>テスラ(TESLA)

テスラが日本にてモデル3を最大156万円値下げ!国内同クラスでは価格あたり走行距離最長EVに。ただし生産地はアメリカから中国製へ

テスラ・モデル3

| テスラ・モデル3が日本で販売を伸ばせないのはその「販売方法」にあると思う |

さて、テスラが日本市場において「モデル3」を大幅値下げ。

現在テスラ・モデル3のグレードは3つですが、「スタンダードレンジプラス」はこれまでの511万円から429万円へ、「ロングレンジ」は6,552,000円から4,990,000円へ値下げを行い、最上位の「パフォーマンス」については7,173,000円と”変わらず据え置き”。

Bloombergによれば、「日本市場での需要喚起」が目的だといい、実際に多くの問い合わせが寄せられている、とのこと。

参考までに、米国においてもテスラはモデル3を2.6%、モデルYを4.8%引き下げており、中国市場においても大幅値下げを行ったのは記憶に新しいところですね。

日本市場でのテスラの販売台数は?

なお、気になるのは「そもそもテスラはどれくらい日本で売れているのか」。

これについてはテスラ自身が台数を公表していないので正確な数字はつかめず、よって日本自動車輸入組合の発表する統計では「Others」に含まれることになり、2021年1月の「Others」は92台なので、テスラの販売台数は最大でも92台ということに(この中には中国の紅旗などの並行輸入車も含まれ、よって確実に92台より少ない)。

ただ、仮に「80台くらい」だとしてもフェラーリと同じかそれ以上、そして50台前後のマセラティやベントレーより「売れている」ということになるため、意外に(それほど見かけない割に)多いのかもしれません。

それでも値下げに踏み切った背景としては、マツダMX-30のピュアEV版、日産リーフへの対抗も考えられ、たとえば日産リーフだと2020年は月平均で940台を売り上げています。

つまり日産リーフは、テスラ全モデル合計の10倍以上は売れているということになり、テスラはこの市場を獲得したのかもしれませんね。

加えて、日本は「世界で3番めにクルマが売れている」国でもあり、それを考慮すると、現在の販売台数はちょっとおかしいと(テスラ本社が)捉えるのは至極当然の流れです。

テスラ・モデル3のコストパフォーマンスはどれくらい?

そして下記はテスラ・モデル3と競合しそうなEVのスペックと価格の比較。

これを見るに、走行距離と価格とを比較した場合、モデル3のコストパフォーマンスはかなり高く、日産リーフe+を超えることに。

車名バッテリー容量走行可能距離価格
日産リーフ40kWh322km(WLTC)324万円
日産リーフe+62kWh458km(WLTC)441万円
ホンダe35.5kWh283km(WLTC)451万円
VW ID.345kWh330km邦貨換算340万円
BMW i342.4kWh360km543万円
ミニクーパーS E32.6kWh183km邦貨換算335万円
マツダMX-3035.5kWh256km(WLTC)451万円
テスラ・モデル379kWh448km(WLTP)429万円
レクサスUX300e54.3kWh400km(NEDC)580万円

なお、今回の値下げに際し、日本に入ってくるテスラ・モデル3は「アメリカ(カリフォルニア)製」から「中国(上海)製」へ。

ただし現在中国ではBMW、メルセデス・ベンツ、アウディはじめ多くの自動車メーカーが製造を行っており、経験豊富なワーカーが多く、また確保しやすいことから「アメリカ製よりも中国製テスラのほうが高品質」という話もあって、産地の変更についてはあまり気にする必要はないのかもしれません。

【動画】中国でのテスラ・モデル3の生産が開始される。米国製と中国製モデル3を比較したレビュワー「なんてこった。中華テスラのほうが品質がいいぞ・・・」

| 思えば中国でのテスラ工場立ち上げもスムーズで、生産にも遅れは出なかった | テスラは中国に「初」の工場を建設して生産を開始していますが、つい先日、その「中国生産第一号」となるモデル3がラインオフさ ...

続きを見る

テスラはなぜ日本で売れない?

そこでなぜテスラが(他の国ほど)日本で売れないのかということですが、これは単に「テスラの販売方法が日本ではなかなか受け入れられないから」だと考えています。

テスラのクルマはオンラインで「ポチっと」注文する形式ですが、日本では多くの人が「ディーラーにて、契約書にサインする」方式を好み、オンラインでの高額商品取引に拒否反応を示すことが理由なんじゃないかということですね。

これは株式などの金融商品も同様で、「オンラインでの取引き、買い物は怖い」と考える人が今でも相当数いるため、テスラの販売方法が日本に馴染むには「もうちょっと」時間がかかりそう(ただ、コロナウイルスのパンデミックがこれに拍車をかけるのは間違いない)。

ただ、テスラのクルマは「おそろしくリセールが高く」、よって”買ってから売る”までのことを考えると日産リーフの比ではなく、このあたりが広く知られるようになると、また市場の捉え方が変わってくる可能性があるだろう、とも考えています。

テスラ・モデルS

合わせて読みたい、関連投稿

マツダMX-30 EV MODEL
マツダがMX-30「EVモデル」発表!価格は451万円~、参考までに航続距離1kmあたりの価格はリーフとVW ID.3が1万円、、テスラ・モデル3は1.1万円、レクサスUX300eは1.5万円、ホンダeは1.6万円、マツダMX-30は1.8万円

| マツダはどうやらEVでも「プレミアム」を貫くようだ | さて、マツダが「MX-30」のピュアエレクトリックモデルを発売。MX-30は欧州だとピュアエレクトリックモデルとして展開されているものの、日 ...

続きを見る

テスラ・モデル3、モデルS、モデルX
テスラ関連ニュース4連発!タッチスクリーン問題で日本でもリコール実施、さらにリコール拡大の可能性も。新型ロードスター向けに画期的ワイパーの特許申請etc.

| テスラはセコい会社なのか、新しい構造にコストを投じる会社なのか判断しかねる | さて、ここ最近細々とした話題の多いテスラですが、その中でも注目すべきはモデルSとモデルXのタッチスクリーン問題。米国 ...

続きを見る

テスラ・モデル3
「4車種しかない」テスラが北米にて「アウディの台数を抜いて4番目に売れている」プレミアムカーメーカーへ。車種はわずか4つ、EVのみでこの快挙

| 販売開始後10年程度で既存自動車メーカーに比肩しうるとは | テスラは2020年に「全世界で50万台近くを販売した」とアナウンスしていますが、北米においてはアウディを抜いて「4番目に売れている自動 ...

続きを見る

参照:Bloomberg

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->テスラ(TESLA)
-, , , , ,