
Image:Audi
| アウディはこの「アウディスポーツ・レーシングレジェンズ・プロジェクト」を新しいビジネスとして位置づける |
いったいどんな人が買うのか気になって仕方がない
さて、アウディはこれまでにもR8やRS3の競技仕様をカスタマーチームやコレクター向けに販売していましたが、今回は「アウディスポーツ・レーシングレジェンズ・プロジェクト」として(使用済みの)LMP1 & DTMマシンを販売すると発表。
そしてこのプロジェクトは「カスタマーチーム向けに新車を販売する」のではなく、文字通り「レジェンド」となった、過去に素晴らしい成績を残した車両そのものを販売するということで、今回は「過去にル・マン24時間レースを制したR18 e-tron quattro」「DTM(ドイツツーリングカー選手権)の伝説的マシン、RS5 DTM」の2台を販売するとアナウンスしています。
これらはアウディ史上最も速く、最も技術的に高度なレーシングカーであり、今回のプロジェクトを通じ、ごく限られた顧客にのみ販売されることになるのだそう。
しかも単なるコレクターズアイテムではなく、購入者は走行可能な状態で所有でき、アウディが技術サポートを提供するというので、これは「自動車史上を通じても、またとない機会」かもしれません。
ル・マンを支配した究極のLMP1ハイブリッドレーシングカー、R18 e-tron quattroはこんなクルマ
まずR18 e-tron quattroは「ディーゼルハイブリッドのLMP1マシン」として、2012年・2013年・2014年のル・マン24時間レースを制したアウディの最強マシン。
今回アウディが販売を開始するのは「シャシー#207」で、これは2012年のスパ6時間レースで優勝、ル・マンで5位入賞、WEC(世界耐久選手権)では表彰台を獲得し続けた車両です。
ただし、この車両はF1並み、あるいはそれ以上に複雑なハイブリッドシステムを搭載しているため、乗車するにはアウディの技術支援が必須となり(簡単に始動すらできないものと思われる)、市販のLMP1ハイブリッドレーシングカーが市場に出るのはこれが世界初で、まさに前代未聞の出来事ということに。
プロトタイプレベルのDTMマシン、RS5 DTMはこんなクルマ
そしてもう一台のRS5 DTMは(DTMの)クラス1時代に活躍した伝説のレーシングカーであり、これは単なるツーリングカーではなく、プロトタイプに匹敵するエンジニアリングを持つマシンとしても知られます。
搭載されるエンジンは2リッター直4ターボ、出力は600馬力、戦績としては2015年のDTM最終戦(ホッケンハイム)で優勝を記録した「シャシー#107」 で、このクラス1 DTMカーは当時のGT3カーでは全く太刀打ちできないレベルの性能を持ち、もはやレース専用プロトタイプ(競技専用に製造されたレーシングカー)ともいえる存在です。
加えてアウディはこれら両者、そして今後「アウディスポーツ・レーシングレジェンズ・プロジェクト」を通じて販売する車両に対して以下のサポートを行うと発表しています。
- 定期的な技術検査
修理およびスペアパーツ供給 - 元エンジニアによる技術アドバイス
- イベント時のサポート
つまり、これらは(ガレージに保管するだけの)単なるコレクターズカーではなく、実際に走行できる「生きたレーシングカー」として維持・管理できる環境を整え、イベントへの出品もバックアップすることでさらにその価値を高めてゆく方針であることがわかりますね(イベントやコンクールへの出品履歴があり、かつ受賞歴があるとそのクルマの価値がより高くなる)。
アウディは、こうしたレーシングカーの販売ビジネスをフェラーリの「コルセ・クリエンティ(旧F1マシンやFXXプログラム)」や、マクラーレンのプライベートF1カー運用サポートに匹敵するものと位置づけており、しかしLMP1ハイブリッドという極めて特殊なマシンを一般向けに販売するのは今回が自動車史上初(フェラーリは「一般人が維持・走行させることが不可能」という理由にて、一定年次以降のF1マシンの販売を停止している)。
しかし今回販売に供されるマシンは、「維持コストも運用難易度も極めて高いが、それを許容できる人なら”絶対に買うべき”」と言えるほどの価値があり、もしこれらの車両が中古市場に登場したならば、それは見たこともないような価格で取引されることになるのかもしれません。
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参照:AUDI