| 日本のガラパゴス体質がこんなところにもあらわれていた |
それにしても世界と日本との差が激しすぎる
さて、2022年における電気自動車(EV)の世界販売が780万台にのぼり過去最高となったそうですが、同時に自動車の全世界販売台数の約10%がEVであったという事実を意味しており、自動車業界としては「初」の快挙となっています。
これはウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じたもので、2022年のEVの世界販売台数は2021年と比較して世界的に68%増加しており、世界最大の自動車市場である中国は同時に世界最大のEV市場となり、EVの総販売台数の約3分の2を占めた、とのこと。
ただ、中国の場合はEVとは言っても宏光ミニEVのようなマイクロEVもカウントされていると思われ、このあたりが大きく(2022年のEV販売に)貢献したのかもしれませんね。
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中国ではなんと5台のうち1台がEVに
なお、計算上だと「中国で売れた新車の5台にのうち1台」がEVという計算となり、欧州だと10台に1台がEVだったそうですが、PHEVまで含めると「5台に1台」がEVということに(一般的に、PHEVはEVに含まれることが多い)。
さらにドイツだと新車のうち25%(つまり1/4)がEVとなっているそうですが、これは2023年からEV優遇税制が廃止もしくは縮小するため、「駆け込み」での需要もあったもよう。
そして「EVの普及が遅い」と言われるアメリカでもEVの販売が伸び、EVの(新車における)販売比率は2021年の3.2%から上昇して5.8%に達したそうですが、こと日本に関しては(まだ通年でのデータが出ておらず)2022年11月単月だとわずか1.5%。
日本は自動車販売台数では世界第三位であり、かつ購買力も高い国ではあるものの、この数字について、多くの欧州自動車メーカーは「なぜだ・・・」と考えているのかもしれません(おそらく、日本の自動車メーカーがあまりEVに力を入れていないので、日本の消費者はEVに対して親しみを感じず、購入対象として考えられないのかもしれない)。
ちなみにですが、ぼくは年末年始に香港へと行ってきたのですが、感覚的には「乗用車の5台に1台くらいがテスラ」という印象で、日本との大きな違いを痛感した次第です(今中国に行くと、電気自動車の多さに驚かされるのかもしれない。逆に中国人が日本に来たらガソリン車の多さに驚くのだろう)。
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もっとも売れたEVはやっぱりテスラ
そして「もっとも売れたEV」はやはりテスラであり、それに続くのが中国BYDと上海汽車だそうですが、現時点で「世界で販売されたEVの1/3は中国製」だと報じられているので、中国製EVはその価格を武器にさらに販売を伸ばす可能性もありそうですね。
なお、2023年は世界的に景気失速局面に突入するという予測が大勢を占めており、仮にそうなれば自動車に対する支出は削られるだろうとも見られ、エネルギー(電気料金)価格の上昇とあわせ、2023年は(ガソリン車に比較し割高なEVは)2022年ほどEVが売れないだろうという見方も多いと言われます。※その前に充電器が足りなくなるという予測もある
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