| VWグループのプレミアムブランドは今後すべてPPEへと移行? |
なにかと話題の「第四のランボルギーニ」。
つまりはアヴェンタドール、ウラカン、ウルスに次ぐ「4番目の」ラインアップということですが、これについては様々なウワサが飛び交っています。
これまでには「4座のスーパースポーツ」「4ドアセダン」という話が出ていますが、今回Autocarより報じられたのは”第四のランボルギーニはピュアエレクトリックセダンになる”。
ランボルギーニにとっては「初」づくし
もちろんこれはランボルギーニ初の「ピュアエレクトリックカー」となり、「セダン」も初。
この件について語ったのはランボルギーニにて技術開発部門のトップを務めるマウリッツォ・レッジャーニ氏。
同氏によると、この新型車は、ランボルギーニが属するフォルクスワーゲングループが持つ「PPE」プラットフォームを使用する、とのこと。
このPPEプラットフォームはポルシェとアウディとによって共同開発されるもので、「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(Premium Platform Electric)」 の略。
以前に報じられたところでは、アウディがこのPPEを使用したエレクトリックカーを2つ、ポルシェが1つ発売すると言われていましたが、どうやらブガッティもこれを使用した新型EVを発売する可能性が出てきており、VWグループ内のプレミアムブランド(のEV)は今後すべからく、このプラットフォームを使用するのかも。
ただしマウリッツォ・レッジャーニ氏が語ったところでは、この第四のランボルギーニについて、現在とくに具体的な計画があるわけではなく「然るべき時が来た後に」発売する、とコメント。
ただし、もしこれが実現するとなると、ブランドヒエラルキー上、ポルシェ・タイカン、アウディe-tron GTよりも「速い」クルマとなる可能性が高く、となると「世界最速の4ドアエレクトリックセダン」となる可能性もありそうです。
ランボルギーニはEV発売を急いでいない
ちなみに、この「然るべき時」にはいくつか意味があると思われ、ひとつはバッテリー技術の成熟。
ランボルギーニは常々、「(ハイブリッドモデルについて)バッテリー性能が我々の求めるレベルに達していない」と語っており、つまりランボルギーニの求める速度を実現するにはバッテリーが重くなりすぎる、ということに言及しています。
しかし今後はソリッドステートバッテリーはじめ次世代バッテリー技術がこの問題を解決すると思われ、しかしこれにはまだ5年ほど掛かる可能性も。
現在ポルシェは全力で問題解決に当たっていると考えられ、その可能性の一つが「リマックとの提携」。
ポルシェはリマックへの出資比率を引き上げていて、リマックとともに次世代バッテリーを開発しようとしている、という事実があります(ポルシェもランボルギーニ同様に現代のバッテリー技術には不満。これをクリアしないと918スパイダーの後継も発売できない)。
そしてもう一つの問題は「ウルスの地位を確立すること」。
現在ウルスは大きな成功を収めていますが、ランボルギーニは「ウルスを、今後ともずっと続く一つの柱」としたく、このためにウルスの販売を高いレベルで安定させる必要がある、と考えているわけですね。
それにはワンメイクレースの開催や、さらなるバリエーションの発売があると思われ、ランボルギーニいわく「V10モデルの販売を安定させるのに10年を要した」とも語っていて、10年とはゆかないまでも「長い時間」がかかるであろうことを示唆しています。
ちなみに、ランボルギーニは現在では「スーパーカーメーカー」というイメージが強いものの、そのブランドのルーツは「快適なGTカー」。
加えてレースに参加しないという当初の社是もあり、ロードカーに特化した展開を行ってきたという歴史も。
その中では、4ドアセダンこそ存在しなかったものの「2+2」「4シーター」も長らくラインアップされており、よって「4ドアセダン」を作ろうとしてもさほど(ルーツ的に)違和感がない、とも考えています。※4ドアセダンはコンセプトカーの「エストーケ」しか存在しない
ウルスについては、その祖先と言えるオフローダー「LM002」を過去に発売していたという経緯もあり、こういった”過去の幅広い展開”が、現在のランボルギーニを助けているのかもしれません。