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フェラーリ「ローマはいうなればイブニングドレスを着たF1マシン。そのルックスによって高級SUVやセダンのオーナーを取り込みたい」

2019/12/20

| フェラーリはライフスタイル系モデル=GTラインナップの販売を増やしたい |

フェラーリにてマーケティング部門を統括するエンリコ・ガリエッラ氏がカーメディア、AutoNewsに語ったところによると、フェラーリは「ローマ」にてその顧客層を拡大したい、とのこと。
同氏によると「世界には、フェラーリを購入できるだけの財力を持つ人々が多数いる。しかし、その中でフェラーリを購入するのはわずか0.05%のみだ。多くの人々は、フェラーリがいかに運転が楽しいかを知らず、そのため積極的にフェラーリを選ばない。よって、我々は”ややフレンドリーな”ローマによってその障壁を下げたいと考えている」。

フェラーリ・ローマは「イブニングドレスを着たF1マシン

実際のところフェラーリは(いずれのモデルも)実際に運転してみると非常に快適で乗りやすいクルマですが、F8トリブートや812スーパーファストは見た目がアグレッシブすぎるのもまた事実。

ちなみにローマのキャッチコピーは「LA NUOVA DOLCE VITA=新しい、甘い生活」。
発表前のティーザー画像にはカフェの画像が使用されるなど、これまでの「走り一徹」なフェラーリとは一線を画する、ライフスタイル寄りの印象も演出されています。
ローマは古典的なロングノーズ・ショートデッキを持ち、アグレッシブというよりはエレガントなイメージを持ち、これまでフェラーリを敬遠していた人々、フェラーリに興味を持たなかった人たちに訴求できそうでもありますね。

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なお、エンリコ・ガリエッラ氏によると、フェラーリがローマにて取り込みたいのは、「高級SUVや高級セダンに乗っていて、スポーツカーを所有したことがない人々」。

そういった人々にアピールするため、デザイナーのフラビオ・マンゾーニ氏は「F1マシンにイブニングドレスを着せた」ローマをデザインしたとも語っていますが、まずはそのルックスで新しい客層を取り込み、そこから運転する楽しさに目覚めさせるということなのだと思われます。

フェラーリは「GT」系の販売を増加させたい

フェラーリは中期計画において、今後の構成を「スポーツ」「GT」「ICONA」「スペシャルモデル」に分類し、スポーツではF8系やSF90ストラダーレ、812系、GTだとポルトフィーノやこのローマ、GTC4ルッソ、ICONAではモンツァSP1/SP2のような限定モデル、スペシャルモデルは488ピスタのようなクルマだと定義。

そしてフェラーリはGT系の販売を現在の32%から2022年には40%に引き上げたいとも考えていて、その役割を担うのがローマ、そして今後登場するSUV、”プロサングエ”だと思われます。

なお、フェラーリの場合、「買わない」よりも(順番が回ってこないので)「買えない」人も多そう。
そして新車だと「注文してから納車は2年後」というリードタイムの長さも購入障壁となりうるかもしれません。

ただ、ローマの場合は生産能力を増強することで「制限なし」に販売し、かつ「これまでよりも早い納期で」納車することを考えていると思われ、フェラーリの一層の成長に貢献することになりそうですね(フェラーリの生産能力はあまり報道されることがなく、現在”余力があるのかどううか”も不明であり、工場を増設したという話も聞かない)。

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