| それでもポルシェのレーシングカーで公道を走る心意気には敬服する |
これこそまさに「ポルシェオタクの鏡」である
さて、世の中にはとんでもないエンスージアストがいるもので、これまでにも「レーシングカーを公道仕様にコンバートして乗る人たち」が過去に何度か紹介されています。
そしてこの「レーシングカー」とは、市販車をレーシングカーにコンバートし、それをまた市販車に戻すといったマクラーレン・セナ GTRのような例、もしくはホモロゲーションモデルではなく、「完全にイチからレーシングカーとして設計・製作された競技用車両」を指しています。
-
【動画】マクラーレン・セナGTRでマクドナルドのドライブスルーに行ってみた!サーキット走行専用車だからこれだけ苦労する
| マクラーレン・セナGTRはこんなクルマ | さて、ノヴィテックが何を思ったか「マクラーレン・セナGTRでマクドナルドのドライブスルーへ行く動画」を公開。マクラーレン・セナGTRは全世界で75台のみ ...
続きを見る
今回はル・マン時間レースで活躍したポルシェ962Cを公道仕様へコンバート
そして今回Youtubeへと動画が投稿されているのが「ポルシェ962Cを公道仕様へとコンバートし、合法に登録したオーナー」。
これはクレーマー・レーシングが購入した11台のシャシーのうちのひとつであり、搭載れされるエンジンは3リッター・フラットシックス・ツインターボ、その出力は750馬力。
出力自体は現代の基準からすると「さほど」高くないように見えるかもしれませんが、重要なのはこのポルシェ962Cの車体重量が1,000kgということで、そのため(エアロダイナミクスに優れるボディと相まって)最高速は350km/hを記録します。
もともとポルシェ962Cシリーズは1984年にIMSA-GTPクラスへと参戦するためにポルシェが開発したレーシングカーですが、1985年にレギュレーションの変更によって(グループC規定に合わせる形で)登場したのが962C。
生産台数はワークススペックで14台、カスタマースペックで60台、そのほかあわせて91台だと記録され、このクレーマー・レーシングの962Cはもちろんカスタマースペックだと思われます。
当初エンジンは2.65リッターからスタートしており、最終的には3.2リッターまで拡大されていますが、1994年の引退までバージョンアップが続けられており、様々なバリエーションが世界中のレースに参戦し、ル・マン24時間レースはじめ数多くのレースにおいて勝利を獲得していますね。
このポルシェ962は「ポルシェにとってもっとも成功したレーシングカーのひとつ」であり、ポルシェが今年ル・マンへと復帰するに際して用意するレーシングカーに「(962の後継的意味合いにて)963と名付けたことからもその存在の大きさがわかろうというもの。
-
ポルシェがル・マンとIMSAを走るレーシングカー「963」を公開!成功を収めた「962」「959」オマージュ、そして現行モデルや未来のモデルとの関連性も
| ここ最近、各社ともレーシングカーと市販車との関連性を強く押し出している | 2023年からは多くのライバルとともに戦うことになり、その戦闘力には期待したい さて、ポルシェが2023年からIMSAウ ...
続きを見る
これまでにポルシェ962Cを公道仕様へとコンバートした例は何台か存在する
動画では実際にこのポルシェCにて公道を走行していますが、ドライバーいわく「ステアリングが重く、回転半径がひどく小さく、後方視界は基本的にない」。
そしてクラッシュを避けるためにトラクションコントロールを装備しているものの、それでも「非常に繊細なコントロールが要求される」ようですね。
なお、驚くべきことに、このポルシェ962Cの公道バージョンはいくつか存在し、最も有名なのはバブル期に日本で企画された「シュパンポルシェ」ですが、このほかにもDPモータースポーツDP62、ケーニッヒスペシャルズ962といったクルマも存在します(この個体は、イギリスのスペシャリストであるBBMスポーツによって公道仕様へと改装されている)。
-
世界に6台!ビンゴスポーツにて発売当時「世界でもっとも高価」だったシュパンポルシェ962CRが販売中
| 発売当時、世界で最も高価な車だったシュパンポルシェ962C | ビンゴスポーツにて、なんと「シュパンポルシェ(Schuppan Porsche)962CR」が販売中。これまでもビンゴスポーツは ...
続きを見る
ちなみにナンバー「プレート」ではなく「ステッカー」。
公道仕様なのにサイドマフラー。
ホイールはもちろんセンターロック。
どう考えてもこのクルマを公道にて走行させることは「苦行」でしかなさそうですが、それでもドライバーはちょっと楽しそう。
公道走行可能な仕様へとコンバートされたポルシェ962Cをドライブする動画はこちら
合わせて読みたい、ポルシェ関連投稿
-
ポルシェ・ジャパンが「生沢徹のドライブにて1967年の日本GPで優勝したポルシェ906」オマージュの718ケイマンGT4を公開!同じ仕様での注文受付も可能に
| 製造したのはポルシェのカスタム部門、エクスクルーシブマニュファクチャー | この仕様を再現するにはかなりのコストが掛りそうだが、それだけの価値はあると思う さて、ポルシェジャパンが「1967年の第 ...
続きを見る
-
【動画】まさにエンスーの鑑!思いがけず始動したポルシェ917に引きずられるもエレガントに立ち上がりエンジンを再始動した男
| ボクもこれくらいのタフさを心身ともに持ちたいものだ | なかなかこういった対応はできるものではない さて、今年のモントレー・カーウィークにてちょっとした珍事が発生。今年はポルシェ917がル・マン2 ...
続きを見る
-
え?ポルシェが100年前のメルセデス・ベンツを復元?この「ADS R サッシャ」はポルシェ創業者がベンツ時代に設計し、そしてポルシェを設立するきっかけになったクルマだった
| やっぱり、ポルシェとメルセデス・ベンツは仲がいいのかそうでないのかわからない | それにしても、このクルマがポルシェ設立のきっかけになっていたとは さて、ポルシェが1922年のメルセデス・ベンツ( ...
続きを見る