| マクラーレンGTはこれまで取り込めなかった客層を呼び込める最新兵器 |
さて、展示車がやってきたマクラーレンの最新モデル、「マクラーレンGT」。
その展示車を見に、早速マクラーレン大阪さんにお邪魔しています。
一見した印象は「これまでのマクラーレンとはかなり異なる」ということで、エレガントかつ高級感がある、というもの。
よって、これまでのマクラーレンは「アグレッシブすぎる」と考えて手が出せなかった人にも訴求できそうです(ぼくはこれまでのラインナップよりも、このGTのほうが好みではある)。
マクラーレンっぽくもあり、同時にマクラーレンっぽくない
マクラーレンGTは、これまでの570Sや720Sが「スーパースポーツ」という、サーキットでのドライバビリティを追求した性格を持つのに対して「グランドツーリング」というキャラクターが与えられています。
マクラーレンは同様の方向性として「570GT」を発売していますが、これは570Sにに対して後部の荷室容量を拡大し、ステアリングレシオをスローに、そして足回りもいくぶんマイルドに設定したもの。
そしてマクラーレンは、この570GTを発売したとき、「スーパーカーにおいて、サーキットでの走行性能を追求するのではなく、快適に移動したいという需要があって、それは無視できないボリュームである」ということを実感したといい、それが「マクラーレンGT」開発のきっかけだと語っています。
そしてマクラーレン、1990年代に発売し伝説となった「F1」を強く意識している「スピードテール」を発売しており、こちらもサーキットではなくロードユース(ロードトリップ)を主目的としたもの。
さらにスピードテールはマクラーレン・セナやP1のように「サーキットでのタイム」を削るためのクルマではなく、「直線での最高速度(403km/h)」を標榜しており、そのためにとことんなめらかな表面を採用したことが特徴。
そして今回のマクラーレンGTもスピードテールと同様の、マクラーレンにとっての路線「グランドツーリング」にあり、そのためにスピードテール同様のデザインエレメントを採用しています。
つまり、「これまでのマクラーレンとは異なる」ということを打ち出したクルマということになりますね。
マクラーレンGTのエクステリアを見てみよう
そして早速マクラーレンGTの外観を見てみたいと思いますが、ヘッドライトの印象がこれまでの(570GTや720Sといった)マクラーレンとは異なり、スピードテールそっくり。
ノーズもスピードテールのイメージを強く反映しており、ヘッドライト脇からエアが抜ける構造を持たず、全体的にダクトが少なく設計されています。
サイドのダクトは570Sや720Sが横(ボディに対して水平)、そしてGTでは「縦」。
リアのボリュームはかなり大きい、という印象。
そしてテールエンドの「反り」はかなり大きくなっています。
このあたりランボルギーニ・ウラカンEVOやフェラーリF8トリブートと比較してもかなり強い角度を持つようですね。
ドアミラーはこう。
ウインドウ下のあたりに盛り上がりが見られ、これがエアガイドのような役割を果たすようです。
そのエアはボディサイド、ボディ上面を流れてリアセクションへ。
側面のエアは大きなダクトに吸い込まれます。
このダクト面積はかなりなもので、それだけマクラーレンGTのエンジンが大きな熱を発生するということがわかりますね。
ボディ上面のエアはリアフェンダー上部にあるダクトへ、そしてさらに上の段を流れるエアは排熱用のグリルから放出される熱気とともに車体後方へ。
取り入れたエアはリアのグリル(リアのグリル総面積スゴイ)から排出。
テールランプもほかマクラーレンと異なり、しかしスピードテールと共通性のある「横長形状」。
その上下にも排熱のためグリルが設けられています。
なお、グリルはいずれも「薄く」、強度がさほど要求されない部分は「細く」、こういった部分まで軽量化が追求されているということがわかりますね。
テールパイプはこういった感じで「ダブル」。
こういったオシャレさはこれまでのマクラーレンにはなく、これもやはり「新しい顧客を呼べるだろう」と感じさせられる部分ですね。
マクラレーンGTのインテリアはこうなっている
そしてマクラーレンGTのインテリア。
こちらは外装ほど「他のマクラーレンと異なる」という印象は受けず、「マクラーレンらしい」機能最優先というスタンスが貫かれます。
ただ、サイドシルはカーペットとレザー張りとなるなど、ドアを開けた瞬間の印象から「高級感」が感じられる部分。
そしてサイドシル先端が大きく下げられ(カーボンモノセル2から同様の構造を持っているが、GTでは気のせいか更に低いように感じる)、さらにボディ中央に向かって足元が大きくえぐられているので、乗降性はその見た目に反して非常に良好。
ルーフはガラス製。
ステアリングホイールは非常にコンパクト。
センターコンソール、ダッシュボードにあるスイッチ類もやはりコンパクト。
マクラーレンはその広い車幅に比して左右シートの距離が近く、そのためセンターコンソールも「極狭」となりますが、これはもちろんロールセンターを最適化するため。
なお、このマクラーレンGTのデモカーはヴィンテージ風レザーに加え、ちょっと特殊な(複雑な)装飾ステッチが採用されるなど、ほかシリーズとの相違を打ち出しているようです。
そしてゴルフバッグはなんと市販品が「2個搭載可能(マクラーレンGT発表時は公式に”1個”とされていた)」。
公式発表については、大きなゴルフバッグだと「2個乗らない可能性」を考慮し、クレーム回避のために1個だと発表されたのかもしれませんね。
そしてリアハッチを開けた「ボディ内側」には鍛造カーボンが使用されています。
全体的に見て、これまでのマクラーレンとは異なる部分も多く、しかし機能性を重視したという点ではこの上なくマクラーレンらしいクルマ。
マクラーレンGTの価格は2645万円(消費税10%)に設定されますが、正直これは予想していたよりも、そして実際に車体を見た印象からしても「かなり安い」と考えています。
マクラーレンはMP4-12C発表時から相当にコストパフォーマンスが高いスーパーカーだと認識していますが、それはエンジンやトランスミッション、フレームを「基本的に全モデルで共有」しているからなのかも。
加えて設計自体も非常に効率的でパーツ点数も少なく、そのあたりはF1コンストラクターならではの考え方が反映されているのかもしれません。
さらに「カーボン、LED、液晶」といった素材や技術が一般的になった時代から新しく自動車ビジネスをはじめているので、旧来の設計に囚われない、新しい設計ができているのでしょうね(とくにテールランプ回りの設計などは根本的にこれまでのスポーツカーと異なる。見た目ではなく、ユニットを最小化して周辺にエアを通す構造など)。
その他の画像はFacebookのアルバム「マクラーレンGT」に保存しています。