
Image:MIIT
| ついに3列SUVへ進化。テスラ・モデル Y Lの全貌 |
中国では「発表前の新型車」の情報が公的機関を通じて公開される
さて、長らく「テスラ・モデルYのロングホイールベース版」の中国市場への投入がウワサされてきましたが、これは「中国ではロングホイールベースが好まれるため」であり、実際にBMW、メルセデス・ベンツなど様々な自動車メーカーが「中国専用」として、あるいは中国市場を見据えてロングホイールベースバージョンを投入しています。
そして今回、中国の工業情報化部(MIIT)に提出された販売許可申請が公開され、これによって「モデルY L」の一部情報が明らかになり、モデルY Lは従来の5人乗りモデル Yよりも長く、ホイールベースも拡大され、3列6人乗りを実現したロングホイールベース仕様となることが明らかに。
外寸・寸法比較:5人乗りモデルとどう違う?
モデルYとモデルY Lの寸法・レイアウトの相違は以下のとおりですが、注目すべきは「ロング化」を2列目シートのスペース拡大に宛てたのではなく「3列シートの追加」に使用したこと。
つまり、これはモデルYが(中国では)プレミアムカーではなくファミリーカーという位置づけであることを意味します。
項目 | モデル Y(5人乗り) | モデル Y L(6人乗り) |
全長 | 4,797 mm | 4,976 mm |
全幅 | 1,920 mm | 1,920 mm |
全高 | 1,624 mm | 1,668 mm |
ホイールベース | 2,890 mm | 3,040 mm |
車両重量(カーブ) | 1,992 kg | 2,088 kg |

Image:MIIT
モーター出力の違いと性能
モデル Y LはデュアルモーターによるAWD(全輪駆動)仕様を採用し、フロント142kW、リア198kWの出力を持ち、合計では340kW(約456馬力)を発揮します。
最高速度は201km/hとされており、従来モデルよりもわずかに高出力であることがわかりますね。
外観上だと「長くなった」ほか、リヤセクションに若干の変更が入り、モデルネームが「YYY」へと変更されています。
項目 | Model Y(AWDロングレンジ) | Model Y L(6人乗り) |
フロントモーター出力 | 137 kW | 142 kW |
リアモーター出力 | 194 kW | 198 kW |
総出力 | 331 kW(約443 hp) | 340 kW(約456 hp) |
バッテリー種類 | NMC(LG製) | NMC(LG製) |
テスラ「モデルY L」室内の進化と市場投入時期
モデル Y Lは「3列6人乗り仕様」とすることで、中国市場での競合車両──オンヴォL90、BYD Tang L、Aito M9、Li Auto L8など──に真っ向から挑むこととなり、発売予定は2025年秋、価格は30万元(約590万円)前後となる見込み。
テスラ「モデルY」中国における販売動向
なお、モデルYそのものは昨年「世界でもっとも売れたクルマ」となっていますが、同じ2024年には、中国市場だけで480,309台のモデル Yが販売され、同国で最も売れた車種となっています。
しかし、2025年前半には販売台数が前年同期比で17.5%減少(171,491台)しており、新型モデル Y Lによるテコ入れが期待されているというのが今の状況(フェイスリフトが入り、中国で人気があるLEDライトバーを採用したが、大きく販売が伸びた様子は見られない)。
そしてこの「中国での需要を踏まえた」戦略的なロングホイールベース仕様であるモデル Y Lは、ファミリー層をターゲットにしつつ、EV市場におけるテスラの競争力をさらに高める存在になる車であると期待されています。
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
-
テスラ中国、8カ月ぶりに前年超えの販売実績を記録──シャオミ YU7の影響は今後あらわれる?
| テスラ中国、6月は前年比0.8%増の71,599台を出荷 8カ月連続の減少に終止符──ようやく前年超えを達成 さて、先ごろ「冴えない」2025年第2四半期の決算を発表したばかりのテスラですが、中 ...
続きを見る
-
-
【ついに上陸】テスラがインドにて初の展開を開始。モデルYの価格は約1730万円から、販売開始は8月1日予定
| テスラ、ついにインド進出。初のショールームはムンバイに | 現時点では「関税」の影響によって非常に高額である 2025年7月15日、テスラが正式にインド市場へと参入。 初のショールームは、ムンバイ ...
続きを見る
-
-
テスラ株急落で「空売り」投資家がが2050億円超の利益獲得──イーロン・マスクとトランプの対立が引き金に?
| 一時は「ロボタクシー」関連にて持ち直したテスラ株だが | テスラ株に対しては悲観的な意見がもはや大半である さて、大幅にその価値を失った後、ロボタクシー関連にて持ち直したテスラ株。 更にはその少し ...
続きを見る
参照:MIIT, CarNewsChina