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欧州にてマツダ・ロードスター存続の危機!2リッターモデルが廃止され「販売は20%ダウンするだろう」。いったいなぜ?

2019/12/21

| なにもかも欧州の厳しいCO2排出規制のせい |

欧州にて、マツダ・ロードスターの販売が20%減少するであろう、とのレポート。
これはFinancial Timesが報じたもので、マツダは「CO2排出規制に適合させるため」、現在1.5リッターと2リッターとが選択できるロードスターのエンジンを、「1.5リッター中心にシフトする」ため。※日本だとロードスターのエンジンは1.5リッターのみで、ロードスターRFは2リッター

ただ、2リッターエンジンを完全に廃止するわけではなく「供給を絞るだけ」としており、絞った分が「20%減」につながるということになりそうです。

すでに同紙は「メルセデスAMGはランアップの75%を販売終了とする可能性がある」とも報じていますが、このCO2排出規制は業界を大きく揺るがすものだと断言できそう。

そもそもOC2排出規制とは

たびたび出てくるCO2排出規制ですが、現在問題となっているのは「2021年までに、販売する新車の平均CO2排出量を、走行1kmあたり95g以下に抑えるべし」というもの。
マツダ・ロードスターの場合、2リッターエンジンは155g、1.5リッターエンジンは138gなので、2リッターエンジンは「売れば売るほど」基準から遠ざかるということに。
もちろん1.5リッターエンジンであっても基準を超えていますが、マツダの場合は「クリーンディーゼル」もあるので、平均すると1.5リッターエンジンは「許容」できるということなのだと考えられます。

なお、この2021年の基準は、2015年に決められたものに比較すると27%低くなっていて、言い換えれば「燃費を27%向上させろ」というのと同じ。

これは自動車メーカーにとって簡単なことではなく、よって各自動車メーカーは「エレクトリック」「ディーゼル」「水素」といった感じでドラスティックな転換を図っているわけですね(ガソリンエンジンだと、いかに頑張ってもこの数値を達成できない)。

この基準を達成できない場合、その自動車メーカーは「達成するまで」罰金をひたすら払い続ける必要があり(厳しい・・・)、その額は自動車メーカーの規模によっても異なるものの、100万台規模の自動車メーカーだと「1000億円以上」だとも。※オーバーしている程度にもよると思われる。過去の規制においては、フェラーリとアストンマーティンがクリアできずに罰金を支払ったことがある

よって自動車メーカーとしては罰金を回避したく、現在のラインアップの平均CO2排出量を考慮に入れ、「どれくらいのパーセンテージをエレクトリック化すれば」規制をクリアできるかということを考えていて、たとえばフォルクスワーゲンだと「2025年までにエレクトリックモデル80台」というロードマップがこれを達成するための手段なのでしょうね。

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話をマツダ・ロードスターに戻すと、こういった理由でマツダは欧州にて「2リッターのロードスターを販売できない(販売すれば多額の罰金が必要に)」ということになりますね。

ちなみに同様の規制について、中国では2020年までに117g(欧州よりは緩い)、日本は2020年までに122g、米国では2025年で97g。
環境大国を目指す中国がこの数字なのは意外ですが、日本もかなり「緩い」数字。
ただ、これには「エレクトリック化を進めると、(EVはパーツ点数が少なく構造が簡易なので)失業者が大量に出ること、加えて現在ガソリンに含まれる税金の収入が減ってしまう」ことが関係しているのかも。

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そして2025年とはいえどアメリカがけっこう厳しい数字を掲げているのは意外でもありますが、これは「問題を先送り」した感が否めず、「まあ2025年になったらEVもいっぱい出てるだろうし、それくらいは達成できてるんじゃない?」みたいな感じかもしれません。

なお、ここでふと思うのは、「マニュアル・トランスミッション」車。
MT車は、一般にAT車に比較してCO2排出量が高いとされますが、販売台数が少なく、しかし企業全体のCO2排出量を引き上げかねないMTを「どこの自動車メーカーも作りたがらない(そもそも会社としてOKが出るとは思えない)」のもわかるような気がしますね。

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