■そのほか自動車関連/ネタなど

新車登録から5年で「もっとも価格が下がらない」のはジープ・ラングラー、「もっとも価値が下がる」のは日産リーフ!やはり電気自動車はまだ買いどきではないのか・・・

2021/10/29

ジープ

| 全般的に、特定の目的のために特化したクルマの価格は下がりにくい |

反面、高級車や、汎用性が高いクルマほど価値が下がりやすい

さて、米中古車リサーチ&売買会社のiSeeCarsが興味深い統計を発表。

それは「新車登録から5年で、もっとも価値が下がらなかったクルマ」「新車登録から5年で、もっとも価値を下げたクルマ」のランキングであり、2016年に登録された820万台の新車を対象に調査を行っています。

なお、ランキングについては「すべての自動車総合」のほか、「スポーツカー」「SUV」「高級車」など、セグメントごとにも示されており、そこからは一定の事実が見えてくるようですね。

「もっとも価値が下がらない」クルマはジープ

まずは総合にて、もっとも価値が下がらないクルマのランキング。

トラック、トラックベースの(ヘビーデューティー)SUV、そしてスポーツカーという個性的なモデルが揃っていて、これはつまり「設計された目的が明確なクルマには、固定ファン(もしくは実需)がつき、需要を下支えしている」ということになりそうです。※数値は「値下がり率」

そしてポルシェ911が3位に入っていますが、これはぼく的に違和感があるもので(実際に911に乗っていた経験からすると、ここまで価値を維持できない)、その理由を考えてみたのですが、おそらくこの統計における「基準となる新車価格」には「オプション抜きの価格」を採用しているのだと思われ、しかし911を購入する顧客は平均して30%以上のオプションを装着すると言われるので、「iSeeCarsが基準として用いた新車価格と、実際に消費者が購入した価格」とは大きく差があるのだと思われます。

ポルシェ911

よって、ポルシェ911の場合、実際の購入価格から計算すると、現実的にはもっと大きく値が落ちているということになるのかもしれません(それはほかのクルマも同様だと思われるが、ポルシェの場合はとくに装着するオプション金額が大きいと思われる)。

たとえば、新車価格が1000万円だとして、5年後の売却価格が800万円だとすると、「値下がり率」は20%ですが、実際の購入時にはオプションを300万円装着して1300万になると考えると、売却価格が800万円だとすると38%下落しているという計算です(ただ、ポルシェの場合、オプション自体は高額ではあるが、売却時に大きくプラス査定になるオプションも多い)。

新車から5年でもっとも価値が下がらないクルマ

  1. ジープ・ラングラー・・・9.2%
  2. ジープ・ラングラー・アンリミテッド・・・10.5%
  3. ポルシェ911・・・12.8%
  4. トヨタ・タコマ・・・13.8%
  5. トヨタ・タンドラ・・・19.5%
  6. フォード・マスタング・・・21.0%
  7. シボレー・コルベット・・・22.7%
  8. シボレー・カマロ・・・23.6%
  9. ダッジ・チャレンジャー・・・24.4%
  10. トヨタ4ランナー・・・24.6%

ジープ・ラングラーが世界で二番目に売れているのは日本
参考え?そうなの?なんとジープ・ラングラーが世界で二番目に売れているのは日本!ジープの国内販売台数がこの10年で13倍に増加した謎に迫る

| むしろ他の国でジープがそんなに売れていなかったことが驚きだ | さて、驚くべきことではありますが、日本はジープ・ラングラーが「世界で二番目に(アメリカに次いで)売れている」国なのだそう。さらには「 ...

続きを見る

もっとも値が下がるクルマは「日産リーフ」

そしてこちらは反対に「総合(全体)もっとも価格が下る」クルマ。

1位と2位は電気自動車によって占められ、そのほかはいわゆるプレミアムブランドのクルマがランクインしていますが、やはりセダンの値落ちが大きいようにも思えます。

なお、電気自動車の価格が下がるのは「バッテリーの劣化が年3~5%ある」「逆にバッテリーの進化が年5%くらいある」からだと考えられ、つまり絶対的かつ相対的に性能が劣化してゆくからで、これはあとしばらく「どうにもできない」現象なのかもしれません。

逆に、クルマを「足」として安く手に入れたいのであれば、電気自動車に勝る選択肢はないということですね。

もっとも値下がりするクルマのランキング

  1. 日産リーフ・・・65.1%
  2. BMW i3・・・63.1%
  3. BMW 7シリーズ・・・61.5%
  4. マセラティ・ギブリ・・・61.3%
  5. BMW X5・・・60.3%
  6. ジャガーXF・・・59.5%
  7. BMW 5シリーズ・・・59.1%
  8. アウディA6・・・58.2%
  9. リンカーン・ナビゲーターL・・・57.3%
  10. ボルボS60・・・40.1%

参考今までに乗ってきたクルマはどれくらいの値段で売れたのか!最も低いのは購入価格の32%、高かったのは141%

| フォルクスワーゲン、アウディは全般的に高くない | さて、ちょっと情報を整理する上でも「これまでに買ったクルマがいくらで売れたのか」ということをまとめてみようと思います。ぼくは購入したクルマをずっ ...

