| しばらく音沙汰のないGRスーパースポーツだが |
さて、トヨタはル・マン24時間レース優勝車である「TS050ハイブリッド」のロードゴーイングバージョン、「GRスーパースポーツ」を発売すると発表していますが、その後は音沙汰がなかったのもまた事実。
ただし8月20日に米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office=USTPO)にてトヨタが出願したパテント画像が公開となり、これが「GRスーパースポーツ」ではないかと話題となっています。
GRスーパースポーツはこんなクルマ
トヨタGRスーパースポーツは上述の通りTS050をロードカーへと手直ししたものですが、その価格は約1億円とも言われ、正式に受注を開始していないにもかかわらず「20名程度が予約している」とも報じられます。
スペックの一部はすでに公開されており、トヨタによると下記の通り。
なお、トヨタのレーシングハイブリッドシステムは(Gazoo Racingの解説によれば)「熱回生」を使用していないように見え、であればまだ市販車への転用は容易な部類なのかもしれません。
エンジン:V型6気筒直噴ツインターボ エンジン排気量:2,400cc 出力:735kW/1000ps(エンジン+ハイブリッドモーター) ハイブリッドシステム:トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R) ホイールサイズ:F18×13J R18×13J タイヤサイズ:F330/710R18 R330/710R18 |
現時点でこのトヨタGRスーパースポーツの開発が進んでいるのか、であればどの程度なのかはわからないものの、今回パテント画像が公開されたということは「それなりに進んでいる」ということになり、市販化に向けて着実に進んでいると感挙げて良さそうですね。
なお、今回のパテント画像では驚きのキャノピー構造を持つことになりそうで、これは意外といえば意外。
その理由について考えてみると、ざっと思いつくのは「ルーフを軽く作れる」。
ガルウイングだと開閉のためのヒンジ、ドアを支えるための構造が必要になるものの、キャノピー式だとそういった構造は不要となり、車体上部をかなり軽く作れるのでは、と考えられます。
反面、キャノピーを開閉するための構造は必要になりますが、「左右2枚のガルウイングドアを開閉させる」のとそう大きく手間や重量は変わらないのかもしれません(このボディ形状だと、横開きのドアを採用するのは難しく、ガルウイングかディへドラルドア、キャノピー式しか選択肢がなさそう)。
キャノピー式を採用するクルマにはどんなものが?
なお、キャノピー式というとかなり珍奇な構造に思え、しかし少量生産車やコンセプトカーまで含めるとけっこうな例があります。
最近だとF1マシンをロードカーに仕立て直したというコンセプトの「ドラージュD12」。
ハイパーEV、「タキオン・スピード」もキャノピー式を採用しています。
中国のテックルールズからはジウジアーロによるデザインを持つ「レン」。
ピニンファリーナによるフェラーリ「モデューロ」もキャノピー式。
フランスからはルノー「トレゾア」コンセプト。
ケン・オクヤマ氏デザイン、マセラティ「バードケージ」もキャノピー式ですね。
参照: GR86.org