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東名高速での「テスラが起こした死亡事故」。自動運転中だったにもかかわらずドライバーの責任が追求され有罪が確定する

2020/05/25

| レベル3まではドライバーの責任、レベル4からはクルマの責任 |

さて、2018年4月に東名高速にて発生した、自動運転中のテスラ・モデルXが関連する死亡事故。

まず東名高速にて自動車と自動車との事故が発生し、その事故によって停止したクルマを避けることができなかったライダーがこれに衝突して転倒。

そして転倒したライダーを助けようと、一緒に走っていたツーリング仲間が停車することになりますが、まずはこの直後に来たクルマは事故を起こした車両とライダーたちを回避。

ただしその後ろから来たテスラ・モデルXは前方にあるバイクやライダー、クルマを回避できずそのまま直進し、救助活動にあたっていたライダーの一人をはね、その男性が死亡してしまったというのがコトの経緯となります。

本件については遺族がテスラを相手取って訴訟を起こしているものの、今回報じられたのは、「テスラ・モデルXを運転していた男性の責任を問う」という別の裁判の判決で、これによると自動運転中の事故だったにもかかわらず、ドライバーの有罪が確定したという内容です。

もう怖くて自動運転機能を利用できない

裁判の争点としては「ドライバーに責任があるのか」「クルマに責任があるのか」。

検察側はドライバーを自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪で起訴し、ドライバーの弁護側は居眠りについて認めながらも「運転支援システムの故障(目前にバイクがいるのに自動ブレーキが作動しなかった)」が事故の原因だとして争っていたわけですね。

そして判決は「禁錮3年、執行猶予5年」つまりドライバーが有罪となったわけですが、決め手となったのは検察側がテスラとともに主張した「運転支援システムの故障ではなく、機能の限界」。

つまり自動運転は万全ではないという主張が優先されたということになりますが、そうなると「自動運転って何なの」ということに。

ちなみにテスラ・モデルXの自動運転レベルは「2」。

これは「加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う」としたもので、基本的に事故時責任はドライバーにあるとされています。

日本では「レベル3」自動運転が認可

日本においては今年4月にレベル3が認可され、その定義は「加速・操舵・制動を全て車両が行うが、緊急時や自動運転システムの限界時にはドライバーが操作を行う」。

ただしこちらも事故の際はドライバーが責任を負うこととなっています。

現在、自動運転は「自動車メーカーの考える未来」のひとつではありますが、「ドライバーがクルマに任せっきり」なのはレベル4からであり、これについては現段階では実用化不可能だと見る向きが多数。

つまり、市販車に搭載される自動運転は「ドライバーが責任を持たねばならない」ということで、もしクルマが暴走しても、故障が立証されなければそれは変わらないのかも。

そうなれば、ドライバーは高いお金を払ってまでリスクを背負い込むことになってしまい、またしても「自動運転って何なの」という気もしてきますよね。

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おそらく今後は「自動運転絡みの訴訟」が増加することになると思われますが、今回の訴訟のようにドライバーによる過失が追求されることになるのは間違いなく、自動運転を過信するのは禁物だと言えそう。

加えて自動車メーカー側も「自身の過失を否定するため(ドライバーの過失を主張するため)」に様々なデバイスを投入してくると考えられ、新型メルセデス・ベンツEクラスに搭載される「ステアリングホイールを握っているかどうかを判別するセンサー」もそのひとつなのかもしれません。

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参照:日本経済新聞

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