
| 一時は「ロボタクシー」関連にて持ち直したテスラ株だが |
テスラ株に対しては悲観的な意見がもはや大半である
さて、大幅にその価値を失った後、ロボタクシー関連にて持ち直したテスラ株。
更にはその少し前に、イーロン・マスクCEOがドナルド・トランプ政権を離脱したことで「本業(テスラ)に専念するのでは」との見方が強まっていたこともあり一時は堅調に見えていたものの、ここへ来て再び大きく株価を下げる事態となっています。
-
-
テスラのロボタクシーがついに公道デビュー。ただし「招待制」で一般利用不可、「あなたは乗れません」。なお料金は1回あたり670円
それでもテスラの株価は9%も急騰 イーロン・マスクCEOの資産はこの1日で約1兆5000億円も増加することに 2025年6月23日はテスラファンにとって少し特別な一日となっており、というのもテスラがつ ...
続きを見る
発端は「America Party(アメリカ党)」発表と大型減税案
テスラ株の急落は、イーロン・マスク氏がSNS(旧Twitter)の「X」にて、独自の政治団体「America Party(アメリカ党)」の設立を発表した直後に起き、この発表は、連邦歳入を2045年までに4.5兆ドル減少させるという大規模な減税法案(これによってEV購入時の税制優遇が失われ、EVが売れにくくなると予想されている)への反発として行われたもの。
イーロン・マスク氏はこの法案に賛成した議員を予備選で落選させるとまで発言しており、政界への介入姿勢を強めていて、投資家からは「結局、イーロン・マスクは政治から離れることができないのか・・・」という失望感、そして「そこまでしなければならない」テスラの状況をありありと感じることになり、これが「売り」につながったのだと見られています。
イーロン・マスクとトランプの対立がテスラ株に直撃
さらに、テスラの販売不振が続く中、SNSでは「#TeslaTakedown」という抗議運動も急速に拡大。
イーロン・マスクに対する批判はますます強まっていて、。そして今、多くの投資家がテスラの未来に悲観的な見方をしているわけですが、この状況下で大きな利益を得ているのが株価の下落に賭ける「空売り投資家」。
とくに米国時間の月曜日、テスラ株が7.5%下落したことで、空売りポジションを取っていた投資家は合計で約14億ドル(約2050億円)もの利益を上げたと報じられており、こういった事実からも「もはや人々はテスラに魅力を感じていない」ということを見て取れるように思います。
空売り勢は6月にも「勝利」
実は今回に限らず、イーロン・マスク氏とトランプ大統領の政治的対立はこれまでも市場に大きな影響を与えており、6月5日には、両者のSNS上での言い争いをきっかけにテスラ株が急落し、空売り投資家は40億ドル(約6000億円)以上の利益を得ています。
テスラに対する市場の不信は根深い
ウォール街では以前からテスラの長期的成長に疑問の声が上がっていて、2年前には、テスラは最も空売りされた自動車株としても知られており、22億ドル分の株が空売りされており、イーロン・マスクCEOは以前から続くこういった傾向を皮肉るため、空売り(ショート)になぞらえた「ショートパンツ」を公式ストアにて発売したことも。
-
-
テスラ株は今が買い時?最新予測で明かされた未来のシナリオ
1. テスラ株の現状:最新の株価動向と市場の反応 現在の株価と直近のパフォーマンス 現在、テスラ株の株価は2025年3月24日時点で278.39ドルとなっています。直近のパフォーマンスを見ると、過去 ...
続きを見る
イーロン・マスクの沈黙と矛盾
さらに、バイデン政権下でのEV支援政策が後退しつつある現在、テスラの事業環境はより厳しくなっているという状況もあり、しかしこういった政策に対する姿勢の「矛盾」が指摘されるのも「テスラの現状」。
イーロン・マスク氏はかつてトランプ陣営への資金提供者として知られ、ホワイトハウスでも積極的に政府機関の縮小に関与してきましたが、当初は「EV支援政策(税制優遇)が消滅しても影響はない」としていたものの、最近の言動は「やっぱりEV支援策の廃止は困る」として(一見するに)無謀な行動を取っているようにも見え、今回のEV支援策廃止に対する矛盾した立場が疑問を呼んでいるわけですね。
なお、このEV支援策である連邦税額控除は、2025年9月30日に終了する見込みであり、これは、最近可決された「One Big Beautiful Bill Act」という大規模な税制・歳出法案によって決定されたもの。
この法案により、新車、中古車、リースEVに対する連邦税額控除が2025年9月30日をもって廃止され、これまで補助金(減税)をもって安価に購入できたEVにつき、それ以降は「補助がなく」、割安に購入することができなくなってしまうことが予想されています。※もともと、この税額控除は2032年まで継続される予定であったものの、新しい法案によって期限が前倒しされることになり、これはトランプ大統領なりのテスラへの報復なのかもしれない
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
-
テスラ中国、8カ月ぶりに前年超えの販売実績を記録──シャオミ YU7の影響は今後あらわれる?
| テスラ中国、6月は前年比0.8%増の71,599台を出荷 8カ月連続の減少に終止符──ようやく前年超えを達成 さて、先ごろ「冴えない」2025年第2四半期の決算を発表したばかりのテスラですが、中 ...
続きを見る
-
-
【テスラ失速】2025年第2四半期の世界販売が前年比14%減、上半期でも13%の落ち込み
| テスラの「減速」がもはや既定路線に、歯止めがかからず | テスラ、2025年Q2世界販売が384,122台にとどまり前年比14%減 2025年7月2日、テスラは2025年第2四半期(4〜6月)の世 ...
続きを見る
-
-
【EV王者に異変】テスラが欧州で苦戦、中国・アメリカでも試練が続く。まだまだ茨の道は続きそう
| テスラにとっての苦難はまだまだ去りそうにない | テスラ、世界規模での「逆風」 テスラは現在、世界的に厳しい局面を迎えています。 技術面においては同社がテキサス州で開発中の実験的ロボタクシーが法規 ...
続きを見る