| トヨタにしては珍しい「パーツの品質不良」 |
トヨタ、スバルがリコールと改善対策を届け出。
スバルは過電流によって「イグニッションコイルが発熱」するというもので、トヨタの場合は「バックドアのダンパーに問題があってドアを保持できない」、そして86とBRZは「オプションのバックフォグの操作ができない」。
いずれもそうそう多くはない内容ですが、とくに86とBRZの「オプション」はかなり稀。
ただし平成24年から今までの間に308個しか出荷されていないそうで、これの装着率がかなり低かった、ということも判明しています。
スバル・インプレッサ/XVは原動機(イグニッションコイル)の回路ショート
まずはSUBARUが届け出た、イグニッションコイルの不具合。
不具合の内容は下記のとおりですが、最悪の場合は走行中にエンストする可能性があり、改善措置としては「全車両、イグニッションコイルを点検しエンジンコントロールユニットの制御プログラム を対策プログラムに書き換える。イグニッションコイルに損傷がある場合は、イグニッシ ョンコイルを新品に交換する」。
比較的整備の手間がかかりそうで、消費者にとっても(時間的)負担が大きそうな内容ですね。
エンジンコントロールユニットの制御プログラムにおいて、エンジンが停止する際の制御が不適切なため、イグニッションコイルへ必要以上に通電することがある。そのため、 イグニッションコイルの内部温度が上昇し回路がショート、ヒューズ切れを起こし、最悪の場合、走行中エンジンが停止するおそれがある。
国土交通省
対象となるのは平成28年10月3日~平成31年3月22日の間に製造されたインプレッサ、そしてXVの2車種で、台数としては137,467台が該当します。
トヨタ86/SUBARU BRZは「オプションのフォグランプ」
スバル、トヨタが共同にて届け出たのはちょっと珍しい、オプションのリヤフォグに問題がある、というもの。
これは制御の問題で、特定条件下にて消灯できなくなるというものです。
不具合の内容は下記の通りで、対策としては「対象のリヤフォグランプが後付け装着されている車両につき、ボディ統合ユニット(車両側の回路)を改善品に交換する」。
後付け用品として設定したリヤフォグランプにおいて、当該ランプの回路設定が不適切なため、車両側の回路と整合しない。そのため、リヤフォグランプを点灯した状態でヘッドランプを消灯し、ポジションランプのみ点灯にした場合、リ ヤフォグランプスイッチ操作を受け付けずリヤフォグランプを消灯することができない。
国土交通省
対象となるのは平成24年3月12日~令和元年6月30日に出荷された「リヤフォグランプキット」と「リヤフォグランプスイッチキット」。
改善を行うのは308個で、「意外と売れてなかったんだな」という感じですね。
なお、本件については「リコール」ではなく「自主改善(改善対策)」。
なお、自動車に不具合があったときにはリコールと改善対策、サービスキャンペーンといった措置が取られますが、その違いは下記の通り。
リコール
リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。
改善対策
改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。
サービスキャンペーン
サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。
国土交通省
カローラ・フィールダーほかはバックドアの不具合
そしてトヨタからはリアハッチのダンパーに不具合があり、リアハッチ(バックドア)を保持できなくなる、という問題。
改善対策としては「ダンパステーを交換する」ことで終了します。
なお、この不具合は104件発生しており、対象となる期間は平成31年1月24日~平成31年4月1日の製造。
かつ対象台数は9,213台なので、極めて短い期間に制作されたクルマにおいて、極めて高い確率で発生している、ということになりそう。
よって、対象となる期間に製造さてた該当車種に乗っている人は、早めにディーラーへと連絡し、対策を行ってもらったほうが良いかと思います。
ちなみに対象車種はカローラフィールダーのほか、ポルテ、スペイド、エスティマ、エスティマハイブリッド、レクサスCT200h。
バックドア用ガス封入式ダンパステーにおいて、メッキ工程での温度管理が不適切なため、メッキ生成時の内部応力によりダンパステー表面に微小亀裂が発生するものがある。そのため、封入されたガスが漏れ、最悪の場合、バックドアを保持できなくなるおそれがある。
国土交通省