| 実際のところ影響がどのくらいあるのかは不明ではあるが |
現代の消防士は新しい知識、技術を身につける必要が生じている
さて、連日ロサンゼルスでの山火事に関する報道がなされる昨今ですが、この森林火災は「同地域で史上最悪」だとも言われ、そして専門家によると「さらに状況を悪くしているのがEVの存在」。
現在この火災は「パリ市内」と同じくらいの面積を消失させ、消防士たちは、あらゆる手段を用いて火災の鎮圧に取り組んでいるものの、完全には制御されていないのが実情です。
EVに用いられるリチウムイオンバッテリーが復旧作業の妨げに
そこで今回報じられているのが「テスラ、ポールスター、フォードなどの電気自動車に搭載されているリチウムバッテリーは消火に際して追加の手順が必要」ということ、そしてその手順に時間と手間を取られてしまうという問題で、現地消防士は以下のように語ります。
「リチウムバッテリーは非常に高温で燃えることが事実であり、私たち消防士はそれに対処する方法を学び、消火し、処理するための特別な対策を取っています。」
さらにはEVが発火したことで火災が拡大した可能性も示唆していますが(これが事実かどうかは調査報告を待たねばならない)、現在進められる復旧作業についてもEVがある種の障害となるのは事実であるもよう。
実際のところ、ガビン・ニューサム知事は復旧作業が「複雑になる」と認め、瓦礫の中に現在見られるリチウムバッテリーがその原因だとも。
同知事は電気自動車のバッテリー、通常の車のバッテリー、そしてテスラの家庭用パワーパックを理由に挙げ、以下のように述べています。
「今は(以前とは)少し異なる世界です。EVに装着されるバッテリーだけでなく、ソーラーパネルを使っている人々、テスラの壁面バッテリー(パワーウォール)などが関係しています。これが危険物質処理を少し複雑にしていますが、大丈夫です。私たちはそれに対処していきます。」
ガビン・ニューサム知事のコメントは、カリフォルニア州にとって(復旧までの)長い日々が続くことを示唆していますが、同知事は瓦礫の除去に6ヶ月から9ヶ月かかると予測しており、地方、州、連邦のパートナーが「協力して」作業を進めることにも言及済み。
ガソリン車も火災活動を行っている第一線の担当者にリスクをもたらすものの、今回問題とされているのはEVの予測不可能性で、電気自動車は「電気化学的に」突然再燃することがあり(通常の火災とは異なり、鎮火したように見えても再び発火することがある)、さらには人々がEV火災時に発生する有毒な煙を吸い込むリスク、損傷したバッテリーパックを扱う際には化学的な火傷のリスクが高まることが予想されているわけですね。
これにより、専門家たちはロサンゼルスの火災後に損傷したEVを取り除く際に極度の注意を払うよう呼びかけている、と報じられています。
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参照:Automotive News, jalopnik