| 他の地域・国とは異なり、中国では「中華EV」と戦う必要がある |
The Los Angeles Times報じるところよると、テスラは来年から中国国内にて「モデル3の価格を20%引き下げる」可能性があるとのことで、これについては中国自動車市場の販売鈍化に対応するという意図があるようです。
テスラは現在、中国国内向けのモデル3については上海近郊にある中国の工場(ギガファクトリー)にて生産していますが、これは「輸入車に対する高額な関税を回避するため」。
中国は輸入車に対して一定の関税を課していて、ちょっと前までテスラは「電気自動車」ということで関税を免れていたものの、その後に中国側の規制変更にて関税がかかることに(それでもガソリン車よりは低い税率だと思われる)。
現在、テスラは「値下げ」の減資を確保できている(はず)
よってテスラは中国政府との協議によって上海近郊にギガファクトリーを建設してモデル3の生産を行うことになりますが、これによって関税を回避できるということになります(中国で生産したとしても、使用するパーツの一定以上が中国製でないと関税が課される)。
なお、モデル3の中国での価格は約550万円(おそらくはスタンダードレンジ。日本だと511万円)に設定されていますが、この設定はおそらく「世界統一基準に沿ったもの」だと考えて良さそう。
そしてこの設定を採用しているのは、テスラは「世界中どこでも(為替を加味して)同じ価格になる」プライシングを行っていること、そしてモデル3を中国へと導入した当初は「(中国生産ではなかったため)輸入車扱い」だったので価格が高くならざるを得なかったことがあると思われます。
しかし現在は中国現地生産へとシフトしたということもあって(人件費含む)生産コストも下がり、かつ関税もかからなくなったことから「値下げの原資ができた」ということなのかもしれませんね。
中国では「価格で選ばれる」傾向が強い
上海のコンサルティング会社「オートモビリティ」によると、特に中国では「価格でクルマを選ぶ」傾向が強いとされ、もしテスラ・モデル3が20%値下げされるとなると”非常に競争力が高くなり”マーケットでのシェアを伸ばすことは間違いないと分析。
なお中国は現時点でも「EV群雄割拠」状態であり、日本や欧州、米国に比較してかなり競争が厳しい、という現実も。
そしてテスラが戦う相手は(価格の安い)中国現地の自動車メーカーということになるので、やはり「価格戦略」が成否の鍵を握るのかもしれませんね。
実際に価格が20%下がるとテスラ・モデル3の価格は300,000元からのスタートとなり、中国のXpeng P7(セダン)が270,000元であるため、これに対しても競争力を持てるのでは、と言われています。