| さすがはメルセデス・ベンツの”柱”のひとつだけあって価格以上の性能を有しているようだ |
ライバルに比較しても、あらゆる面で「抜きん出ている」ようだ
さて、メルセデス・ベンツCクラス(W206)へと試乗。
メルセデスミーでの試乗となり、グレードはC 200 AVANTGARDE (ISG搭載モデル)、ボディカラーはヒヤシンスレッド、価格は654万円。
新型Cクラスの発表自体は昨年の夏になされているものの、(おそらくはマイクロチップ不足のため)生産が遅延しており、納車には通常よりも長い時間を要していると言われます。
なお、今回のCクラスは2014年以来7年ぶりのフルモデルチェンジとなり、そのデザインはメルセデス・ベンツがここしばらく採用しているデザイン言語「官能的純粋」に従ったもの。
パワートレインについては全車電動化されたことが大きな特徴で、C200に搭載されるガソリンエンジンは「1.5リッター4気筒(M254 / 204PS)」、そしてこれに20馬力のアシストが可能なエレクトリックモーター(ISG)が組み合わせられ、トランスミッションは全車9速オートマチック、駆動方式は基本がFR、そして4WD(4MATIC)も用意されています。
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新型メルセデス・ベンツCクラス発表!Sクラス譲りの内外装が与えられ、しかし「ドライバー寄り」へとフォーカスしているようだ
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新型メルセデス・ベンツCクラスクラスの外観はこうなっている
新型メルセデス・ベンツCクラスはまさに「コンパクトなSクラス」といった感じで、前輪を前に押しやったうえでフロントオーバーハングを短く取り、ホイールベースを長く、そしてリアオーバーハングも延長されて優雅なスタイルを演出しています。※画像はAMGライン非装着の展示車(C220d)
キャビンそのものが全体的に後方へと移動したかのようなデザインを持っていますが、これはフロントウインドウが寝ている反面、リアウインドウがそこまで寝ていないせいかも。
新型メルセデス・ベンツCクラスのボディサイズは全長4,680ミリ、全幅1,820-1,840ミリ、全高1,440ミリで、全長は先代に比べると6.35センチ長く、そして全幅は1センチ広くなり、逆に全高は1センチ低くなって「長く広く、しかし低く」。
ボンネット上には(これまでAMGの象徴であった)2本のパワーバルジが標準装備されています。
なお、ホイールサイズは18インチ、タイヤはフロント225/45R18、リア245/40R18サイズです。※AMGライン用のホイールはディスク形状を持つデザインになる
新型メルセデス・ベンツCクラスのインテリアはこうなっている
インテリアもやはり「最新のメルセデス・ベンツ」であり、メインのメーターは12.3インチ、ダッシュボードのセンターにはナビゲーションシステムや車両の機能をコントロールする11.9インチモニターが鎮座しています。
ちなみにメーターの表示スタイルはジェントル、スポーティ、クラシックの3つから選択が可能です。
全体的に物理スイッチが減少し、すっきりした雰囲気となっていますね。
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新型メルセデス・ベンツCクラスに乗ってみよう
そこでさっそく新型メルセデス・ベンツCクラスの試乗ですが、エンジンを始動させても「それがわからないくらい」振動と騒音が抑え込まれているのにはびっくり。
とにかく静粛性が高いということが「最初の驚き」ですが、シートやミラーを調節していざスタート。
発進や低速域のマナーが非常に良く、停止時の挙動もかなりスムーズであり、このあたりはさすが近年のメルセデス・ベンツといったところです(ブレーキのタッチにも優れ、ストップ&ごーの多い日本ではありがたい)。
試乗コースはグランフロント大阪の地下駐車場を出て、あたりをぐるっと回って戻ってくることになりますが、迷路のような地下駐車場を走るのも全く苦にならず、これは最小回転半径がコンパクトカー並みの5メートルという取り回しの良さを持っているからかもしれません(AMGライン装着車は5.2メートル。これを可能とするリアホイールステアリングはオプション扱い)。
