単独で」開発を進めることは「技術、資金において」競争から脱落する可能性も考えられ、しかしマツダは何か策があるのかもしれません。
ちなみに「単独」が好きな自動車メーカーは他にホンダがありますが、ホンダがもし「アシモ」を単独ではなくどこか(ボストン・ダイナミクスなど)と共同で開発を進めていたならば、膨大な時間と費用を投じた”アシモ”プロジェクトを中止する必要もなかっただろう、と考えています。
現代は「一つの技術で」世界をひっくり返すことはできず、そして多くの製品は「様々な業種にわたる技術の集大成」でもあり、単独でいることはつまり何も成し遂げられないのと同じだとも考えていますが、とにかく今後のマツダの動向には要注目ですね。