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欧州のEV市場ではすでに「5台に2台が中国製」。たとえ関税が導入されても中国の自動車メーカーは様々な回避策を取る可能性が高く、中国製EVが支配する未来は変えられない

BYD

| 中国政府が「EVを世界中に輸出する」という方針を取る限り、この流れを変えることはできないだろう |

中国は武器の代わりにEVをもって世界侵略を目論んでいる

さて、先日は「2030年には、世界で販売されるクルマのうち、33%(3台に1台)が中国車になる」という驚きの予測が出されていますが、すでに欧州では「販売されているEVのうち、19%(5台のうち2台)が中国製」ということが明らかになっています。

これはJATOダイナミクスが2024年5月の販売データとして公開した集計から見て取れるもので、中国製EVの比率は前年同期比で6%増加していることも明らかになっていて、たしかにこの勢いを見ると「関税を導入しなければ」欧州の自動車市場、とくにEV市場は中国車の独壇場になってしまう可能性があるのかもしれません。

中国
2030年には世界中の新車の33%つまり「3台に1台」が中国車になるとの試算が出される。しかし「それでも日本での中国車のシェアは1%にしかならないだろう」

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欧州は中国車に38%の関税を課す予定である

なお、すでに報じられている通り、欧州(EU)は中国製EVに対して38%の関税を課す予定ではありますが、今回統計を公開したJATOダイナミクスにてグローバルアナリストを務めるフェリペ・ムニョス氏は次のようにコメントしています。

世界的なパンデミック以降、欧州の自動車市場は元の規模の75%~80%にしか回復していない。その結果、欧州各地の多くの工場がフル稼働しておらず、中国の自動車メーカーは関税を回避しながら欧州全域で販売できる機会を得ており、そのチャンスを有効活用している。

現在中国の自動車メーカーがその存在感を増している理由は大きく分けると2つあり、ひとつは「新車の開発速度が早く、欧米の自動車メーカーよりも優れた技術を搭載したクルマを市場に投入していること」。

中国の自動車メーカーの車両開発期間は欧米の自動車メーカーに比較して2/3~1/2程度だと言われ、つまり欧米の自動車メーカーが1台新型車を投入する間に2台投入するケースもあり、さらに現在中国のEVメーカーは「160社も」あるとされるので、市場に中国のクルマが溢れてしまうのはある意味で当然かも知れません。※この開発期間で十分な性能や品質が担保できているかどうかは別問題である

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そしてもうひとつは中国政府が(中国のEV産業に対して)出している補助金です。

これについては今までにもさんざん報じられており、これによって中国の自動車メーカーはEVを1台あたり100万円くらい安く作ることができると言われています。

ただ、この補助金は「一律」に支払われているわけではなく、サプライチェーンへの依存度(内製率の高低)によっても差がつけられており、これが今回EUが導入する関税の「自動車メーカーごとの高低」にも現れているわけですね。

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そしてこの関税が導入されると(欧州における)中国製EVの価格が欧州自動車メーカーのEVと同程度となり(これこそが関税を導入する目的である)、よって中国製EVの販売が減速する可能性が出てきますが、中国の自動車メーカーは現在これに対抗すべく「中国以外に工場を建設」するなどの関税回避策を取っていて、これに加えて中国政府が「さらなる補助金」を投入してくる可能性も考えられ、もしかすると「欧州の自動車市場における中国の自動車メーカーのEV比率」は高まることはあっても”下がる”ことはないのかもしれません。

もう一つ補足するならば、この「補助金」目当てで多くの自動車メーカーが中国に乱立していて、これによって中国国内での競争が熾烈なものとなっているのですが、この環境下において多くの自動車メーカーが(競争が厳しい)中国市場に見切りをつけ、価格体優位性をもって攻略しやすい海外市場に目をつけており、これが「中国車の海外進出」にある裏事情であるとも言われています。

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