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テスラが「2021年第1四半期は過去最高だった」と発表。なおモデルSとモデルXは新型へ切り替えのため生産ゼロ、にもかかわらず全世界で18万4000台をデリバリー

テスラ・モデル3

さて、国内外の自動車メーカーが続々直近の生産や販売台数を公表していますが、今回テスラが「デリバリーが過去最高になった」と発表。

モデルY、モデル3、モデルS、モデルXすべてを合計した全世界での販売台数は18万4800台となっており、これは2020年第4四半期に記録した18万570台を超えて過去最高に。

加えて、これまで第1四半期の販売台数が第4四半期を超えることはなく、そしてフォルクスワーゲンがID.3、ポルシェがタイカンのデリバリーを本格化させたり、そしてヒュンダイがアイオニック5、キアがEV6の受注を開始したという逆風の中では「かなりいい数字なんじゃないかと考えています。

なお、テスラは2020年通年で50万台を販売していますが、2021年は3ヶ月で18万4800台を販売したということになり、今後の動向にも注目が集まりますね。

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モデルS/モデルXの生産はゼロ

販売の内訳を見ると、モデルS/モデルXが2020台(生産はゼロ)、モデル3/Yが182,780台(生産は180,388台)。

注目すべきはモデルS/Yの生産がゼロとなっていて、販売台数が極端に少ないということ。

これは先日発表された「新型モデルS」へ、モデルYともども移行準備を行っているという事実を示しているのだと思われます。

こういった事情を考慮すると、やはり今回の数字は「想像よりもずっといい」と捉えて良さそうですね。

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加えてテスラは今回の業績発表に際し「中国にて、モデルYの販売が好調」「フル生産体制に向けて取り組み中」「新型モデルSとモデルYの販売も受注好調で、生産開始が近い」とコメントし、純利益などの財務諸表については近日中に改めて公開するとも述べています。

ちなみにテスラが「モデル3とモデルYを発売する」と発表した際、市場は「より利益の大きなモデルSとモデルYの販売を侵食し、テスラ全体の利益を圧迫する」と見ていたものの、実際に各モデルともにしっかり棲み分けができており、それぞれが独自の市場を形成している模様(ガソリン車とは異なり、EVは追加車種分だけ販売が”プラス”される傾向がある)。

よって、これから新型モデルS/モデルXが納車されはじめると更に販売が伸びることになり、ウワサされる「260万円の新型EV」についても、既存のラインアップとは競合せず、新しい客層をテスラに呼び込むこととなりそうですね。

テスラ・モデル3

今後のテスラの動向は?

そこで気になるのがテスラの今後。

つい先日、フォルクスワーゲンは、テスラ・モデルYの最大の脅威となりそうな「ID.4」を発表しており、ヒュンダイ・アイオニック5やキア・EV6もデリバリーが開始されることに。

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そしてモデルSを取り巻く環境だと、ポルシェ・タイカンやアウディe-tron GTといった車種が登場していて、さらにメルセデス・ベンツEQSのデビューも間近です。

つまりは相当に困難な戦いが待ち受けているということになりますが、助けとなるのは「EV市場の拡大速度の速さ」であり、このスピードよりも早くテスラが成長できるかどうかが非常に重要となってきます。

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EV市場はガソリン車市場とは異なって「パイの取り合い」ではなく全く新しい市場であり、しかしこれからガソリン車市場と同レベルまで成長すると予想され、そのため「いかに競争が厳しくとも」その中で独自のプレゼンスを確保できれば勝機があるとも考えられます。

そこが新規参入組が多数発生する理由でもあり、リヴィアンやカヌーなどが存在する「意義」だと言えそう。

ただ、EVを投入すればなんでも売れるというわけではなく、ミニクーパーS E、メルセデス・ベンツEQ C、BMW iX3のように「空気」になってしまったEVも多々存在し、その意味ではガソリン車以上に「売れるクルマと売れないクルマ」とがはっきっりするマーケットなのかも(これはEV市場の特殊性でもある)。

その意味ではテスラはEV市場においてもっとも高い知名度を誇っており、一日の長があるため、まだまだ優位性を発揮することになるだろうとも推測しているわけですね。

加えて、これから不足するであろうバッテリーの確保に走っていること、世界中に工場(ギガファクトリー)を建設していること、そして「260万円の」新型EVの発表、サイバートラックのデリバリー開始なども明るい材料だと考えています。

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