| デザイナーは主張が強い傾向があり、どうしてもインフィニティの方向性と合わなかった? |
インフィニティのデザイン部門トップ、カリム・ハビブ氏が退任する、と(インフィニティが)発表。
カリム・ハビブ氏は2017年にインフニティのデザイン部門責任者に着任していますが、BMW→メルセデス・ベンツ→BMWという経歴を持ち、2012年にはBMWのチーフデザイナーへ。
BMWではエイドリアン(アドリアン)ホーイドンク氏の部下として手腕を発揮し、代表作はBMW 7シリーズ(F01)、BMWコンセプトCS、BMW X2コンセプト、BMW 3.0CSLオマージュ・コンセプト、メルセデス・ベンツではCクラス(W205) 等。
おそらくは別の自動車メーカーへと移籍
今回、退任の理由については「カリム・ハビブ氏の決定による」とされ、「別の可能性を追求するため」だとだけ発表されているものの、おそらくは別の自動車メーカーへと移籍するものと思われます。
カリム・ハビブ氏のインフィニティにおける初仕事は「プロトタイプ10」ですが、これはその前に発表された(別のデザイナーによる)プロトタイプ9と大きなデザイン的乖離がある模様。
インフィニティがこの方向へと進むのであれば問題はなかったのだと思われますが、後任デザイナー(後述)によるインフィニティの最新コンセプトカー「QXコンセプト」を見る限り、インフィニティは「以前の」丸っこい路線に回帰しており、つまりはカリム・ハビブ氏のデザインがインフィニティに合わず、それが本人としても耐えることができなかったのかもしれません(想像)。
なお、こちらはプロトタイプ10の前のプロトタイプ9。
やはり、ちょっとヌルっとしたデザインを持っています。
インフィニティの新デザイン部門責任者は 中村泰介氏
一方、インフィニティにおいて、デザイン部門責任者の後任は日産の中村泰介氏(49)。
1993年に日産に入社し、 B15サニー、V10ティーノ、インフィニティQX56、インフィニティQX80、コンセプトカーとしてはインフィニティ・トライアント、エインフィニティエマージのデザイン開発を行い、さらには日産IMx、INFINITI QX Inspiration,、INFINITI Qs Inspirationといったコンセプトカーのデザインにも参画。
こちらはインフィニティQX80。
やはり長年日産/インフィニティに関わっているだけあって、「インフィニティっぽい」デザインを行っていますね。
こちらはインフィニティ・エマージコンセプト。
一方、こちらは日産IMxコンセプト。
インフィニティとは異なり、日産はエッジを使用したデザインを好むようですが、中村泰介氏はそれもうまく使い分け、インフィニティにはインフィニティらしい、日産には日産らしい手法を採用し、高いレベルで求められる要件を満たしているように感じます。