| スバルは合計3件のリコール届け出、すべてヘッドライト関連 |
さて、スバル(3件)、ボルボ(1件)、プジョー(2件)のリコール届け出。
順番に見てゆきたいと思いますが、まずはスバルから。
内容としてしてはいずれも「ヘッドライト」となっており、レガシィに対して出されたものはHIDバルブからの紫外線でハウジング内のリフレクタに劣化が生じる、というもの。
たしかにHIDヘッドライト登場初期や普及期には「紫外線に起因するトラブル」が多く報じられたように記憶しています。
このリコールの対象となるのは平成21年7月1日~平成26年9月5日に製造されたレガシィで、その台数はけっこう多めの116,540台。
実際に起きたトラブルは261件だと報告されており、対策としてはバルブの交換、そしてハウジング内に問題が発生している場合はヘッドランプそのものを交換する、とのこと。
不具合の内容は下記のとおりです。
HID仕様のヘッドランプ(すれ違い用前照灯)において、内部構成部品であるバルブと反射面の仕様の組み合わせによって、バルブからの紫外線により反射面の劣化が促進されるものがある。そのため、そのまま使用を続けると、反射面のアルミ蒸着が剥離し、光度が徐々に低下して、最悪の場合、保安基準第32条(前照灯の基準)に適合しなくなるおそれがある。
国土交通省
スバル2件めもヘッドライト
そしてスバルの2件目。
こちらもやはりヘッドライトの問題で、ただし内容としては「光軸」。
比較的最近(令和2年1月18日~令和2年1月27日)に製造されたインプレッサとXV(合計670台)が対象となり、実際に発生した問題は0件、発見の動機は社内からの情報によるというもの。
製作期間が非常に短く、製造してほどなく、社内から「実は問題がありまして」と報告を受けたのかもしれません。
問題の詳細は下記の通り。
LED仕様の右側ヘッドランプにおいて、内部構成部品である光源ユニットの製造時のコード配索が不適切なため、光源ユニットのコードが内部に干渉し、光源ユニットの左右方向の動きが妨げられることがある。そのため、使用過程で光軸ずれが発生し、保安基準第32条(前照灯の基準)に適合しなくなるおそれがある。
国土交通省
スバル3件目もヘッドライト
そしてスバルの3件目もヘッドライト関連で、ただしこれもちょっとだけ内容が異なります。
影響を受けるのは令和元年10月14日~令和元年11月14日に制作されたレガシィ(718台)となっており、不具合件数は0件、不具合発見の動機はやはり「社内からの情報」。
なお、スバルはこれまでリコールの経緯として「市場からの情報による」、つまり世に送り出した製品に問題が起きてはじめて調査しリコールといった内容が多かったように認識していますが、こういった「社内からの情報による」という、つまり内部から問題について声を上げる態勢が整ってきたのは非常にいいことだ、と思います。
こちらの不具合の内容は下記の通りで、対策としては点検、そして問題があればヘッドランプの交換となります。
右側ヘッドランプにおいて、製造工程が不適切なため、ヘッドランプ内部に塗布した接着剤が、内部構成部品である光源ユニット付近に垂れ落ち、光源ユニットの左右方向の動きが妨げられているものがある。そのため、前照灯レベラー作動角不良や、使用過程での光軸ずれが発生し、保安基準第32条(前照灯の基準)に適合しなくなるおそれがある。
国土交通省
ボルボは「エンジン冷却装置」
そしてボルボはエンジン冷却装置に問題ありとしてリコール。
日本国内では問題が生じていないものの、「本国メーカーからの情報」に基づいてリコールを行うということになります。
対象となるのは平成27年6月16日~平成29年1月7日に輸入されたS60、V60、XC60、V60クロスカントリー、V40、V40クロスカントリーの計6車種。
合計で4,492台ですが、月1,500台程度を登録しているボルボにとってはけっこう大きな数字だと思います。
対策としては「エア抜きホース追加」、そして不具合の内容は下記の通り。
エンジン冷却装置において、エア抜き設計が不適切なため、修理等により冷却水を再充填する際に、専用特殊工具を正しく使用しない場合、冷却装置からエアが抜けないことがある。そのため、冷却が不十分となり、最悪の場合、エンジンルームが火災に至るおそれがある。
国土交通省
プジョー1件目は「ECU」
プジョーがリコールを届け出た1件目は「ECU」。
内容を見るに「日本の渋滞路が原因ではないか」という印象があるものの、リコールの動機は「本国からの情報」となっているので、日本以外の国で問題が出たようですね。
対象は508と、同じグループのDS7あわせて521台。
輸入期間は平成30年7月13日~令和元年5月14日分が該当し、対策としては「ECU書き換え」、不具合の原因と内容は下記の通り。
エンジンコントロールユニットにおいて、制御プログラムが不適切なため、低エンジン回転・定速走行などの低負荷走行の際に、NOx(窒素酸化物)センサーが正しく機能していないと誤診断し、エンジン警告灯が点灯するおそれがある。
国土交通省
プジョー2件めは「冷却水ホース」
もう一件プジョーが届け出たのは「冷却水ホース」。
平成30年11月27日~令和元年12月24日に輸入された1,479台が対象となり、車種としては「308」と「LIFTER」。
日本での問題発生はゼロ(本国からの情報によってリコール)、対策としてはハウジングの加工が示されており、不具合の詳細は下記のとおりです、
EGRバルブ冷却水ホースにおいて、配索設計が不適切なため、当該ホースとエアフィルターハウジングとのクリアランスが小さくなり、走行中の振動により接触することがある。そのため、当該ホースが損傷し冷却水が漏れ、最悪の場合、エンジンオーバーヒートに至るおそれがある。
国土交通省