ちなみにステアリングホイールのロック・トゥ・ロックは2回転に設定され、これは従来型Cクラスに比較して10%クイックなレシオとなっていて、とにかくよく曲がるというのが2つ目の驚き。
メルセデス・ベンツというと「ぐるぐるステアリングホイールを回す必要がある」「ステアリングホイールを切っている割には曲がらない」という印象がありますが、このCクラスに関しては、全くそれが当てはまらないようです。
そして路上に出るためには(駐車場内から出口にかけて)長い上り坂を駆け上がることになりまずが、こちらも1.5リッターエンジンとは思えないほどのパワフルさを見せていて、おそらくは(エンジンに負荷のかかる場面においては)エレクトリックモーターのアシストもあるんじゃないかと思います。
なお、この1.5リッターエンジンの吹け上がりは非常に鋭く、これがクイックなステアリングレシオと相まって、新型Cクラスの性格を「スポーティーに」印象づけているもよう。
参考までに、室内で聞くエキゾーストサウンドはけっこう勇ましく(アイドリング時は”ほとんど”聞こえず、アクセルを踏むとガソリン車らしい排気音が聞こえる)、しかし外から聞くと(メルセデスミーのスタッフがクルマを動かしている様子を外から見ていると)排気音がかなり小さいレベルに抑えられていてほとんど耳に入らず、よって室内で聞くエキゾーストサウンドは「フェイク」なのだと思われます。
ただ、アクセルを踏むと同時に、おそらくは実際にエンジン回転数が上がるよりも速くエキゾーストサウンドが室内に響くため、これも「レスポンスが優れる」と感じさせるひとつの要因なのかもしれません。
そして3つ目に驚いたのは「サスペンション」。
ぼくはメルセデス・ベンツ各モデルについては、「硬く締め上げすぎたサスペンション」もしくは「フワフワで安定性に欠けるサスペンション」のどちらかしかなかったと認識していて、どちらも乗り心地がよく快適とはいい難いものであったと認識しています(メルセデス・ベンツ=高級車というイメージを抱いて試乗すると、その多くの場合で期待を裏切られることになる)。
ただ、この新型Cクラスにおいては、突き上げがほぼ感じられず、しかし衝撃をしっかり吸収し、ピッチやロールも抑え込まれているうえに接地性も高く「理想的」。
これまでに乗った(スポーツカーを除く)メルセデス・ベンツのクルマではもっとも優れた足回りを持っているという印象ですが、これが今回の新型Cクラスにおいてもっとも驚かされる部分であり、「購入を検討してみるか・・・」とまで考えたほど(購入を検討するのであれば、Cクラス・オールテレインになる)。※逆に、これまでメルセデス・ベンツを購入してこなかったのは、(スポーティーさという意味ではなく乗り心地的に)足回りに納得できなかったからでもある
とにかくこのサスペンションについては驚いたとしかいいようがなく、試乗コースでの鬼門である「踏切」においてもまったく不快感を感じさせない仕様をもっています(メルセデスミー、そしてこの地区のディーラーで試乗をすると、必ずこの踏切を通ることになるが、多くのクルマではここで跳ねたり、車体をシェイクされることになる)。
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そのほか、安全性やインフォテイメントシステムについてはメルセデス・ベンツ「最新」のデバイスが与えられていて(Dセグメント初のARナビもここに含まれる)、一部体感できたものとしては(細かいですが)ちょうど雨天時の試乗だったということもあり、「ワイパーの拭き取り面積が大きいこと」。
より広い面積を拭き取るためにワイパーが単に「左右に動く」だけではなく、「上下にも」伸びながら動いており、これはさすがメルセデス・ベンツだとうならされるところです。
こういった細かいところにまで配慮できるメーカーは数少なく、そしていかにメルセデス・ベンツが「真面目に」クルマを作っているかが端的に分かる部分なのかもしれません(クルマづくりの真面目さについては、どのメルセデス・ベンツに乗っても驚かされる部分ではある)。