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2022年の「国別新車販売ランキング」!日本はインドに抜かれ4位に転落、ほかにはブラジルや東南アジアが伸びており、新興国の元気がいい

2023/01/31

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中国

| 中国はなんと2位の米国にダブルスコアというぶっちぎりの1位 |

おそらくはEV販売が増加するにつれ、このランキングも大きく変動することになるだろう

さて、2022年の自動車販売において、トヨタがNo.1の座を確定させたと報じられている中、今回は「国別」登録台数とランキングが公開されています。

これは世界78カ国からの速報値を集計したもので、全世界での販売台数は2%減となる7849万台(乗用車と小型商用車)だと報じられていますが、国別新車販売ランキングだとインドが日本を抜いて3位ランクアップするなど上位の変動が見られ、日本の停滞ぶりがここでも鮮明となることに。

なお、インドは(人口減少で話題となった)中国を抜いて人口が世界ナンバーワンとなることが確実視され、さらに最近の中国の人件費高騰、そして政治的な不安、先行き不透明なサプライチェーン等といった理由から「(生産、販売ともに)第二の中国」として注目を浴びており、アップルもiPhoneの(インドでの)生産強化に乗り出したと報じられていますね。

国別新車販売ランキングはこうなっている

そこでまずは国別の新車販売ランキングを見てみると、1位の中国が2位の米国に「倍」ほどの差をつけて圧倒的1位に輝いているのが印象的。

なお、ちょっと前までは日米欧の自動車メーカーがこの巨大マーケットになだれ込み、こういった外国の自動車メーカーがシェアのほとんどを握っていたものの、現在では中国の自動車メーカーが力をつけており、中国車のシェアが年々高まっていると報じられます。

加えて、販売の大半がEVとなる時代が来れば、価格的側面から「海外自動車メーカーのクルマ(EV)が売れなくなる」可能性が非常に高くなり、中国依存度の高いフォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツはかなり困ったことになるのかもしれません。

その他、今回のランキングで気が付いたことといえば、今年はじめてブラジルがイギリスを抜いており、新興国のパワーが感じられる結果となっていることですが、徐々に自動車販売の「主役」が変わっていっているのでしょうね。

1中国26,864,000台(+2%)
2アメリカ13,828,337台(-8%)
3インド4,367,964台(+24%)
4日本4,167,590(-5%)
5ドイツ2,874,828台(0%)
6ブラジル1,953,557台(-1%)
7イギリス1,896,259台(-5%)
8フランス1,874,805台(-10%)
9韓国16,526,305台(-2%)
10カナダ1,551,409台(-7%)

China
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ヨーロッパでの販売ランキングはこんな感じ

そしてこちらは欧州での国別新車販売ランキング。

フランスとイタリアが大きく落ち込んでいることがわかりますが、全般的に状況があまり良くなかったようで、その理由はディーラーでの新車供給不足、そしてエネルギー危機によるものだと言われます。

1ドイツ2,874,828台(0%)
2イギリス1,896,259台(-5%)
3フランス1,874,805台(-10%)
4イタリア1,477,261台(-10%)
5スペイン929,731台(-8%)
6ポーランド481,807台(-7%)
7ベルギー422,418台(-7%)
8オランダ368,891台(-5%)
9スウェーデン322,603台(-4%)
10スイス257,531台(-7%)

もっとも販売が沈んだのはこういった国々

そしてこちらは「もっとも販売が凹んだ」国々で、デンマークやオーストリアは「エネルギー危機」が影響しているのだと思われ、しかしエジプトとシンガポールが縮小した理由は不明です。

ロシアの大幅減はもちろん戦争の影響だと思われますが、経済活動全般が停滞しているのは間違いなく、この先がちょっと心配になってしまいますね。

なお、現在ほとんどの日米欧の自動車メーカーがロシアでの生産やロシアへの輸出・販売を停止しており、その「空白」を中国車が埋めている、という報道も見られます。

1デンマーク176,762台(-19%)
2オーストリア242,517台(-20%)
3エジプト213,152台(-27%)
4シンガポール36,101台(-32%)
5ロシア677,008台(-59%)

反面、販売が伸びたのはインドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムといった東南アジアの国々で、宏光ミニEVのようなマイクロEVの販売がこの成長に寄与したと報じられており、さらにこの傾向が続くものと見られています。

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参照:JATO Dynamics

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