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BYDのショールームで10件目の火災が発生、今回だけで被害額は1億円超。なおBYDは「火災の原因は建物であってEVではない」と断じるも工場等でも火災が報じられる

BYDのショールームで10件目の火災が発生、今回だけで被害額は1億円超。なおBYDは「火災の原因は建物であってEVではない」と断じるも工場等でも火災が報じられる

| これだけの頻度でBYDのショールームが燃えているとなると、「EVが原因ではない」というのにはちょっと無理があるように思われる |

そのうちBYDを入居させないビルオーナーも登場しそう(そしてそうなればBYDはビルごと買い取るのかもしれない)

さて、5月16日の夜、BYDのショールームにて大規模な火災が発生し、建物構造物や数台の車両が燃えてしまったとの報道(幸いなことに、この火災による死者は出ていない)。

この火災についてはいくつかSNSへと動画が公開されていて、激しく炎が燃え上がり夜空がオレンジに彩られる様子、そして大きな破裂音、火災のあとの無惨な残骸などが拡散されることとなっています。

今回の火災につき、HK01の報道によれば福建省青口市で午前0時32分に発生し、7台の消防車が出動する騒ぎとなったそうですが、一時は炎の勢いが激しすぎて消防士が近づくことができず、しかし午前1時18分頃までにほぼ鎮火した、とのこと。

BYDは「火災の原因はEVではない」

なお、BYDはこの火災について声明を出しており、「出火場所はオフィスまたは2階の屋上だということが判明しました。 火災の原因が配線のショートまたは老朽化である可能性が考えられます」とコメントし、”ショールームに置かれていたクルマが火災の原因ではないか”と指摘されたことに対しては「車両のバックグラウンドデータを確認したところ、ショールーム内にある車両のバッテリーに異常はなかったことが判明し、車両が火災の原因であるという可能性は排除されました」と答えています。

つまりBYDはこの開催の原因は建物であってEVではないと言い切っているわけですが、BYDのショールームで発生した火災は2021年10月以降、すでに10件に達しており、さらには工場での火災、BYDの車両を輸送するトレーラーが燃えたことも過去に報じられているため、この状況を考慮すると「車両側に火災の原因があるのでは」と考えるのが自然かもしれません。

今回の火災では合計7台のBYDの車両が焼失し、(修理現場にあった)数台のクルマもこの事件で被害を受けたとされ、報告書によると合計500万元 (現在の為替レートで約1億800万円)もの損害が発生したと報じられており、BYDとしては手痛い出費となりそうです。

参考までに、これまでのBYDのショールームや工場にて発生した火災は以下のとおりですが、こういった事例が続くようであれば「中国製のEVは危険」という認識が広がってしまって思わぬところで普及が妨げられ、日米欧のEVが(安全だとして)脚光を浴びる時が来るのかもしれませんね。

  • 2021年10月・・・海南省のBYD ショールーム
  • 2022年4月・・・広東省韶関市のBYD ショールーム
  • 2022年5月・・・河北省衡水のBYDアフターサービス拠点
  • 2022年7月9日・・・広西チワン族自治区南寧市興寧区のBYDショールーム
  • 2022年11月18日・・・大雅湾西区のBYD工場
  • 2022年12月8日・・・河南省鄭州市二七区のBYDショールーム
  • 2023年6月1日・・・BYDのパンガン生産拠点の第1作業場
  • 2023年5月・・・広東省江門市のBYDショールーム
  • 2023年12月・・・遼寧省瀋陽市鉄西区のBYDショールーム
  • 2023年12月18日・・・四川省成都市新茅園のBYDショールーム
  • 2023年12月30日・・・山東省浜州市彰化市のBYDショールーム

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参照:CARSCOOPS

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