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やるやんシボレー。新型コルベットではクラッチを「スイッチ化」してまでMTを継続?

2018/09/25

シボレーはマニュアル・トランスミッションに関する特許も出願

最近になって立て続けに登録されるシボレーの特許。
主にはミドシップ化される新型コルベットに採用されるものだと考えられているものの、今回は「マニュアル・トランスミッション」に関する特許が登録されています。

ただ、これまでの話だと、新型シボレー・コルベット(C8世代)に「マニュアル・トランスミッションは無い」ということでしたが、シボレーは今回「新型マニュアル・トランスミッション」に係る特許も出願し、謎が謎を呼ぶことに。

シボレーはそこまでしても「ガチャガチャ」やりたい

どこが新型なのかと言うと、この特許におけるクラッチは「クラッチ・バイ・ワイヤー」。
通常のクラッチは、ペダルを踏むとマスターシリンダー経由にて「油圧」でクラッチを切ることになりますが、今回の「クラッチ・バイ・ワイヤー」はペダルが単なるスイッチであり、これを踏むとスイッチが信号を送り、クラッチがON/OFFされる、という構造です。

これを採用する理由としては主に2つあると考えられ、ひとつは「ミッドエンジンのコルベットのため」。
フロントにエンジンとクラッチがあれば、ペダルとマスターシリンダー、そしてクラッチとの距離が近く、取り回しに問題はないものの、エンジンとトランスミッションが後方にあるミッドシップだと、ペダルからマスターシリンダー、もしくはマスターシリンダーからクラッチの距離が長くなり、取り回しが複雑になったり、重量が増加したり、フィーリングが悪化することも。

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シボレーはミドシップに関するノウハウが蓄積されておらず、よってそういった問題を解決する手段として、通常の「クラッチペダルでマスターシリンダーを押す」のではなく、「クラッチをスイッチに」するという方法を用いたわけですね(たぶん)。

そしてもう一つの理由ですが、これはぼくの推測にしか過ぎないものの、「単にクラッチを踏みたかったから」。
つまり、クラッチをロボット化するのであればクラッチペダルを踏む必要はなく、かつてBMWが採用したSMGのように「シフトノブにタッチすればクラッチが切れる」、ランボルギーニのeギアのように「パドル操作を行えば、クラッチと変速操作を同時に行ってくれる」ほうがずっと簡単で、ドライバーによる負担も少なく、変速時間もぐっと短縮できます(パーツ点数も減るのでコストも安い)。

にもかかわらず、すでにスイッチ化されたのに「わざわざクラッチを用意した」ということは、つまり「たとえスイッチだとしても、クラッチを踏んで、自分でシフトノブを操作する」という行為を重視(神聖視)しているとも考えられ、このあたり「やるやんシボレー」といった感じですね。

ちなみに、かつて計画されてお蔵入りとなった(しかし登場する可能性が再浮上してきた)ゴルフR420についても、トランスミッションは「DSG」なのにマニュアル・トランスミッション同様のシフトノブとゲートを持っており、これは「やっぱりマニュアル操作をしたほうがいいと思ったから」とコメント。

ホンダ・シビック・タイプRについても開発担当者が「(マニュアル・トランスミッションのシフトノブを)ガチャガチャやるのがいいんですよ」と述べるなど、このあたりメーカーとしての考え方が如実に反映されるところだと言えそう。

ぼくも実際に、同じ走るのでも「クルマがギアを選んで走るのと、自分でギアを選んで走るのとではまったく意味合いが異なる」と考えていて、シボレーの考え方には喝采を贈りたいと思います。

VIA:United States patent and Trademark Ofiice,Jalopnik

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