| おそらくインドの人にとってイーロン・マスクは”ヒーロー”に見えるはずだ |
さて、テスラがインド市場に参入、との報道。
これはロイターが報じたもので、「インドの運輸大臣、ニティン・ガッカーリ氏がインディアン・エクスプレス紙に語った内容」を引用しています。
報道によるとインドでの展開は「2021年早期」、そしてひとまずは販売のみから始まり、その後に様子を見て現地での製造を検討することになる、とのこと。
なお、イーロン・マスクCEOもこの報道を認めており、展開時期については「(以前に噂されていた)1月ではない」というツイートも投稿しています。
インドは「世界で2番目の人口を誇る」マーケット
インドは世界で2番目の人口を誇る巨大市場ではあるものの、参入が極めて難しいとされる市場としても知られます。
これはさまざまな規制、そしてインド独特の嗜好によるものだとされますが、(海外の)自動車メーカーだと、インドで成功を収めているのはスズキのみ。
その勝因としてはやはりローカライズだとしており、スズキの持つマーケットシェアを狙ってかつてフォルクスワーゲンがスズキの買収を目論み、そして現在だとトヨタが(スズキとの)提携によってインド市場を虎視眈々と狙っている状況です。
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インドだとスズキはほぼ独占企業だった!市場シェアは50%を超え、「2台に一台はスズキ」。いったいなぜ?
| スズキは自ら運を引き寄せる行動力を持っている | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49896805806/in/dateposted-pub ...
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なぜ今になってインド?
そしてなぜテスラが今までインド市場に進出しなかったのかということですが、これは「規制によるもの」。
つまりは規制がインド参入の障壁となっており、しかしインド政府はこの数年で外国企業の誘致を目的としてか、これらの規制を撤廃したとも述べており、実際に多くの外資系企業がインドへと投資を行っている模様。
なお、上述のニティン・ガッカーリ大臣は「おそらくテスラはインドで生産を行うだろう」とも述べており、これによってインドが得られるメリットは「雇用創出」、そして電気自動車の販売による「CO2削減」。
インドで売れるのかテスラ?
そこで気になるのが「インドでテスラは売れるのか」ということ。
上述のとおりインドは特殊な嗜好を持っており(金メッキを好む、とか・・・)、テスラはこれにあまりマッチしていないように思います。
ただ、インドはIT大国でもあり「新しいもの好き」な側面を持っているという特徴も。
そしてIT関連従事者の多くはカースト制を逃れてその職に就いているともいわれ(インドではカースト制によって職業が決められているが、IT関連は新しい職種なのでカーストとは無関係であり、下層カーストでも職に就くことができる)、であればイーロン・マスクCEOは「歴史のある大手自動車メーカーに立ち向かうヒーロー」として彼らの目に映るはずで、その意味では「テスラとインド市場とは相性が良い」のかもしれません。※インドの平均所得は低いが、人口の多さに比例してお金持ちもたくさんいる
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参照:Reuters