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「電動化一辺倒は危険」という風潮がますます強まりそう。リチウム電池の環境負荷やコスト高から水素に可能性を求める自動車メーカーやパーツメーカーが増加中

2022/10/03

トヨタ

| もし「電動化が環境保全のための唯一の手段ではない」と広く認識された場合、「電動化オンリー」のVWはかなり苦しくなりそうだ |

現在はトヨタ、BMW、ヒョンデ、そしてポルシェが水素に可能性を見出している

さて、政治家は「とにかく電気自動車」を推進する傾向になりますが、これについてぼくは政治家自身の票集めのためだと理解していて、「ガソリン車を目の敵にし、電気自動車を推進していれば人気が出る」と理解しているんじゃないかと捉えているわけですね。

実際のところ、電気自動車の普及による弊害について触れる政治家はほぼおらず、カリフォルニア州ですら、あれだけ電気自動車をプッシュしておきながらも「電力不足なので電気自動車の充電を控えるように」という通達を出したほど。

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最近は急速な電動化に懸念を示す声も

ただ、最近になってトヨタを筆頭に、ステランティス、BMWなど「電動化オンリー」の現在の方向に対して疑問を投げかける自動車メーカーもいくつか出ており、特にトヨタは明確に「マルチパワートレイン」つまり電動パワートレイン以外の道も模索すると明言していますね。

この「マルチ」の中には水素も含まれているわけですが、FCV以外にも「水素」を直接の燃料として走るクルマについても研究中で、実際にモータースポーツにも水素エンジンを投入していることがよく知られています。

そして今回報じられたのが「ボルグワーナーが水素エンジンのパーツの開発に着手した」ということですが、ボルグワーナーはターボチャージャーやトランスミッションの設計・製造にて重要なポジションを築いており、同社によれば「(カーボンフリー達成のための)問題は内燃機関ではなく、カーボンだ」。

たしかにこれは「そのとおり」で、カーボンフリーを達成できるのであれば必ずしも電動化を行う必要はないわけですが、世の中の政治家は上述の通り、「電動化以外にカーボンフリーを達成する手段はない」といわんばかりです。

つまり、目的は「カーボンフリー」なのに、政治家は「内燃機関が悪」と決めつけており、内燃機関を電動パワートレインに置き換えることを目的だと履き違えているわけですね(電動化はカーボンフリーの手段のひとつであって目的ではない)。

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電動化は一長一短

加えてトヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEO、ギル・プラット氏は、バッテリー駆動のEVは、カーボンフリー達成のためのソリューションとしては「一長一短」であると語り、「リチウムイオンバッテリーには欠点がある」とも。

Yamaha-Toyota-hydrogen-Engine (2)

リチウムイオン電池は採掘された希少な材料で作られ、採掘や製造段階において大量のCO2を発生することでも知られており、ある意味では環境負荷がかなりかかるのもまた事実。

それに対してエンジンは一般的な材料でつくられており、これを水素で稼働するように再設計したとしても、既存のエンジン技術をベースにできるため、既存サプライヤーや専門家が素早く部品を開発し、迅速に市場に投入することができるわけですね。

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そしてボルグワーナーに話を戻すと、同社はターボチャージャーを製造する専門技術を有しているため、水素エンジンの開発において非常に有利な立場にあるといい、というのも水素エンジンは、ガソリンエンジンよりも多くの空気を要するため、必ずターボチャージャーの装着が要求されるから。

よってボルグワーナーは、消費者が選択できるいくつかのパワートレインのうち、水素エンジンがその一つになるという可能性を排除しておらず、電気自動車が普及する一方、水素燃焼エンジンはガソリンエンジン愛好家に支持されるであろうこと、そしてバッテリー駆動車よりも安価に提供できる可能性が高いことを挙げています。

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ただし水素エンジンには欠点も

しかしながら水素エンジンにも欠点があり、まずはEVより開発費は安いものの、従来のガソリンエンジンの開発費より3割ほどコスト高になってしまうことで、これは当然、車両価格に反映されることになります。

さらに、水素エンジンはカーボンを排出しないとはいえ、エミッションフリーとは言い切れず、窒素酸化物(NOx)の排出があること、そしてごく少量といえどオイルの年少によるCO2も発生します。

そして消費者にとっての最大の課題は「水素をチャージする場所がない」ことで、さらには水素ステーションの建設にはEVチャージングステーションとは比較にならないほどのコストが掛かり、これが「水素エンジン普及」の最大の障壁かもしれませんね。

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参照:Carbuzz

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