>テスラ(TESLA)

実は広告を打ったことがないテスラ。今回の株主総会にてイーロン・マスクCEOが「公告を試す」とコメント→会場が歓喜に包まれる

テスラ

| ある意味、広告なしでここまで伸びてきたのは驚異的でもある |

おそらくその広告はテスラの安全性や先進性のアピールに使用されることになる可能性が大

さて、テスラCEO、イーロン・マスクCEOが「今後、テスラ車に関する広告に挑戦する」と公式のコメントして投資家の喝采を浴びているとの報道。

これは2023年5月16日に開催された年次株主総会「サイバー・ラウンドアップ2023」にて、ユーチューバーにしてテスラの株主でもあるケビン・パフラス氏が「テスラは、もっと幅広く、一般の人にテスラを知って貰う必要があるのではないか」とイーロン・マスクCEOへと投げかけた後、イーロン・マスクCEOが「広告を試し、様子を見てみる」と返したものだと報じられています。

テスラはこれまで公告を展開していない

なお、意外なことでもありますが、テスラはこれまで広告宣伝を行ったことはなく(広告を見たとしたら、それはテスラのディーラーや現地法人が独自に行っているものであって、本社が行っているものではない)、これまでの拡大や認知度向上はツイッターへの投稿による話題作り、そしてその拡散によってなされています。

一時はメディアからの問い合わせに対応するため「広報」機能を持つ部署があったものの、今では広報部門は解体されており、こういった事実を見てもテスラがこれまで公告に価値を見出していなかったことがわかります。

テスラ・モデル3
テスラ「PR部門はすでに解体した。我が社は宣伝広告に費用を投じない」

| テスラの広告塔はイーロン・マスクCEO、そして同氏のツイッター | テスラが「PR担当部署を解散させた」との報道。これはエレクトリックカー専門メディア、Electrikに対してテスラ重役が語ったも ...

続きを見る

ただしイーロン・マスクCEOは「今後、広告は、会社を拡大するための有効な手段となりうる」とも述べており、これまでの戦略を転換する方向を示していますが、これはつまるところ「競争の激化」による相対的なポジションの低下を懸念したこと、さらにはその対策だとも考えられます。

テスラ

しかしイーロン・マスクCEOは、現時点では「広告については試す価値がある」「広告展開については社内で承認されたばかりであり、今後どうするのか具体的なことはまだ決まっていない」とも述べ、その一方で、この広告については「リコールなどネガティブな要素ばかりが報じられる現状、そして(そういった報道によって)誤解を招いている現状において、安全性や先進性のアピールに活用したい」という意向も語ったとされ、今後の展開には期待したいところでもありますね。

なお、年次株主総会においてこのコメントが出た後、会場は歓声に沸いたといい、多くの株主にとっては「待ってました」という流れであったようですね。

参考までにですが、テスラ同様に広告を打たない自動車メーカーとしては「フェラーリ」がその名を広く知られており、逆に多額の広告宣伝費を投じる自動車メーカーはヒョンデであるという報道も見られます。

テスラについては「110万台以上のリコール」が報じられる

そして直近のテスラの話題といえば「110万台のリコール」。

これは中国市場において、中国の市場統制局からの指示によるものだと報じられており、過去に輸入されたモデルS、モデルX、モデル3、そして現地で生産されたモデル3を含む1,104,622台が対象となっていて、中国側の言い分としては「ドライバーが回生ブレーキをオフにすることができない」「(ペダル踏み間違いの事故を防ぐため)ドライバーがアクセルを強く踏み込んだときに強い警告音を発する必要がある」ため、これを修正する必要があるというもの。

テスラ

もちろんテスラはこれらについてOTA(オーバー・ジ・エア)アップデートにて対応することになるそうですが、テスラはこういったアップデートを、「サービスキャンペーンの一貫」にとどまるものであってリコールではないというスタンスを貫いていて、今回のような案件が「大規模リコール」として報じられることで会社のイメージが傷つくことを嫌っており、アメリカ市場ではNHTSA(現地の国交省に相当する機関)に対して「(アップデートを)リコールと呼ぶな」と要請したことも。※今回の中国の件だと、安全性にかかわるため、中国側はリコールだと表現している

そして今回の広告「お試し」については、こういった「テスラはリコールが多い」というある種の”誤解”を解くために使用されるのだとも考えられます。

テスラ・モデルX
リコールばかりが報道されるテスラだが、アメリカの中ではもっともリコールが少なく、件数ベースではフォードの1/9だった。しかも多くがオンラインによるアップデートで改善

| たしかにテスラの販売台数はフォードほどではないが、それでもリコールが少ないことは間違いない | おまけにテスラの「オンラインアップデート」は他社も続々取り入れている さて、ここ最近なにかとテスラの ...

続きを見る

合わせて読みたい、テスラ関連投稿

テスラ
他社が電気自動車メーカーの宣伝を行えば行うほどテスラの注文が増加するという事実。いったいなぜこんなことになったのか?

| 多くの人々は電気自動車=テスラという認識を持っているのだと思われる | そしてその印象を植え付けたのは、他ならぬ既存自動車メーカーである可能性が高い さて、テスラはつい先日、2022年の第1四半期 ...

続きを見る

テスラ・モデルY
イーロン・マスクのツイッターでの発言がテスラの販売を阻害している?以前は「挑戦者の偉大な夢」と捉えられたツイートが今では「金持ちの戯言」と一蹴されることも

| たしかにかつてと今ではテスラの立場も追う側から追われる側になってしまった | 立場が変われば、同じ発言でも違う意図に捉えられることも さて、テスラは広報を持たず、かわりにその役目を果たすのがイーロ ...

続きを見る

新型テスラ・ロードスター
テスラの大株主にしてテスラ支持者がイーロン・マスクCEOに対し広報部門の復活を要請。同CEOの発言で株価が大きく揺れ動くことに懸念か

| ただ、イーロン・マスクCEOの発言によってテスラの株価が大きく下がったときにテスラ株を買うのも悪くないと思う | いずれにしても、テスラほど注目されている企業であれば、ちょっとのことで大きく株価が ...

続きを見る

参照: Reuters, etc.

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->テスラ(TESLA)
-, , , ,