| こういった姿勢は中国側も高く評価するに違いない |
さて、テスラは中国にてデザインセンターを開設する意向を持っていると報じられていますが、今回は具体的に「中国におけるデザイン部門のボスを探している」との報道。
もちろんこれは中国人の嗜好にあわせたEVをデザインするためで、「中国と欧米両方の分化を理解した人物」「業界にて、20年以上のキャリアを持つ人物」という条件に絞り、いくつかのヘッドハンターを使用して候補者を探っている、とのこと。
ただ、中国の自動車業界が発展してきたのはつい最近のことなので、「中国をよく知る、20年以上の経験を持つ人」はけっこう少ないのかもしれません(それでも、ミニからクオロスへと移ったマーティン・ヒルデブランドなど数名の候補が思い当たる)。
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すでにテスラとは数名が面談済み
なお、ロイターによると「すでに数名がテスラのグローバルデザインチーフ、フランツ・フォン・ホルツハウゼン氏と面談済み」。
現時点での候補者数や候補者名は当然ながら不明ではあるものの、テスラのデザインを(中国市場限定ではあるものの)任されるとなると、これを断るデザイナーは少ないかもしれません。
テスラは極端なデザインを持つ「サイバートラック」を発表していますが、これについて「拒否反応」を示したのは一部のユーザーのみで、むしろ多くのデザイナーはこれを高く評価している模様。
そして評価している理由としては、そのデザインというよりも、「普通の会社だったら絶対にボツになるデザイン」であっても発表することができたというテスラの社風。
デザイナーといえば通常は個性の強い人々であり、自分の作品を「会社の事情で」普通のデザインに修正させられることには強い反感を持つものと思われますが、「やりたいようにやらせてくれる」テスラで働きたいと思うデザイナーは少なくないのかもしれませんね。
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現在はまだデザインスタジオの設立が決定したわけではないが
現在はまだ「中国のデザインスタジオ設立」について決定しておらず、その可能性も含めての「候補者との面談」なのだと思いますが、仮にデザインスタジオを設立するとなるとクレイモデラーを含めて20名程度の規模になるといい、けっこう大掛かりな組織となるのかもしれません。
そしてテスラは2020年に「全世界で」50万台を販売していますが、今後中国においては260万円程度の安価なEVを発売するとも報道されており、さらには数年内に中国にて「40万台」を販売するとも伝えられているため、そうなるとむしろ「中国にデザインスタジオを開設すべき」と考えて良さそうですね。
参考までに、現地アナリストはこの「260万円のテスラ」は中国市場で大きな成功を収めるだろうとも述べていて、「トヨタ・カローラや、フォルクスワーゲン・ゴルフの販売を深刻なレベルにまで凹ませてしまうだろう」とも。
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なぜにテスラは中国にデザインスタジオ設立の必要性が?
いかに中国市場を重視しているといえど、米国の本社にて「中国人が気に入りそうなクルマをデザインすればいいのでは」と思ってしまうのが人情というもの。
ただ、中国の嗜好はあまりに独特すぎ、どうしても現地でしか体感できない「空気感」のようなものもあるようですね。
そして中国市場の好みというと、「ドーンと押出の強いフロントに、クーペ風のリアセクション」というアンバランスなデザインですが、実際のところ中国の自動車メーカー、そして海外自動車メーカーであっても現地の合弁企業はこういったデザインを多々採用しており、これも現地に居なければ「頭ではわかっていても、なかなか自分のモノにできない」デザインテイストなのかもしれません。
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