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日米欧の自動車メーカーが撤退し「がら空き」になったロシア市場。中国自動車メーカーが今年だけで3倍以上もシェアを伸ばし、ロシアの自動車市場の30%を占める

2022/12/17

NIO

| 中国にとっては「棚からぼたもち」としかいいようがない |

おそらくロシア市場の復活は期待できず、日米欧の自動車メーカーは「捨てる覚悟」でいるしかないだろう

さて、ロシアのウクライナ侵攻以来、自動車業界は未曾有の危機に見舞われており、まずは物資の輸送や製造、そしてエネルギーや資源の調達に滞りが出たこと。

そしてその後生じた問題がロシアでの製造や販売を引き上げたことで、これはやは物理的な問題が生じたというよりは、世間の非難をかわすことがその理由だと思われます(撤退しなければ、ロシアを支持しているのと同じだとみなされるので)。

一方、中国は大きく恩恵を受けていた

こういった状況がある一方、「ロシアに(政治的に近い)中国はロシアから販売を引き上げることはなく、他社が撤退してがら空きになったロシア市場でシェアを伸ばしている」ようで、なんとロシアでシェアを3倍以上に伸ばしているのだそう。

報道によると、2022年1月、ロシアの自動車市場における中国ブランドのシェアは9.6%であったものの、同年6月には21%、9月には27%に跳ね上がり、11月末には31.3%を記録するまでに成長しています。

11月にロシアで販売された乗用車とLCVの新車は合計46,403台で、そのうち16,138台は中国から輸入されたものだとされ、欧州ビジネス協会のデータによると、ロシアにおける2022年の新車販売台数は約60万台に達する見込みだといい、他の国からの供給がほぼ停止している現状を鑑みると、ロシアにおける中国のシェアはさらに拡大することになるのは間違いなさそう。

ラーダ

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中国車の販売が伸びたのには「価格」的要因も

なお、ロシアにて中国車の販売が伸びたのには市場の変化のほかにも理由があるといい、それは「価格」。

ロシアでは低価格なクルマが好まれる傾向があり、たしかに「日本では過走行、低年式で値段がつかない」中古車が(ロシアで)重宝されているというニュースを聞いたりしますが、中国車(新車)は日米欧の新車に比較してかなり安く、これによって販売が拡大している可能性も指摘されています。※それでもロシア製のクルマのほうが安く、ロシア製のクルマは中心価格帯が150万ルーブル、中国製は250万ルーブルだと報じられている

ロシアの自動車アナリスト、ウラジミール・ベスパロフ氏によると「現在、欧米の自動車ブランドの生産は少なく、輸入車も少ないため、市場はロシアと中国の自動車産業で二分されている」と指摘していますが、ロシアと中国の自動車メーカーは「ここぞとばかりに」欧米の自動車メーカーが残した空白を埋めようと躍起になっており、しかしさらに中国車のシェアが伸びることは間違いなく、2023年には、中国の自動車メーカーがロシアにおける販売の約35%を占める可能性があり、2023年には約80万台が販売されるのでは、とも予想されているようですね。

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参照:Reuters

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