| おそらくはCX-30を値上げするための布石と考えられそうだ |
さて、マツダがCX-3に改良を施し、1.5リッターガソリンエンジンエンジン搭載車の設定、そしてボディカラーに「ポリメタルグレー」を追加。
ちなみにこれまでCX-3のガソリンエンジン車には2リッターしか設定がなく、その価格は2,167,000円から(20S)。
そしておそらく、今回1.5リッターエンジンを搭載したのは「CX-30」の存在。
CX-30も2リッターエンジンを積む「20S」がエントリーグレードとして設定されますが、こちらの価格は2,393,000円。
つまりこれまでCX-3とCX-30との間には226,000円しか差がなく、その性能や装備を考えると「CX-30のほうがどう考えてもお買い得」。
加えてCX-30のほうが売却時にも高値がつくと思われるので、この価格差は「買って売る」ことまでを考えると、容易に逆転しうると考えています。
マツダは一番痛い「カニバリズム」を経験してしまった
ちなみにCX-30の発売まで、CX-3はそこそこ売れていて、国産車登録ランキングにおいてはトップ50に入ることも珍しくはなく、毎月700~1300台くらいのペースで売れていたわけですね。
しかしながら2019年10月にCX-30が発売されるとこれが大きなヒットとなり、10月に2,525台、11月には2,690台、12月には3,226台を販売し、もちろんその影響でCX-3は一気に「圏外」まで飛ばされています。
年間トータルでは3ヶ月しか販売期間のなかったCX-30が9,068台、通年販売していたCX-3が9,889台という数字となり、つまりCX-30は「CX-3が1年かけて売ったのと同じ数字を、たった3ヶ月で売った」。
実際のところ、CX-3がどれくらい減ったのかは(トップ50以下の数字が出ないので)わかりませんが、50位のクルマでだいたい500-600台なので、「それ以下」なのは間違いのないところ。
つまり自社のクルマで自社のクルマのシェアを食うというカニバリズム(共食い)が発生したということになり、これは本来もっともあってはならない事態。
ただ、マツダはCX-30の値付けについて、トヨタC-HR(2,367,000円)を意識したはずで、これを大きく超えるプライシングができず、よってCX-3の226,000円プラスにとどまる2,393,000円に落ち着いたのだと思われます。
実際のところ、今回マツダはCX-30に(CX-3の販売が)食われたことを苦々しく感じていたと思われ、その対策としてCX-3に1.5リッターエンジンを搭載し、エントリーモデルの価格を1,892,000円へと275,000値下げし、CX-30との価格差を501,000円にまで拡大しのだと考えて良さそう。
ただ、エンジンを変更したのみではさほど原価が下がらず、よって「どこか」で原価の調整を行い、この価格でも(新型CX-3から)十分な利益が取れるようになっているはずですが、この価格帯であれば、おそらくCX-30に食われることなく他社のシェアを食い、マツダの販売台数や利益を押し上げることになるかもしれませんね。
参考までに、これに近い価格帯のSUVだとトヨタ・ライズ(1,679,000円)、ダイハツ・ロッキー(1,701,000円)、スズキ・クロスビー(1,799,000円)があり、うまくゆけばこれらに対抗できそう。
新型マツダCX-3の内容はこうなっている
そして今回新しく発表されたCX3ですが、上述の通りエンジン、ボディカラーの他にも「(フロントシートバックの素材変更により)クルマと一体になったかのような自然な乗り心地を向上させた新世代シート技術」「Apple CarPlay/Android Auto採用」がアナウンスされています。
発売は6月4日とのことですが、すでに製品サイトは更新済み。
価格についてはFFモデルの「15S」が1,892,000円、「15S Touring」が1,991,000円、4WDモデルの「15S」では2,122,200円、「15S Touring」で2,221,200円。
ちなみに2リッターエンジン搭載モデルについては今回の「1.5リッターエンジン投入」にあわせて値上げされているようで、20Sだとこれまでの2,167,000円から2,486,000円へ。
つまりCX-30よりも高くなってしまったということですが、「どうせ2リッターモデルは売れないから、売れればラッキーくらいの値付けで」と考えたのか、それともCX-30をガツンと値上げしてくるのかは不明です。
VIA:MAZDA, 日本自動車販売連合協会