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東京都が新築マンション建設時にEV用充電スタンドの設置を義務付けるらしい!現在の150倍、6万台のEV充電器の設置を目指しているという報道

2023/03/10

EVの充電

| 日本ではEVに対する関心がとにかく薄く、EV購入のメリットはほぼ感じられない |

軽自動車やハイブリッドなどランニングコストの安いクルマを安く購入でき、EV購入後の優遇もほとんどない

さて、東京都が日本で初めて「2025年以降、新築マンションにはEV用充電器の設置を義務付ける」ことを検討しているとの報道。

これはもちろんEVの充電を促進するための策ということになりますが、デベロッパーに対して補助金を出すことも議論されているといい、これが決まると新築マンションは「駐車場台数の20%の充電器」を設置することが必要となります。

東京都は2030年までに60,000台の充電器を設置したい意向

報道によれば東京都は60,000台の充電器を2030年までに設置する意向だとされ、2021年度末の充電器の台数が393台であったことに比較すると実に150倍という計算に(さすがに現在はもっと増えていると思うが)。

ちなみに東京都では人口の70%がマンションに住んでいるという統計があるそうですが、東京都はこういった数字を見て「EVを普及させるにはマンションに充電器を設置するのが一番の近道である」と考えたのかも。

なお、東京都は2023年度の予算にて、すでに40億円を調達しており、この予算をもって都内の集合住宅に3,100台の充電器を設置するとも報じられ、この「3,100台」というのは2022年に設置された充電器の15倍に相当するのだそう。

ホンダ

ただし現実的には課題が残る

ただ、こういった施策を導入したとしてもEVが普及するかどうかは疑わしく、大きな理由としては「EVを買う理由がないから」。

高価で充電に困るEVを買わねばならない理由は日本のどこにもなく、たとえばガソリンが高くなったとしても「軽自動車に乗ればいい」と考える人が大半だと思われます。

さらに日本では「環境への投資」という考え方がほぼ根付いておらず、それは国や自治体でも同じなので、たとえば北欧の一部の国のように、「EVであれば駐車料金割引」といった優遇、さらにカリフォルニア州のように「EV優遇レーン」といったメリットもないので、消費者としてはEVを買っても正直モトが取れないわけですね(しかもEVは売却時に二束三文となるが、軽自動車は高く売れる)。

そして今回の施策についても「デベロッパー任せ」という姿勢が見え見えであり、本気でEVを普及させたいのであれば、もっとEVに対するメリットを打ち出さねば消費者の心は動かないのかもしれません。

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今回のマンションの件についても、実際はあまり消費者のメリットにはならないとも考えていて、マンション内に充電器があったとしても「充電器をめぐるトラブル」となる可能性が非常に高く(充電が完了しているのにどかないなど。結局充電したいときに充電できない)、これを当て込んでの購入はあまり考えられないのかも。

そしてデベロッパーにとっては、「20%ぶんの充電スペース」を作らねばならず、本来であればそこを駐車場にできたはずの場所を公共の場所として供する必要があり、となると大きく利益を逸失してしまう可能性もあり、どこにもメリットが存在しないのでは、と考えたりします。

であれば、先日報じられたサブウェイのように「ファストフード店の駐車場にEV充電スタンドを設置する」ほうがよほど現実的でもあり、多くの人にメリットをもたらすのかもしれません。

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参照:Nikkei Asia

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