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テスラが中国用として開発・生産する「260万円のニューモデル」を全世界で販売するとコメント。既存・新興メーカーにも対抗する構え

2021/02/10

中国で生産されるテスラ・モデル3

| テスラは他社に比較すると低価格競争に耐えうる体力を持っている |

さて、テスラはかねてより中国向けに260万円程度の新型EVを投入するとコメントしていましたが、今回はテスラ中国支社の代表であるトム・チュー氏によると、この安価なクルマは世界中で発売される、とのこと。

これはCNetが中国国営放送のインタビュー内容として報じたもので、中国にて設置された(アメリカ以外ではじめての)研究開発センターがこの新型グローバルモデルの「すべて」を担うことになる、とも。※画像は中国・上海のギガファクトリーにて生産されるテスラ・モデル3

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もちろん新型テスラの生産生産も中国にて

そしてインタビューにおいては、設計や開発、テスト等企画から開発、生産までもがこの中国の拠点で行われるとしていますが、生産については中国だけではなくアメリカのギガファクトリー、そして建設中であるドイツ、さらには進出予定だと報じられたインドにおいてもなされることになるだろうと考えています(テスラは効率性を重んじるため)。

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なお、現在はルノー、(ポルシェ、アウディ含む)フォルクスワーゲングループ、ヒュンダイなどがEVの販売を伸ばしており、今後はメルセデス・ベンツやBMWの追撃も必至。

よってテスラの販売も危ういのではと言われるものの、ぼくとしてはまだまだテスラは伸びると考えているわけですね。

EVはシェアの奪い合いではない

その大きな理由の一つは、ガソリン車と異なってEVは「シェアの奪い合い」ではないということ。

現在世界で(新車)販売されているクルマが、10年から20年ほどかけてEVへと置き換えられてゆくことになり、しかし現在はそもそもEVの選択肢が少なく、投入すればするだけ売れてゆくという状況。

参考までに、2019年における世界の自動車販売台数は2695万5045台で、この中におけるEV/PHEV/PHVの販売は220万9831台となっており、つまりEV/PHEV/PHVのシェアは1/12以下。

さらにこれが「EVのみ」となるとぐっと少なくなるものと思われ(ピュアEVのみの統計は探すことができなかったが、2020年で120万台くらいなんじゃないかと予測。欧州のみだと約65万台)、つまり2035年位までのタームで考えると、自動車販売総台数が「変わらないまま」だとして、しかしこれらがすべてEVに置き換わったとなると、「2500万台くらい、つまり今の20倍くらいのEVマーケットが空白のまま残されている」と考えられます。

つまり、世界中の既存・新興自動車メーカーがこの「2500万台」の奪い合いをはじめる(というかすでに競争はスタートしている)ということになりますが、まずはお互いのシェアを食い合うよりは、市場がメーカー/モデル数の数だけ(あと5年くらいは)拡大してゆくだろうと予測しています。※これが数多くの企業がEVに参入する理由(理論)なのだと思われる

テスラは知名度では一歩リードしている

そして、そういった状況においてテスラの名は絶大なる価値を持っており、他社よりも優位なのは火を見るよりも明らか。

ただ、テスラが高い価値を誇るのは、「EVを、貧乏くさいエコな乗り物」ではなく、「リッチでスマートな人が乗る乗り物」として捉えたことにあると考えています(このあたりはアップルやスターバックスと似たようなイメージ)。

つまり日産リーフや三菱アイミーブとはまったく違う乗り物ということで、そのためにテスラ専用充電器「スーパーチャージャー」も高級リゾートや高級ホテルを中心に設置されており、ガソリン車の代替であったり、我慢して乗らねばならない乗り物ではなく、テスラのEVは「ガソリン車以上」の乗り物であると世に示したわけですね。

よって、今後競争相手が出てきたり、他社の電気自動車が260万円まで価格が下げられたとしても、テスラの場合は「もともと高級」というイメージがあるので、他社製の260万円EVよりもずっといいモノに見えるのは間違いなさそう。

さらにはツイッターを駆使して話題を常に提供するイーロン・マスクCEOの戦略、インセンティブの不要な「直販」、将来的には逼迫するであろうバッテリーの(自社生産による)確保、そもそも4車種しか存在しないという効率経営など、テスラが他社よりも「価格競争に耐えうる」体力を有するのも間違いなく、中長期的に見てもテスラの優位は揺るがないかもしれません。

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参照:T-Study, C Net

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