| 価格が同じだったら絶対にボクは新型フェアレディZよりこちらを選ぶ |
さて、新型フェアレディZ「プロトタイプ」が発表されたことで一気に盛り上がっているフェアレディZを取り囲む環境。
手放しで新型フェアレディZを歓迎する向きもある一方、「外観だけをレトロにしたとしても、初代フェアレディZの魂を引き継げるとは限らない」という声もあるようです。
そこで今回紹介するのが、英国にて初代フェアレディZ(S30)のレストア+カスタム=レストモッドを行う「MZRロードスポーツ」。
創業者であるラファイル・タリク氏は2001年からこのビジネスを始めたとのことですが、その仕上がりはまさに「フェアレディZのジンガー・ポルシェ版」ともいうべき完成度そして芸術性を持っているようです。※ただしベース車両となる初代フェアレディZは販売台数が多いために入手やすく価格も安いので、コンプリート価格はジンガーポルシェほどではないと思われる
MZRロードスポーツは「ホワイトボディに戻してから」カスタムを行う
現在MZRロードスポーツが提供するフェアレディZのレストモッドプログラムは「スポーツデザイン」「MZR 50アニバーサリー」の2種。
いずれもフェアレディZを最新のテクノロジーと素材でレストアしたということにかわりはなく、しかしMZR 50アニバーサリーの方はカーボンファイバー製ワイドボディ(オリジナルデザインを崩さないようにデザインされている)が与えられるなど、いっそうパフォーマンスを高めていることが特徴となっています。
そしてMZRロードスポーツはいったん全てのパーツを外し、ホワイトボディ状態に戻してから現代のパーツを組み込んで仕上げることも特筆すべき点(そのため、顧客の要望に応じて様々なオプションを追加できる)。
エンジンについてはオリジナルのL型エンジンをベースに2800CC〜3100CCまでの選択肢があり、出力は240〜280馬力(いたずらにパワーを追求していないところがいい)。
見る限りでは等長ヘッダーが組まれているようですね。
ヘッドカバーはマットチタン仕上げ、そして部分的にはビレットパーツも使用されている模様。
それにしてもエンジンは比類なき美しさ。
トランスミッションは現代の6速マニュアル、そしてやはり現代のLSDに30段調整サスペンションが装着され、サスアームやアクスルについても強化済みなのだそう。
ストラットも強化され、ロールケージも美しいマットチタンフィニッシュ。
さらに内装は編み込みレザーなど高いクオリティを持つ素材が使用されていることがわかります。
エキゾーストシステムも変更され、燃料タンクもオリジナルへ。
ブレーキシステムはレーススペック。
ステアリングラックもレース対応の仕様がおごられる、とのこと。
MZRロードスポーツのファクトリー内には納車を待つフェアレディZが多数。
当時のフェアレディZには用意されていなかったと思われるスモーキートーンのボディカラーが魅力的ですね。
ホイールはRSワタナベ(もしくはそれっぽいデザイン)を採用しているように見え、このあたりも「さすが」と唸らせられるところですね(911のレストモッドにフックスホイールを使用するのに近い)。
MZRロードスポーツ製フェアレディZのインテリアはこうなっている
そしてこちらはMZRにてカスタムされたインテリア。
基本的にはオリジナルの雰囲気を損なわず、しかし現代の素材や技術を投入して質感や快適性を高めています。
このあたり、ジンガー・ビークル・デザインと同様の手法ですね。
ステアリングホイールはディープコーン、メーターは「アナログ」をチョイスしているあたり、MZRロードスポーツは”わかっている”としかいいようがありません。
センターコンソールにはアナログウォッチと編み込みレザー、シフトレバーはおそらくビレット、シフトノブはポルシェばりの積層仕様。
シートシェル、そしてヘッドライト周りなども自社で成形する技術を持つようですね。
張り上げられたシートはこう。
シートセンターの編み込みレザー、アイレットもやはりジンガー・ビークルデザイン風。
この内装の仕様といい、エクステリアカラーといい、やはりジンガーから何らかの影響を受けたことは間違いなさそうです。