続きを見る

その他のランキングはこうなっている

上記の「総合」のほか、セグメント別のランキングを見てみたいと思いますが、その内容は下記の通り。

ざっと見ると、やはり「価格が下がらない」上位の多くを日本車が占めており(信頼性が高く、維持費が安いからだと思われる)、とくにスバルとトヨタの圧勝。

セグメントごとだとSUVの価値が下がりにくく、しかし高級車の価値が大きく下がる傾向にあるようですが、SUVの中においてもジープの価格維持率は圧倒的でもあります(トヨタ・ランドクルーザーでも35.4%の値下がりがある)。

もっとも価値を維持できるスモールSUV

  1. ジープ・ラングラー・・・9.2%
  2. ホンダ・ヴェゼル・・・34.3%
  3. マツダCX-3・・・34.5%
  4. ジープ・レネゲード・・・34.8%
  5. トヨタRAV4・・・35.8%

もっとも価値の下がるスモールSUV

  1. フォード・エスケープ・・・49.8%
  2. フィアット500X・・・49.1%
  3. シボレー・イキノックス・・・47.7%
  4. GMCテレーン・・・47.3%
  5. 三菱アウトランダー・・・46.2%

もっとも価値を維持できるスモール・ラグジュアリーSUV

  1. ポルシェ・マカン・・・37.1%
  2. ミニ・クロスオーバー・・・39.1%
  3. メルセデス・ベンツGLA・・・39.3%
  4. メルセデス・ベンツGLC・・・40.4%
  5. BMW X1・・・43.6%

もっとも価値が下がるスモール・ラグジュアリーSUV

  1. ボルボXC60・・・54.8%
  2. ビュイック・エンビジョン・・・52.4%
  3. アウディQ5・・・50.8%
  4. BMW X3・・・50.7%
  5. アキュラRDX・・・49.6%

もっとも価値を維持できるラグジュアリー・ミッドサイズSUV

  1. レクサスRX350・・・34.6%
  2. レクサスGX460・・・39.5%
  3. ポルシェ・カイエン・・・44.5%
  4. メルセデス・ベンツGLE・・・46.4%
  5. レンジローバースポーツ・・・47.7%
  6. ボルボXC90・・・48.6%
  7. BMW X6・・・49.6%
  8. アキュラMDX・・・53.2%
  9. BMW X5・・・53.7%

もっとも価値を維持できるスモールカー

  1. スバルWRX・・・29.4%
  2. ホンダ・シビック・・・30.4%
  3. トヨタ・カローラ・・・32.9%
  4. スバル・インプレッサ・・・34.2%
  5. シボレー・スパーク・・・38.0%
  6. 日産ヴァーサ・・・38.2%
  7. ヒュンダイ・ヴェロスター・・・38.3%
  8. キア・リオ・・・38.7%
  9. フォルクスワーゲン・ゴルフGTI・・・39.8%
  10. キア・フォルテ・・・39.9%
  11. ヒュンダイ・アクセント・・・40.9%
  12. ヒュンダイ・エラントラ・・・41.2%

もっとも価値を維持できるスモール・ラグジュアリー・カー

  1. レクサスRC350・・・32.7%
  2. レクサスRC300・・・33.1%
  3. レクサスIS350・・・39.1%
  4. メルセデス・ベンツCLA・・・39.5%
  5. レクサスIS300・・・40.9%
  6. BMW M3・・・41.3%
  7. BMW 2シリーズ・・・42.6%
  8. アウディS3・・・44.2%
  9. アウディA5・・・46.2%
  10. メルセデス・ベンツCクラス・・・46.8%
  11. BMW 4シリーズ・・・47.0%

合わせて読みたい、調査/ランキング関連投稿

レクサス
「そのブランドをまた買う」普及ブランド1位はスバル、プレミアムブランドではレクサス。米統計にて日本のブランドがランキング上位を独占

| スバルの顧客は忠誠心が非常に強いことで知られる | レクサスの支持はクルマの品質に加え、その「サービス」も関係? さて、米国にてJDパワーが行った調査が「ちょっと面白い」結果に。これは「クルマを買 ...

続きを見る

マツダとスバルはトヨタ比7倍のリコール率。それでもトヨタが見下され、マツダ/スバル人気の謎

| リコールの内容とその見方を考えて見る | マツダの「同一案件に二回のリコール」がちょっと衝撃的だったわけですが、やはりマツダはけっこうリコールが多い、という印象があります。 そこで、2018年現在 ...

続きを見る

参照:iSeeCars

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■そのほか自動車関連/ネタなど
-, , , , , ,