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テスラ・モデル3が発売4年足らずでEV初の「累計生産100万台」間近。なお日産リーフは10年で50万台、ロードスター/レクサスISは19年で100万台、ポルシェ911は54年、カイエンは18年で100万台

2021/04/11

テスラ・モデル3

| テスラは常に「先」を読んできた |

さて、テスラは先日、2021年第1四半期が「過去最高」であったと発表したばかりですが、その中にはもうひとつの記録が隠されていた模様。

それは「EV史上、モデル3が単一車種ではじめて100万台に達する可能性がある」ということで、現時点での販売台数はおおよそ95万台程度(モデルYは10万台程度)なのだそう。

ちなみにテスラは第1四半期に18万台をデリバリーしているので、このペースを維持できれば、あと1-2ヶ月で記念すべき100万台を達成できるのかもしれません。

テスラ・モデル3
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テスラ・モデル3は発売からわずか3年半でここまで来た

なお、テスラ・モデル3の発売は2017年半ば、モデルYの発売は2020年はじめ。

つまりモデル3は発売から4年足らずで100万台を達成しようということになりそうですが、これは日産リーフが「発売から10年でようやく50万台(2020年9月)」を達成した倍以上のペースです。

参考までに、マツダ・ロードスターは発売19年で100万台、レクサスISも19年で100万台、ポルシェ911は54年で100万台、ポルシェ・カイエンは18年で100万台を達成しています。

InsideEVsによると、テスラの販売推移は下のグラフのようになっていますが、これまでの累計販売台数は1,584,500台で、このペースだと2021年中には200万台に達成するだろう、とのこと。

tesla-cumulative-sales-q1-2021

このグラフを見るとまさに驚異的としか言いようがなく、今後もこのペースを維持できるかどうかは気になるところですが、水色の折れ線がモデルSUVとモデルXの合計、黄色の合計がモデル3とモデルYの合計。

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今後のテスラの展望は?

これを見ると、モデル3とモデルX発売後であっても、モデルS/Xの販売を侵食していないということがわかりますが、ポルシェ・タイカンやアウディe-tron GTが発売され、メルセデス・ベンツEQSが間もなく登場することを鑑みるに、今後はモデルS/モデルXの販売は下降に転じる可能性も。

そして、モデル3/モデルYについても、フォルクスワーゲンID.3やID.4との競争にさらされることになりそうですが、こういった「競争激化」について、テスラからすると「織り込み済み」なのかもしれません。

どういうことかというと、完全なるブルーオーシャンであった当初には、より高い利益を獲得できるプレミアムセグメントを主戦場とし、EVが一般的となって多くのライバルが参入して市場が活性化する頃にはモデル3/モデルYという量販車で戦い、そしてこれからさらに激化するであろう価格競争には「25000ドルの」新型車で戦うとともに、アメリカではもっとも人気があるとされるトラック市場へと「サイバートラック」にて参入するということになりそうです(つねにEVにとって未開拓、そしてもっとも稼げるマーケットへと適切な時期に進出している)。

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同時にテスラにとっては「未開拓」の市場が残されており、直近ではそういった「未開拓だが巨大な」市場であるインドへの進出を公表し、状況次第では現地生産を行うことでコストの引き下げも期待可能。

テスラ・モデル3
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こう考えると、テスラは当初から他社の動向そして市場の向かう方向を読んでおり、それにあわせて商品展開を行ってきたと考えることもできますね。

さらに今後は「バッテリーの確保」が重要となりますが、こちらについてもサプライヤーの動向に左右されず自社で手当できる体勢を構築しつつある模様。

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加えて「ソフトウエア」「自動運転技術」についてもテスラには一日の長があり、将来的にはこれら技術を他社に販売することで利益をあげようと考えているのかもしれません。

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参照:InsideEVs

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